忙しくて有給休暇を取れない雰囲気です。使えない分は捨てるしかないのでしょうか?|看護師の転職お悩み相談【看護師ドットワークス】

忙しくて有給休暇を取れない雰囲気です。使えない分は捨てるしかないのでしょうか?

3年目看護師、20代女性、小児科勤務

新卒で入職して3年目になりました。職場が忙しくて有給休暇があまり取れず、半分以上捨てている状況です。有給休暇取得の申請をすると、理由を聞かれて露骨に嫌な顔をされてしまいます。

でも、先輩の中にはすべての有給休暇をキッチリ取得する人もいて、不公平を感じます。ほかの職場も同じように有給休暇を取得しにくい雰囲気なのでしょうか?それとも、私の職場がおかしいのでしょうか?

看護師の転職お悩み相談の質問

2019年より「働き方改革関連法案」が一部施行されはじめ、看護師の働き方にも注目が集まっています。一般的に看護師は忙しく、有給休暇が取得しにくい職業だと言われており、「休みが取れない」という現場からの声が絶えないのが実情です。

休みはプライベートの充実だけではなく、仕事のパフォーマンスを高めるためにも欠かせません。休みが十分に取れない状況が続くと、看護師が疲弊し退職につながります。そうすると、ますます休みが取りにくい状況になる「負のスパイラル」に陥ってしまいますよね。

今回は有給休暇に関して知っておくべきこと、対策もあわせてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

有給休暇は労働者の権利であり取得を妨げられない

有給休暇とは、労働基準法で定められている労働者の権利であり、行使すると賃金を支払われながら休暇を取得できます。しかし、看護師の中には、質問者さんのように周囲に迷惑がかかると思い、十分に取得できない方も多いのではないでしょうか。

有給休暇は労働者の権利であり、労働者から申請があった場合に病院は基本的に断れません。そのため、有給休暇を捨てなければならない状況は違法です。

職場で有給休暇の取得を申請したにもかかわらず、妨げられるのであれば労働基準監督署へ相談を検討すべきかもしれません。

取得時期の相談は可能

上記のとおり、看護師の有給休暇の申請を病院は断れません。しかし、看護師はシフト勤務の職場が多く、有給休暇を申請した日がどうしても人数不足になってしまう場合も考えられます。

そこで、病院側は「時季変更権」という権利を使うことができます。時季変更権とは、業務の正常な運用を妨げる理由があった場合に、有給休暇を別日に取得するよう指示することです。

つまり、看護師が有給休暇を申請した日がどうしてもシフトが組めない状況で、師長が有給休暇の取得時期を変更可能か相談するのは合法ということです。ただし、シフトの調整などの努力を怠っていない場合に限ります。

2019年4月より有給休暇取得の義務化スタート

2019年4月より、働き方改革の一環として年5日の有給休暇取得の義務化がスタートしました。有給休暇の義務を守れなかった企業には罰則が科せられる可能性があります。具体的には、有給休暇を年5日取得できなかった労働者一人あたり30万円の罰金です。

有給休暇取得の義務化スタートによって、これまでまったく取得できていなかった看護師の有給休暇取得の促進が予想されます。もし、職場で有給休暇取得の義務が守られていない状況があれば、罰則の可能性を伝えてみるのがよいかもしれません。

「有給休暇の買い取り」はアリ?

どうしても有給休暇の取得が難しく、病院から「有給休暇の買い取り」を提案される場合があります。有給休暇の買い取りとは、1日単位で病院が対価を支払って休暇を取り下げてもらうことです。

労働基準法では有給休暇の買い取りは原則禁止とされています。しかし、退職や時効で有給休暇が消滅してしまう場合に限っては適法です。

ただし、有給休暇の買い取りはあくまで最終手段であり、推奨される方法ではありません。退職前に溜まっていた日数分を消化しようとした際に、どうしても業務の都合で難しい場合などに限り許されます。

看護師の有給休暇取得の実態

2017年の看護職員の労働実態調査によると、有給休暇を年5日以下しか取得できていない看護職員が約3割いることが明らかにされました。また、若年層ほど有給休暇の取得率が低くなる傾向も明らかにされています。

引用:2017年 看護職員の労働実態調査結果報告(医労連)

つまり、質問者さんの職場のように、先輩看護師は有給休暇をキッチリ取得できるのに、若手は十分に取得できない状況はほかの職場でもみられるようです。

ただし、どこの病院でも有給休暇はどこの職場でも取得率が悪いわけでなく、全日数消化できる病院もあります。また、同じ病院内でも部署によって有給休暇取得の状況が大きく異なる場合もありえます。

看護師はシフト勤務であり他のスタッフへの配慮も必要

有給休暇は労働者の権利であり、自由に取得できるのが原則です。だからといって、ほかのスタッフへの迷惑をまったく考えず、自分の都合だけで有給休暇を取得するのは人間関係のトラブルの元となります。

たとえば、講師側として参加する院内研修の日や、参加が義務付けられている会議のある日などです。これらの日に有給休暇を申請してしまうと、ほかのスタッフに迷惑がかかってしまうので、有給休暇の申請は極力避けるのがよいでしょう。

長期休暇を取る場合にも、事前にほかのスタッフや管理職へ相談しておくと取得がスムーズになりますよ。もちろん、有給休暇の取得自体はリフレッシュのために必要ですので、遠慮せず取得しましょう。

慢性的に有給休暇が取れない職場は転職を検討しよう

新人看護師が多く入職する時期や入院患者が増える時期などは、忙しくて有給休暇が取得しにくい場合もあります。しかし、有給休暇を取得しにくいが慢性的に続いている職場は要注意です。

スタッフが適切に休暇を取れずリフレッシュできない状況が続くと、疲労やストレスも溜まってしまいます。

もし、慢性的に有給休暇が取れない職場で勤務している場合は、転職を検討すべきかもしれません。職場によって有給休暇の取得率は大きく異なります。ほぼ100%の消化率の職場もめずらしくありませんよ。

まとめ

有給休暇は労働者の権利であり、正しく知識をつけてしっかりと取得することが大切です。ただし、看護師はチームで働く職業なので、ほかのスタッフへの配慮も欠かさず準備していきましょう。

転職エージェントでは、職場環境に悩む看護師さんの転職支援を行っています。多くの看護師さんが有給休暇を十分に取得できずに悩む一方で、ほぼ100%消化してしっかりとリフレッシュしている看護師さんも数多くいますよ。

職場の体質を変えて有給休暇をしっかりと取得できるようにする方法もありますが、多くの労力と時間を要します。いまの職場で働き続けなければならない理由がなければ、転職を考えてみるのもよいかもしれません。ぜひ、お気軽に相談してみてくださいね。

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