「都会の病院」と「地方の病院」、看護師はどちらが働きやすい?|看護師の生き抜く術を知る!|看護師専門の求人転職サイト【看護師ドットワークス】

「都会の病院」と「地方の病院」、看護師はどちらが働きやすい?

「都会の病院」と「地方の病院」、看護師はどちらが働きやすい?

職場選びの要素のひとつである、「都会」か「地方」で迷う看護師は多いのではないでしょうか。地方出身の方は都会への憧れ、都会出身の方は地方へ癒しを求める、といったそれぞれの理想があるかもしれません。

都会と地方の病院には、それぞれ異なる特徴やメリット・デメリットがあります。そのため、一概にどちらで働く方がいいということはできません。あなた自身の優先順位や価値観に照らし合わせて考える必要があります。

今回は都会と地方の病院、それぞれの違いやメリット・デメリットについて説明します。両者の特徴をよく知り、しっかりと比較した上で転職の参考にしてみてくださいね。

「都会の病院」と「地方の病院」の違い

「都会の病院」と「地方の病院」の違い
まずは都会と地方の病院の違いを、以下の3つの視点から比較していきましょう。

①看護師の充足具合
②給与
③キャリア

それぞれ順番に解説してきます。

①看護師の充足具合

厚生労働省の調査によると、人口10万人あたりの就業看護師数の全国平均は「963.8人」だとされています。

出典:平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況(厚生労働省)

全国平均と比較して、人口10万人あたりの就業看護師数が多い傾向のあるのは西日本です。それも高知県(1,511.0人)や鹿児島県(1,394.3人)といった、どちらかというと地方にあたる県がとくに多くなっています。

それに対し、首都圏では東京(792.3人)、千葉(722.7人)、神奈川(738.4人)、埼玉(693.6人)と平均を大きく下回っています。さらに、愛知(814.5人)、大阪(942.0人)とこれも全国平均を下回っている状況です。

よって、看護師の充足具合では、地方の方が人口当たりの就業看護師数が多く、充足している傾向にあります。もちろん、病院ごとに状況は異なりますので、転職の際は情報収集が必要です。

②給与

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、看護師の平均年収は「482.9万円」だとされています。

出典:賃金構造基本統計調査(e-Stat)

首都圏(東京・千葉・神奈川・埼玉)はすべて全国平均を上回っており、給与は高めであることがわかります。

それに対して、西日本や東北地方では平均年収が低い傾向にあります。とくに九州地方では、すべての県が全国平均を下回っている状況です。

この結果から、看護師の充足具合とは逆の結果になっていることがわかります。もちろん、「平均年収が高い=生活水準が高い」というわけではなく、地域ごとの特性も考慮して考える必要があります。

③キャリア

看護師としてのキャリアアップを考えた場合、働ける医療機関が多い方が有利です。基本的に医療機関の数は人口に比例して増えます。そのため、人口の多い都会の方がキャリアアップを考えた場合には有利といえるかもしれません。

ただし、「目指したいキャリアがすでに明確であり、そのために働くべき職場が地方にある」、といった場合は別です。自分自身のキャリアにとって、本当に有利な場所はどこであるかをしっかりと見極める必要があります。

都会の病院のメリット

都会の病院のメリット
それでは、都会の病院のメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。まず、都会の病院の代表的なメリットは、以下の3点です。

①職場の選択肢が多い
②給与が高め
③休日のショッピングやカフェめぐりが充実

あなたの価値観と照らし合わせて、大きなメリットであるか考えてみてくださいね。

①職場の選択肢が多い

人口の多い都会には多くの医療機関があるため、職場の選択肢が広くなります。経験が浅い看護師であっても受け入れてくれる医療機関があり、キャリアップを目指すベテラン看護師にとっても有利なのではないでしょうか。

職場の選択肢が多いことは、転職のしやすさにもつながります。「いまの職場を離れたら仕事がなくなってしまうのでは……」といった不安の軽減にもつながるでしょう。

②給与が高め

都会の病院で働く看護師の平均年収は、全国平均よりも高い傾向にあります。そのため、基本的には、より高い給与を求めて転職をする場合は都会の病院を選ぶ方が有利です。

しかし、都会の病院だからといって、すべての病院の給与が高いわけではありません。中には「ブラック病院」と呼ばれるような、低賃金・長時間労働を強いられる職場もあります。

病院選びの際は、必ず基本給だけでなく、ボーナスや福利厚生、残業時間なども含めて総合的に判断しましょう。

③休日のショッピングやカフェめぐりが充実

休日のプライベートタイムにショッピングやカフェめぐりなどをしたい方は、選択肢が多い都会の病院に勤務する方がいいかもしれません。ワークライフバランスを高く保つことで、仕事にも身が入るものですよね。

テレビやブログなどで紹介されているお店にも、仕事帰りに立ち寄れると考えると、忙しくても頑張って乗り越えられるかもしれません。

都会の病院のデメリット

都会の病院のデメリット
続いて、都会の病院の代表的なデメリットは、以下の3点です。

①物価や家賃が高い
②通勤時間が長くなりがち
③仕事が忙しくなりがち

デメリットの感じ方も人それぞれです。あなたにとって、耐えがたいものであるか考えてみるとよいかもしれません。

①物価や家賃が高い

都会は物価や家賃が高い傾向にあります。そのため、少し高い給与をもらっていても、家賃などによっては自由に使えるお金が少なくなってしまうかもしれません。

病院によっては福利厚生の一環として、社宅や寮が格安の家賃で借りられる場合もあります。安い家賃で家を借りられる場合や、実家暮らしなどの場合にはデメリットではなくなります。

