旅しながらの看護師派遣はキャリアで詰むでしょうか?|看護師の転職お悩み相談【看護師ドットワークス】

旅しながらの看護師派遣はキャリアで詰むでしょうか?

看護師1年目、22歳女性、救急室勤務

今年の春から新人看護師として勤務をはじめました。元々旅好きで、学生時代は一人で国内・海外問わず、たくさんの場所を旅してきました。

看護師になったのは、もちろん仕事自体に魅力を感じたのが一番ですが、就職が比較的容易で、勤務地を選ばないというメリットを考慮したのも事実です。

今は地元の病院で経験を積もうと勉強していますが、いずれは旅をしながら派遣の看護師として働き、色んな地域の人々に看護を提供しながら触れ合っていきたいと考えています。

しかし、結婚や出産などを考えると、生涯続けられる働き方ではないことも理解しています。そのため、勤続年数が少なく転職歴が多いことは将来的にキャリア開発の点で詰んでしまうのではないかと不安です。

看護師の転職お悩み相談の質問

ご相談ありがとうございます。ご自身の興味・関心がある「旅」と看護師の両立を模索するのはとても素晴らしい考え方だと思います。

現在は救急室で勤務されていますが、救急室で得られる技術や知識はどの医療現場にいっても役に立つものばかりです。その点においては、将来設計実現のための追い風になっているといえるでしょう。

一方で、看護師としてキャリアアップを目指すのであれば転職は最低限にして、一定の病院で経験を積み認められることが一般的な近道とされています。

相談者さんは、この事実から相談に至ったのではないでしょうか。そこで今回は、看護師派遣で転職を繰り返した際の展望について解説していきます。

派遣看護師の特徴

派遣看護師は、相談者さんも言っているようにさまざまな地域で働けるという特徴がありますしかし、そのほかにもさまざまな特徴があります。

まずはこれらを理解し、自分の将来設計実現のために派遣看護師が最適な働き方なのかどうかを判断しましょう。

給与面は正職員と大きな違いはない

派遣看護師は、正職員の看護師が月給制であるのに対し時給制です。そのため、パートの看護師と比較すると、派遣看護師の時給は高く設定されていることが多い傾向にあります。

たとえば、都市圏の平均時給である1,850円と仮定した場合、1日8時間×1,850円ですから、日給14,800円となります。月20日出勤すれば、額面で29,6000円となるので、正職員の看護師と比較しても給与面で大きな違いはありません。

働く条件を事前に決められる

この特徴は、相談者さんの生き方に派遣看護師が最も適している点といえます。相談者さんのように各地を旅する傍ら、看護以外の時間で地域の人や物に触れ合う時間も必要になってくると考えているのではないでしょうか。

派遣看護師であれば、就業前に働く期間や時間、仕事内容の条件を決め希望の職場で働くことが可能です。つまり、看護師としての時間や収入を考慮し、自由に旅先での時間の活用が可能になります。

即戦力としての働きを求められる

派遣看護師を雇用する病院側の意図として、最も大きいのが「人員の補充」です。派遣看護師は配属先の部署での即戦力としての働きが期待されています。

そのため、初期研修など新人看護師などに対して実施されている教育が省略される場合もあるでしょう。現在では、初期研修の省略を完全する動きもみられてはいますが、働き出してから苦労しないよう派遣先での業務は十分に確認しておく必要があります。

相談者さんのように「地元の病院で経験を積んでから働く」といった経路であれば、派遣看護師として期待された役割を十分に果たせるはずです。

経験を積んでも給与に反映されにくい

正職員の看護師であれば、経験年数や能力を考慮し給与は上昇していきます。しかし、派遣看護師は経験年数や能力によってではなく、給与はほとんど一定です。

若いうちは同年代と比べても遜色ない給与額ですが、徐々に上がっていく正職員とでは年齢を重ねるにつれて差がでてくる可能性があります。

また、賞与に関しては2020年の「同一労働同一賃金」の導入によって派遣看護師にも支給されるようになりました。しかし、正職員の看護師と比較すると支給額や回数の点において少なくなっている傾向にあります。

年齢が若いうちの給与は、正職員と比較して差がないという話は前述しましたが、賞与も考慮すると違いがでてくる場合もあります。

そのため、相談者さんのように将来的に家庭を持ち、看護師としてキャリア開発をするのであれば、派遣看護師として働き続けることは給与の面において、デメリットとなる可能性があるので注意が必要です。

看護師派遣後の展望

それでは一定期間を派遣看護師として働き、その後正職員の看護師として雇用された場合、キャリアアップは可能なのでしょうか。また、キャリアアップを目指すために選んだ病院への就職難易度は上がるかどうかについて説明します。

就職難易度は上がるのか

就職活動をする際に、「何度も職場を変えている」という事実はマイナスなイメージを与えると思われています。相談者さんも、そういった点を心配されているのではないでしょうか。しかし、すべてがそういった印象を与えるわけではありません。

そのためには、明確な将来設計のもとさまざまな地域で看護師として働き、その派遣先で「期待に応えられる活躍ができた」という事実が必要です。また、それまでの看護師としての経験や、そこから得た自分の考えを正確に雇用側へ伝える能力も必要となってきます。

これらの能力を身に着け、最終的な就職先での面接で相手に伝えることができれば、就職は実現可能なものになるはずです。

キャリアアップは可能か

派遣看護師として働き、その後正職員の看護師として働いた場合でも、管理職や専門看護師といったキャリアアップは可能です。

一方で、病院側もその病院での経験年数などを考慮して判断するので、新人からその病院に勤務している人と比較すると不利な面ということも知っておきましょう。

しかし、病院側が設定したキャリアアップのためのカリキュラムを受け、職場で今まで培った能力を発揮し続けることができれば決して不可能ではありません。

長い勤続年数の看護師と比べれば時間や労力は必要ですが、派遣看護師として働いた経験はプラスに働くので、それらを活かしキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。

まとめ

派遣看護師として働くことで、キャリアアップの未来が閉ざされるといったことはありません。しかし、正職員の看護師として目指すよりは難易度は上がるということを知っておきましょう。

自分の夢と、看護師として働くことを両方叶えようとする姿勢は、素晴らしい生き方です。ぜひ実現するために、今回の記事を参考にしてみてください。

ご自身のキャリアプランや働き方について迷ったときは、転職エージェントに相談するのもひとつの方法です。医療業界に精通したコーディネーターとの面談によって、あなたのニーズにぴったりの働き方を見つけることができるでしょう。

また複数の転職エージェントを利用することで、より現実的なキャリアプランを描くことが可能です。相性の良い転職エージェントが見つけて、夢と仕事の両立を実現してみませんか。

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