AI?ICT?機械オンチの看護師は今後も働けるの!?
「AI」「ICT」「IoT」といった慣れない言葉を目にする機会が増えています。これらの言葉が日常生活だけでなく、看護師の職場にも入り込んでくるのではないかと不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最新技術は便利な反面、覚えて使いこなせるようになるまで時間と負担がかかります。とくに機械に苦手意識をもつ方であれば気持ちが重たくなるものです。過去に電子カルテが導入されはじめた際には多くの看護師が苦労していました。
それでも今後ますます医療業界に最新技術が導入されることが予想されます。機械が苦手な看護師は今後どのように働いていくのがよいのか説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
医療業界も機械化の波が押し寄せている
引用:電子カルテシステム等の普及状況の推移(厚生労働省)
オーダリングシステムや点滴管理も機械での管理が主流です。最先端の技術を取り入れる病院ではナースコールのスマホ対応、院内ナビシステム、AIによる診断補助、スマホでのマニュアル共有化などが取り入れられています。
そして新型コロナウイルス感染が広がる近年では、オンライン診療が注目されています。症状がある状態で来院する必要がなく、患者側と医療者側の両方にメリットがあります。身近なところでは「LINEヘルスケア」という遠隔医療サービスも使われはじめました。
看護師の業務負担が軽減していく
そして機械化のメリットは看護師の業務負担だけではありません。機械化は看護業務の見える化に貢献し、看護ケアの質向上と経営効率向上にもつながります。たとえば、スマホでナースコール対応をすると履歴が細かく記録されて分析されます。特定の患者、時間帯にナースコールが集中する場合に原因と対策を考えることで、患者の安全・安心につながるでしょう。
このように最新技術を導入することは看護師にとって大きなメリットです。今後ますます高齢化が進行する日本において、看護師の業務効率化は避けられない課題ではないでしょうか。また、地域包括ケアシステムの時代には病院・施設・地域での情報共有が欠かせません。情報共有システムの普及での予防・治療効率化が必要です。
それでも医療業界は一般企業と比べると一回り進歩が遅れている
たとえば、多くの病院で現在も利用されているPHSやFAXです。規模の小さな病院やクリニックでは紙カルテが今も主流となっています。「先生の指示が読み取れない」と悩んでいる看護師の方も多くいらっしゃるかもしれません。
それに対して、一般企業や私たちの日常生活ではPHSやFAXを見かける機会は減っています。また、情報のやり取りにも紙の文書ではなくスマホやパソコンで作成した電子文書です。一般企業ではオンラインでの情報共有・ビデオ会議・AIによる解析が当たり前のように使われています。
このように医療業界の機械化が進んでいると感じても、一般企業や私たちの日常生活と比べると一回り遅れています。機械化にはコストや労力がかかるため、医療業界での導入にはまだまだ時間がかかるでしょう。今の内から医療業界における機械化について学んでおけば、新しいシステムが導入された際にスムーズに対応できるのではないでしょうか。
学ぶ姿勢を持たないと働ける職場が減る可能性が高い
医療業界の機械化に対応するために大切なのは学ぶ姿勢です。電子機器メーカーも、機械が苦手な方でも直感的に操作できるように設計し、丁寧なマニュアルを作成しています。また、職場内で上手に対応できているスタッフがいれば聞いてみるのも良い方法です。
医療は日進月歩であり看護師は勉強し続けます。ある程度経験を積んでも、未経験の領域に異動や転職をした場合もやはり一からの勉強が必要です。それと同様に医療業界の機械化に合わせた勉強が必要になります。
看護師の仕事の価値を見つめなおすチャンス
「時間があればもっと話を聞いてあげられるのに」
「関わりが浅くて家族背景を踏まえた看護ができない」
普段の業務でこのような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。機械に仕事の一部を任せることで自分は看護師としての業務に集中できます。看護師として本来やりたかった業務に集中できるのでやりがいにつながり、業務に追われる残業が減る効果も期待できます。
このように医療業界の機械化により、日々の業務に追われてやりがいを見失っていた看護師にとって仕事の価値を見直すチャンスは貴重です。ぜひ機械への苦手意識だけでなく、医療業界の明るい未来にも目を向けて見るのもよいのではないでしょうか。
まとめ
転職エージェントでは、ブランクがあり医療業界の変化に対応できるか不安に思っている看護師の方をサポートしています。一人で不安を抱え続けるのは大変ツライことです。転職エージェントに相談すれば、あなたの悩みに寄り添った解決策を提案してくれますよ。
求職者と医療機関にはそれぞれ個別のニーズがあり、すべての人に合った転職はありません。医療機関を知り尽くしたコーディネーターが、双方のニーズを満たしてくれる転職をサポートしてくれますよ。ぜひ、お気軽に問い合わせてみてください。
この記事を読んでいる方は以下の記事も見ています
-
コロナ禍で崩壊する看護師の使命感|美談ではない医療現場の実態
新型コロナウイルスによる感染の猛威により、私たちの生活は大きく変わりました。今もまだ予談を許さない状況です。 緊急非常事態宣言が発令された後、コ…続きを読む
-
職場の看護師がコロナに感染!残った看護師が恐怖と戦った2週間の実録
コロナ感染の勢いはおさまる気配はなく、平穏だった日々は遠い過去のことにも思えます。いつどこで誰が感染してもおかしくない状況は、看護師も同じです。今「も…続きを読む
-
燃え尽き症候群にならないために
現代社会で日々働いていると、「燃え尽き症候群」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。「バーンアウト」とも呼ばれる燃え尽き症候群は、年…続きを読む
-
コロナ陽性の看護師をなぜ病棟で働かせてはいけなかったか
新型コロナウィルスの集団感染が起きた、大阪府大阪市生野区にある、なみはやリハビリテーション病院で起きた問題。 看護師がコロナ陽性と解っていたにも関わ…続きを読む
-
退院期間が短くなっている理由は?医療費の4割を占める入院医療について
入院治療が昔に比べて短く簡潔になっていることを、いまの若い看護師は知らないかもしれません。しかし、実際に20年前の2000年に比べると、患者さんの入院…続きを読む