看護師から言語聴覚士へ転向は可能ですか?|看護師の転職お悩み相談【看護師ドットワークス】

看護師から言語聴覚士へ転向は可能ですか?

3年目看護師、脳外科病棟勤務、転職経験なし

脳外科病棟で働いている3年目看護師です。受け持ち患者さんが言語療法を受けていたことをきっかけに、言語聴覚士に興味を持ちはじめました。

看護師として、脳卒中に対する治療、日常生活援助などを通して患者さんと関わることはできます。看護師の仕事はとてもやりがいがありますが、日々の業務が忙しく、患者さん一人ひとりとゆっくり関われないことにジレンマを感じてしまうのです。

もっと患者さんとコミュニケーションを取りたい、ゆっくりと関わりたいと思い、言語聴覚士への転向を考えています。
看護師から言語聴覚士へ転向した人っていますか?いたらアドバイスをいただきたいです!

看護師の転職お悩み相談の質問

質問者さんのジレンマよくわかります。私も、日々の業務に追われ、ゆっくり患者さんと関われないことに悩む日々です。

看護師の仕事はやりがいがあるのは事実ですが、看護師は患者さんにとって特別な存在になりにくいですよね。たくさんいる看護師の中の一人ではなく……。

言語聴覚士さんは一人の患者さんとじっくり関われて、患者さんの回復を最初から最後まで支えられるので、羨ましく感じる時は多々あります。

私自身は、言語聴覚士への転向を考えたことはありませんが、友人がまさに看護師から言語聴覚士へ転向しました。看護師同様、言語聴覚士もとてもやりがいのある仕事だと言っていました。

今回は、言語聴覚士の仕事内容、看護師から言語聴覚士へ転向したことによるメリット・デメリットを紹介します。

言語聴覚士の仕事内容とは?

言語聴覚士は、言葉によるコミュニケーションが困難な人や、嚥下障害がある人に対してリハビリを行います。言語聴覚士は、英語で“Speech Language Hearing Therapist”、略してSTと呼ばれることが多いです。

では、言語聴覚士の仕事領域と仕事内容を紹介していきます。

言語障害

言語障害で代表的なものには、構音障害、失語症などがあります。これらの障害に対して、言語の理解、発話、読み書きなどのリハビリを行います。

■構音障害
舌、唇、顔面筋などの障害により、呂律が回らない、正しく発生出来ないなどの症状が出現します。呼吸機能や、唇、舌の運動など、話すために必要な機能改善を目指した訓練を行います。

■失語症
大脳の言語中枢が障害されることで発症します。
話す、聞いて理解する、読み書きが難しくなります。絵カードや文字カードを用いて言葉を出す練習、読解力の訓練、文字を書く練習、音読などの訓練を行います。

聴覚障害

生まれつき聴覚障害を持っている人、事故や疾患、高齢化により聴覚障害を発症した人に対して、言語訓練、補聴器のフィッティング、人口内耳の調整などを行います。

摂食嚥下障害

疾患や障害、高齢化などにより、嚥下機能障害がある人へ、摂食機能の維持・回復、低下予防、摂食嚥下機能の評価などを行います。具体的には、舌の筋肉・顔面筋の運動、嚥下の訓練、摂食時の姿勢の調整・訓練、口腔ケアなどを行います。

看護師が言語聴覚士への転向した場合のメリット

言語聴覚士と看護師の仕事を比べながら、看護師が言語聴覚へ移行した場合のメリットを紹介します。

患者さんと関わる時間が増える

看護師が言語聴覚士へ転向を考える一番の理由ではないでしょうか。看護師の業務は多岐に渡るため、業務をこなすだけで精一杯ですよね。

言語聴覚士は、リハビリに焦点を置いて、一人の患者さんとじっくり関わることができます。自身が行った訓練で、患者さんの機能が改善していく姿を間近で見ることができるのも魅力のひとつでしょう。

患者さんにとって特別な存在になれる

患者さんにとって、看護師も必要な存在ではありますが、看護師は大勢いる中の一人というイメージがつきやすく、なかなか特別な存在にはなれません。

だからといって、看護師の仕事にやりがいを感じないわけではありませんが、患者さんから名前を覚えてもらえる、信頼されている医師やリハビリスタッフを羨ましく感じることはあります。

その点で、言語聴覚士は一対一で患者さんのリハビリを行うので、患者さんにとって特別な存在になることができ、「言語聴覚士の○○さんのおかげで、食事がスムーズにできるようになった。」などと言われたら、さらにやりがいを感じられるでしょう。

看護師が言語療法士へ転向した場合のデメリット

看護師が言語聴覚士への転向する場合、メリットだけではなく、もちろんデメリットもあります。

資格取得まで時間がかかる

言語聴覚士は、国家資格であり、言語聴覚士養成課程のある大学もしくは短期大学、専門学校を卒業し、国家試験に合格しなければなりません。

一般的な4年制大学を卒業している場合、言語聴覚士養成課程のある大学、大学院、もしくは指定の養成校を2年通えば、国家試験受講資格を得られます。

看護師から言語聴覚士となるためには、大卒の看護師の場合2年、専門学校卒の看護師の場合最低でも3年と、資格取得までに時間がかかります。さらに試験の難易度も高いです。

給与が減る可能性が高い

正社員の言語聴覚士の平均月給は約36万円です。看護師の平均月給は約38万円なので、看護師に比べると給与は低くなってしまいます。

引用:令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果(厚生労働省)


賞与に関しては勤務先にもよりますが、言語聴覚士へ転向した場合、給与が減る可能性が高いでしょう。

まとめ

患者さんとじっくり関わることができ、患者さんの機能改善を間近で見ることができるのが、言語聴覚士の魅力です。多岐に渡る業務をこなし、常に業務、時間に追われている看護師は、患者さんとゆっくり関わることができないことに悩む人は少なくありません。

患者さんと関わる時間をもっと増やしたい、ひとつのことに焦点を置いて患者さんと関わりたいと考えている人は、言語聴覚士への転向を考えてみてもよいのではないでしょうか。

しかし、言語聴覚士への転向は、時間もお金もかかるため安易なことではありません。メリット・デメリットをしっかりと理解し、自分にとって最善の選択をしてくださいね。

もし、看護師のままで患者さんとの関わりを増やしたいときは、新しい職場に転職するのもひとつの方法です。

いまの職場でやりがいを感じられないときや、思うような看護ができなくてジレンマを感じているときは、ぜひ一度、転職コーディネーターにご相談ください。

キャリアプランの形成から、ご自身に合った職場が見つかるまで、手厚いサポートが受けられますよ。

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