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ペイハラとは何?患者による医療職(主に看護師)への圧力がテレビでも話題に!

ペイハラとは何?患者による医療職(主に看護師)への圧力がテレビでも話題に!

令和元年12月に、突如「ペイハラ」という言葉がインターネットを賑わせました。

ペイハラとは? 流行っているキャッシュレス決済●●Payを強制することでしょうか? そうではなく、ペイハラとはペイシェント・ハラスメント、すなわち患者からのハラスメントのことです。

では、ペイハラはなぜ起こり、どのように悪影響で、どうやって防ぐのか、確認していきます。

ペイハラとは?

ペイハラとは、ペイシェント・ハラスメント。つまり患者からの理不尽要求を指します。2019年12月4日の「スッキリ!」という朝の情報番組によると、

●医師の診断よりもネット情報を信じる
●薬の量が少ないとクレーム
●予防接種の副作用で熱が出たと怒鳴り込む
●別の病院を訴えるための診断書を作成しろと強要

などが、医師の経験したペイハラだと放送されていました。患者からの理不尽要求はなぜ起こり、どのような状況下でできるのか、そして看護師にできることは何なのか、みていきたく思います。

不当にもらいすぎているという意識

番組では司会者やコメンテーターが、「お客様は神様だ」という思考が残っているので、患者が傲慢になってしまうのではないか、と語っていました。

顧客からのハラスメントをカスハラ(カスタマー・ハラスメント)と呼びますが、それが医療の現場にも適用されてしまうというものです。

確かに、カスハラの延長としてのペイハラはあり得るものです。病院もサービス業であるという意識。ただし、病院=サービス業は、提供側(医師や看護師)がそう思うのであればまだしも、サービスの受け手側(患者や家族)がそれを強制しては、ペイハラになってしまいかねません。

また、『上流国民』というワードが2019年の流行語大賞にノミネートしたように、格差も進みつつあり、「自分は持たざるものの側」という意識が強まっている可能性はあります。
ユーキャン 新語・流行語大賞 第36回 2019年受賞語

日常生活で自分が持たざるものの側だということは、医師や看護師といった保険財政から報酬を受け取っている人たちは「持てるものの側」に錯覚してしまう可能性が考えられ、それらは反抗心を招くことでしょう。そうした実社会の格差拡大も、このペイハラ問題を加速させていることが考えられます。

ただし、本来ならば命は平等で、病院という場所は社会的名声を度外視して、大切に扱ってもらえる場所のはずです。

だからこそ、医療費のほとんどが税金で賄われ、私達は3割の負担になります。お金持ちもそうでない人も、命を平等に扱ってもらえる、そんな場所が病院です。

格差社会が進むことで、ペイハラが増えるのであれば、今後ペイハラはさらに問題として大きくなっていくものと思われます。

看護師が受けたペイハラは9割?

一方で、ソーシャルネットワークに投稿された書き込みや独自調査によりますと、看護師のほうがペイハラに遭遇する率が高いように感じられます。

なぜなら、医者は権力があるので、医者の前ではおとなしくなる人が多いからです。ペイハラをする人は、相手を選んで暴れますので、いうことを聞いてくれる看護師には“あたり“が強く、医師の前では良い格好をしたがる人も多いものです

看護師ドットワークスの独自調査によりますと、看護師でペイハラを受けた事がある人は9割前後にのぼります


看護師でペイハラを受けた事がある人は9割前後にのぼります
ペイハラの問題。より患者さんに近い立場の看護師は、どのように感じているのでしょうか。

「ペイハラよりセクハラ被害のほうが深刻」
「もう日常すぎて、ハラスメントだと定義することすらなかった」
「禁煙を約束したのに、院内でプカプカ」
「入院患者さんは医師より看護師に接する時間が長いので、患者もご家族も看護師にいろいろいってくる」

そして、

「ペイハラを受けた結果、看護師がドクターに怒られて板挟み」

という一番つらい状態があります。つまり、患者さんが勝手な振る舞いをすることで、医師が看護師に「なぜちゃんとしない?」と叱責するというものです。

これがなかなか、つらいものがあります。板挟みになるので、患者さんはワガママをいって当たり散らすし、医師には怒られるしで、わかってくれる人が誰もいないという状態なのです。

さらに、都会の病院が密集している場所のほうがペイハラは起こりやすいとされます。なぜなら、病院側もできる限り患者さんへの対応を良くしようという考えが働くからです。

それが、結果としてペイハラをより招いてしまうことは非常に残念なことです。

ペイハラに対して看護師ができること

医師法第19条には、応召義務が書かれています。これは求めに応じて診察をしなければならない義務であり、正当な理由がなければ診察を希望する患者さんを拒否してはいけないというものです。
医師の応召義務について

そして、ここには「召」という文字が入っています。「目上のものが目下を呼びつける」という意味がある、召使いの「召」ですので、誤解を招くかもしれません。

しかしこれは医療職として、診察を希望する人を拒絶してはいけないという取り決めです。

ただ、これを傘に来て、「お客様は神様です」を令和の時代の医療の現場に持ち込む人があとを絶たないのも事実であり、ペイハラの原因となっています。

できる対処としては、毅然とした態度でペイハラは許さないという姿勢を見せることも必要で、同時に病院全体でペイハラを考え直していこうという意識も大切です。

最後に

話題となったペイハラについてお届けしました。ペイハラは日本独自の現象のように感じられます。お客様意識が強く、レベルの高いサービス業が当たり前の日本において、環境からしてペイハラが起こりやすい状態にあるのです。

さらには、格差も進行しており、しいたげられた感情を持った方が、体調を崩したり病気になったり怪我をしたりしたタイミングで気持ちが爆発してしまうことも、十分ありえます。

そうしたすさんでいく人たちの心のケアまで、「白衣の天使」である看護師が負担しなければならないというのは酷なことでしょう。あまりにペイハラがひどいのであれば、転職も視野に入れた行動が射程範囲に入ってきます。

来た患者さんをケアするという構造である以上、また拒むことができない状態である以上、なかなかペイハラを根絶することは困難ですが、本当にひどい場合は将来的に医師や看護師長と相談の上、二度と来院されないような通達をするなど、仕組みも必要な段階に入ったのかもしれません。

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