転職したい看護師必見!相手から好印象を持たれる履歴書の書き方
看護師として働いていると、「そろそろ転職したい」と思うことはありませんか?
看護師は活躍できる場所が多く、人手不足に悩まされている病院もたくさんあるため、比較的就職には困らないと言われています。そのため、看護師は転職する人が多い職業のひとつです。
そして、転職時に必要になるのが履歴書。
たった一枚の紙ですが、内容によって相手に与える印象はかなり変わってきます。せっかく高いスキルを持っているのに、履歴書の書き方や扱いが不十分なことで面接官にマイナスの印象を与え、書類選考で落とされてしまってはもったいないですよね。
反対に履歴書がしっかり書けていると、面接官によい印象を与え、そのあとの面接もスムーズに進められる可能性があります。
そこでこの記事では、転職したい看護師の方に向けて「履歴書の基本的な書き方」と「相手から好印象を持たれるポイント」を解説していきます。
履歴書を書く前の準備
①履歴書を用意する
履歴書は市販のもので構いません。A4サイズとB5サイズの2種類ありますが、とくに指定がなければどちらでも大丈夫です。A4サイズの方が各項目の記入欄が広いため、内容をより充実させたい人はA4サイズの方がよいでしょう。
②履歴書に添付する写真を撮る
写真は一般的に撮影してから3~6カ月以内のものを使用します。撮影するときは服装、髪の毛の色や髪形など身だしなみには充分注意が必要です。女性であればナチュラルメイクを、男性ならひげを剃って清潔感を心掛けましょう。③履歴書を書くペンを用意する
履歴書を書くときのペンは黒のボールペンが無難です。滲みやすい水性ペンを使うと、軽い熱や水で滲んでしまい、文字が判別できなくなる可能性があるため控えたほうがよいでしょう。また、消せるタイプのフリクションペンはあまり印象がよくないため、履歴書を書くときに使うのはおすすめできません。
基本的な履歴書の書き方
基本情報欄の書き方
・氏名、住所にはフリガナ(ひらがな表記ならひらがなでふりがな)を書く・住所は必ず都道府県から書き、マンション名も省略せずに書く
・電話番号は1番つながりやすい番号を書く
・日付は提出日を書く(郵送の場合は投函日)
学歴・職歴欄の書き方
①学歴・高校卒業以降から書く
・学校名は略さず正式名称とし、「高校」ではなく「高等学校」と書く
・学部やコースなどがある場合は書く
②職歴
・病院名は略さず正式名称で書く(例:○○医療法人 ○○総合病院)
・配属された部署も書く(例:○○病院 循環器内科病棟)
・異動で部署が変わった場合は、年月と異動先の部署を書く
・自己都合の退職については「一身上の都合で退職」と書く
・在職中で退職日が決定している場合は、「〇年〇月 退職予定」と書く(退職日が決定していない場合は、「○○病院 在職中」と書く)
・最終行に右寄せで「以上」と書く
転職回数が多かったり、早期退職の職歴があったりすると、悪い印象を持たれてしまいそうで書きたくないという人もいるはず。
しかし、すべて書かずにあとで知られてしまった場合、経歴を詐称していると思われてしまうかもしれません。内定後であれば内定取り消しや、入職後であれば最悪解雇となる可能性もあるため、職歴は正直に書きましょう。
免許・資格欄の書き方
持っている資格や免許を古いものから順に正式名称で書きます。よくあるのは、自動車の運転免許です。「普通自動車第一種運転免許」など、持っている免許によって違うため、自分が持っている免許を確認してから書きましょう。趣味・特技欄の書き方
趣味や特技については、人柄や仕事への適性を知るための材料となります。また、趣味はストレスを発散できる手段の一つであり、ストレスが溜まったときに上手に発散し、仕事とプライベートをうまく両立できる人なのかもチェックされています。書いてはいけないことはありませんが、ギャンブルやゲームなどはあまりよい印象を持たない面接官もいるようです。
ほかにも、海外旅行と書いてしまうと、面接時に「海外旅行に行くような長期休暇はほとんど取れないけど大丈夫?」などという少しいじわるな質問をされることもあるため、聞かれたくない人は書かない方がいいかもしれません。
趣味・特技はスポーツや読書、料理などが好印象を持たれやすいですが、面接官に何か聞かれたときに答えられるように、本当に興味があることを書くようにしましょう。
本人希望欄の書き方
とくに書くことがなければ「貴院の規定に従います」と書きましょう。志望先が複数の配属先を募集している場合は、希望の配属先を書きます。入職時期の指定や勤務時間の制限など、その希望が通らないと働けないということは書いても問題ありませんが、給料や待遇についての希望は相手にマイナスの印象を与えてしまう可能性が高いため、書くのはおすすめしません。
履歴書を書くときの最低限のマナー
誤字脱字がないか見直す
相手にしっかり読んでもらうためには、誤字脱字がないことが大前提です。間違いだらけの履歴書では、確認を怠るミスの多い人という印象を与えかねません。そのため、書き終わったら間違いがないか必ず確認するようにしましょう。
間違いがあった場合、修正ペンなどは使わず、新しく書きなおすのが無難です。
空欄は作らない
履歴書はすべての欄を埋めるのが基本です。空欄になっていると、採用担当者は書き忘れなのか、それとも意図的に空欄にしているのかわかりません。何も書くことがなければ「特になし」と書くとよいですが、できるだけすべての項目を埋めるようにしましょう。
年号の表記は揃える
学歴・職歴欄や免許・資格欄の年号の表記は揃えましょう。西暦か元号(平成、令和など)表記かどちらでも構いませんが、必ず統一します。字は極力きれいに書く
履歴書はできるだけきれいな字で書きましょう。きれいな字の方が相手も読みやすく、丁寧に時間をかけて書いたことが伝わります。どうしても字がきれいに書けないという人は、パソコンで履歴書を作るのもよいでしょう。しかし、採用担当者のなかには手書きの履歴書の方が印象がよいという考え方の人もいるため、手書きにするのが無難だと言えます。
履歴書の志望動機欄はどんなことを書けばいいの?
