職場に派閥や対立があって仕事がしにくいです
20代女性、ICU所属、転職経験なし
よくある相談ですが、職場の人間関係で悩んでいます。私自身が誰かと直接的なトラブルを起こしているわけではないのですが、職場に派閥や対立が多くて仕事がしにくいです。
それぞれのスタッフと1対1で会話をする時は、とくに問題はありません。しかし、特定のスタッフ同士の仲が悪く、私を介して指示の確認や業務連絡をしており、板挟みになっています。
さらに、仲が悪いスタッフ同士だけでなく、その取り巻きのスタッフまでギスギスした雰囲気です。このような職場の人間関係で、とても仕事がやりにくいのですが、どのように対応すれば良いのでしょうか。
周囲のスタッフ同士で派閥や対立があると、自然と職場の雰囲気が悪くなってしまいますよね。あなた自身が今はトラブルに巻き込まれていないとしても、仕事のしにくさを感じるのは当然です。
人間関係のトラブルは巻き込まれないのを祈るだけではなく、何が根本の原因であり、どのように振舞うべきか考えることが大切です。今回は職場での派閥や対立が起こりやすいシチュエーションや、どのように考えて立ち振る舞うべきかを説明します。
派閥や対立が起こりやすいシチュエーション
看護師の職場で派閥や対立が発生しやすいシチュエーションがあり、ある程度リスクを予測することができます。リスクの高い場面を知っておき、トラブルに巻き込まれるのを未然に防いでいきましょう。
長く勤めている看護師が派閥を作るケース
その職場での勤務が長い、いわゆる「お局」と呼ばれる存在がいる場合、派閥が起こりやすくなります。なぜなら、人間は変化を嫌う性質があり、お局看護師は業務や人間関係を固定化したくなるからです。業務改善に取り組もうとしても、新しいやり方を覚えるのを嫌がったり、新入社員に対して派閥に取り込もうとしたりと、何かとトラブルを起こしがちです。
長く勤めている分、業務に詳しく、発言に影響力があるので、良い方向に活かすことができれば、職場環境改善につながるかもしれません。
管理職が入れ替わったばかりのケース
管理職が入れ替わると、職場の雰囲気もガラッと変わります。良くも悪くも管理職の影響力は大きいものです。そのため、新しい管理職が思い切った業務改善に取り組もうとして、既存のスタッフと対立するケースが見られます。また師長と主任が対立し、そこから派閥が生まれるケースもあります。管理職は責任やプレッシャーが大きい分、納得のいかない部分に妥協するのが難しくなるのかもしれません。
新人看護師の入職で対立するケース
春になり新人看護師が入職すると、教育方針をめぐって先輩看護師同士が対立するケースがあります。新人教育には、絶対的な正解はありません。それゆえに、先輩看護師それぞれの経験や知識から、異なる教育方針を考える場合があります。新人教育に対して真剣に考えている証なので、悪いことばかりとはいえません。しかし、職場の雰囲気が悪くなるのは、避けたいところですよね。
すべての派閥や対立が悪い訳ではない
派閥や対立は職場の雰囲気が悪くなるので、避けたいと考えるのが一般的ですよね。もちろん、不要なトラブルは避けるべきですが、中には職場が成熟するためには避けられないものもあるかもしれません。
そこで、派閥や対立が起こった際に、今後に生かせる部分がないか見出すポイントを説明します。
対立の理由にも着目してみる
対立や派閥が起こっている時には、距離を取りつつ、なぜそのような事態になっているかを考えてみましょう。よく観察してみると、対立の背景にある看護師それぞれの価値観や優先順位の違いが見えてくるかもしれません。たとえば、業務を早く終わらせたい看護師と、残業してでも丁寧に仕事をしたい看護師が対立していたとします。業務を早く終わらせることで看護師の負担は軽減されますが、患者さんに対してできることも限られるかもしれません。
反対に、目の前の患者さんに対して丁寧に対応し続けると、残業が多くなり、看護師が疲弊してしまうことも考えられます。
このように、両者の意見のどちらにもメリット・デメリットがあり、正解がないからこそ対立が起きているのかもしれません。
深掘りして考えることで、より良い職場環境・看護を実現するヒントが見つかるかもしれませんよ。
トラブルに巻き込まれない立ち位置で仕事に取り組もう
対立や派閥からも学ぶ点があると説明しました。しかし、すでにトラブルが発生している場合は、巻き込まれないように立ち回るのが最優先です。トラブルに巻き込まれてしまうと、自分自身の通常業務に支障が出てしまいます。
中には、学ぶべきものがない、本当に不要な派閥や対立もあります。あくまで「学ぶべきものが見つかればラッキー」くらいのスタンスで、距離を取っていくのがベターかもしれません。
批判・悪口には同意せず受け流す
批判や悪口に巻き込まれ、同意を求められた場合、否定も肯定もしない態度を一貫するのが良いでしょう。受け流すことで、敵を作らず、トラブルに巻き込まれるリスクを未然に防げます。批判や悪口に同意してしまうと、その場では良いかもしれませんが、敵を作ることに繋がってしまいます。その上、批判や悪口に乗ると、自然とどこかの派閥に参加することとなり、抜けられなくなるでしょう。
どうしても気になる場合は適切な相談窓口へ
どうしても批判や悪口を受け流しきれず、参ってしまうこともあるかもしれません。そのような場合には、職場のハラスメント窓口に相談してみるのが良いでしょう。基本的に対立や派閥をなくすことは難しいです。いかに自分が巻き込まれず、遠巻きに観察できる位置をキープするかを考えていくのが良いのではないでしょうか。
まとめ
今回は職場で派閥や対立が起きている時の立ち振る舞いや考え方について説明しました。人間関係のトラブルで不要なストレスを受けないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
もし、どうしても人間関係が悪く、働きにくさを感じる場合には、転職してみるのも選択肢の一つです。職場の雰囲気を変えるには、大きなエネルギーと時間がかかってしまいます。それであれば、自分が別の場所に移ってしまう方が早いかもしれません。
転職を検討するのであれば、まずは転職エージェントにご相談ください。複数の専門家からのアドバイスにより、良い職場が見えてきますよ。お一人で悩まず、一歩踏み出してみましょう!