②通勤時間が長くなりがち

高い家賃を避けるため、郊外に家を借りる方も多いかもしれません。その場合に問題となるのが、通勤時間が長くなってしまうことです。

都内の職場に通うために、片道1~2時間かけて通勤する看護師は珍しくありません。通勤時間をストレスに感じる方であれば、毎日の通勤・退勤によって疲弊してしまいますので、避けた方が無難かもしれません。

また、電車通勤が長くなると途中で遅延するリスクもあります。予定が狂ってしまったり、職場に迷惑をかけたりする可能性も、頭に入れておかなければならないでしょう。

③仕事が忙しくなりがち

都会の病院ほど、人口10万人当たりの就業看護師数が少ない傾向にあります。そのため、単純に考えると少ない看護師で多くの患者さんに対応しなければなりません。

もちろん、人員配置基準は決まっていますが、正しく守られていない病院もあるかもしれません。また、所属する部署やスタッフの経験年数によっても、忙しさは左右されるものです。

あくまで傾向のひとつとして、転職を希望する医療機関の忙しさを調べていくといいかもしれません。

地方の病院のメリット

地方の病院のメリット
地方の病院に勤めるメリット・デメリットも説明していきます。地方の病院の代表的なメリットは、以下の3点です。

①通勤が楽
②病院によっては昇格しやすい
③車でのドライブや自然を楽しめる

都会の病院のメリットと比較してみましょう。

①通勤が楽

地方では家賃が安かったり、車を保有しやすかったりと、通勤に有利な状況が揃いやすいです。職場から徒歩圏内の場所から通勤も可能であり、通勤にできる限り時間をかけたくない方にとって、ありがたいメリットといえます。

②病院によっては昇格しやすい

過疎化が進んでいるような地方の場合、人が少なすぎて、長く勤続できる看護師の存在がとても貴重なことがあります。そのような職場に長く勤めることで、管理職に昇格できるチャンスが巡ってくるかもしれません。

「できるだけ長く働くつもり」「できれば管理職になりたい」このように考える方は、あえて地方の人手不足の職場を狙ってみるとよいかもしれません。

③車でのドライブや自然を楽しめる

地方にはショッピングなどの選択肢が少ない分、車でのドライブや自然を楽しむ選択肢が豊富です。休日の過ごし方が、アウトドア派の方にとっては大きなメリットといえます。

ショッピングはネットで済ますという方も多いかもしれません。ネットでは味わえない、地方の魅力も検討してみてはいかがでしょうか。

地方の病院のデメリット

地方の病院のデメリット
最後に、地方の病院の代表的なデメリットは、以下の3点です。

①職場の選択肢が少ない
②キャリアアップの機会が少ない
③給与が低め

人によってはデメリットに感じない場合もあるかもしれません。大切なのは、「自分自身にとって、どうなのか」です。

①職場の選択肢が少ない

地方は人口が少ない分だけ医療機関も少なく、職場の選択肢が狭まってしまいます。明確に働きたい職場が決まっている人であれば問題はありませんが、さまざまな選択肢から考えていきたい人にとって、大きなデメリットです。

また、勤めている職場が合わず転職したい場合も、選択肢が少ないことがネックとなって転職に踏み切りにくくなります。

地方で働く場合は、都会以上に長く働ける職場選びが重要といえるかもしれません。

②キャリアアップの機会が少ない

職場の選択肢が少ないということは、キャリアアップのための転職の機会も限られてしまいます。たとえば、「大学院に行きたい」「認定看護師の資格を取得したい」といったニーズを満たすための転職などは、枠が少ないです。

地方では少ない枠を複数の看護師が狙う状況にあるため、競争が厳しくなりがちです。都会であれば、枠が埋まってしまっても次の機会が比較的早く狙えるかもしれません。

③給与が低め

看護師の平均年収は地方の方が低い傾向にあり、単純に給与の高い病院で働きたい方にとって、地方の病院はおすすめできません。

しかし、実際に手元に残るお金は給与から生活費などを差し引いた金額です。地方に住むことで、家賃などの生活費を節約できるのであれば、かえって手元に残るお金を増やすこともできるかもしれません。

まとめ

今回は都会と地方の病院、それぞれの違いやメリット・デメリットについて説明しました。どちらにも異なる特徴があるため、一概にどちらがいいということはできません。あなたの価値観や優先順位に沿って、職場選びの参考にしてみてくださいね。

一人で考えるよりも、転職コーディネーターのサポートを受けながら転職活動を行う方がスムーズかもしれません。

転職を検討している段階でも、情報収集はどんどん進めておき、いざ理想の職場が見つかったらいつでも転職できる準備をしていきましょう。

転職を迷っているのであれば、まずは複数の転職コーディネーターに相談して情報収集からはじめてみませんか。

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