基本的には、なぜ志望先を選んだのかを書けば問題ないのですが、「文章にできない」「待遇がよいなどの理由は書けない」という人が多いようです。
では、履歴書の志望動機欄にはどんなことを書けばよいのか、みていきましょう。
志望先でやりたい看護
もし転職をしたらどんな看護がしたいか、どんなことを学んで何を習得したいかを書きましょう。志望先に転職することでそれが実践できるという部分を伝えます。いままで経験してきた分野でスキルアップをしたい、またはいままでとは違うことに興味を持ちその分野で活躍していきたいなど、自分の意志を書けるとよいです。今後のキャリアプランなども書けると、相手に好印象を持たれるでしょう。
志望先で働きたいと思った理由
志望先のどんなところに魅力を感じて応募したのかを書きます。たとえば、病院の理念に共感した、自分が経験を積みたい領域で有名、資格を取るときにサポートしてくれるなど、惹かれた部分がどこなのか考えてみましょう。経験が浅い人であれば、教育体制が充実していることも魅力のひとつといえますね。志望先で働きたいと思った理由を自分の中で明確にして、どうしてもここで働きたいという強い意志を伝えましょう。
自分の強み
履歴書の志望動機欄は、自分をアピールできる部分でもあると言えます。志望先に対して自分がどう役に立てるのかを書きましょう。自分が志望先に魅力を感じているということを伝えつつ、志望先にとっても自分が利益のある存在だと感じてもらう必要があります。
これまでに経験してきたことで自分にはこんな強みができ、それを活かし貢献できるということを伝えるとよいでしょう。
志望動機の例文
志望動機の例文をご紹介します。履歴書を書く際の参考にしてみてください。①経験が浅い看護師の場合
私はこれまで、「患者様に寄り添う看護」を実践するため、日々患者様一人ひとりと向き合ってきました。今後はさらに、どんなときでも状況を迅速に判断し行動できる看護師になりたいと考えています。
急性期医療に注力している貴院でさまざまな症例を経験することで、これまでの経験を活かしながら看護師としてスキルアップしていけると考え、志望いたしました。
②急性期病院から慢性期・療養病院へ転職する場合
これまで急性期医療に携わり、さまざまな症例を経験することで多くの知識と技術を身につけてきました。今後はこれまでの経験を活かしつつ、患者様一人ひとりとじっくり向き合い、個別性のある看護を行いたいと考えています。
貴院の「患者様中心の安全で安心な医療」という理念の元、看護師として成長し活躍していきたいと考え、志望いたしました。
③総合病院から総合病院へ転職する場合
これまで急性期病棟で3年間勤務し経験を積んできましたが、今後も急性期医療に携わっていくことで、さらに知識を深めていきたいと考えています。
貴院は急性期から回復期、訪問看護など継続した医療を提供しているため活躍の場が広く、多くの経験を積み長期的に働いていけると思いました。これまでの経験を活かし、さらに経験を積むことで貴院に貢献できるのではないかと考え、志望いたしました。
④総合病院からクリニックへ転職する場合
新卒以来、病棟で勤務し多くの知識や技術を身につけ、疾患やチーム医療について学んできました。今後は一人ひとりの患者様に丁寧に接し、地域医療に根差した看護をしていきたいと考えています。
これまでの経験を活かし、長年にわたり地域医療に注力してきた貴院の一員として、地域に貢献していきたいと思い志望いたしました。
⑤転職回数が多い看護師の場合
看護師として、急性期病棟、回復期病棟、クリニックと幅広く経験してきました。その経験を経て、訪問看護に興味をもつようになり、理解を深めたいと思っています。
利用者様が住み慣れた家で安心して生活が送れるようなケアを実践できる看護師を目指し、貴院(貴社、貴事業所など)の一員として地域に貢献していきたいと考え、志望いたしました。
履歴書を郵送するときの注意点
郵送する場合、どのようなことに気を付けたらよいのか確認していきましょう。
封筒の書き方
まず、封筒の色は白で、履歴書を折らずに入れられるサイズの封筒を選びましょう。封筒の表面には、送り先の郵便番号、住所、宛名を省略せずに正しく書きます。採用担当者がわかる場合は「医療法人 ○○病院 ○○部 ○○様」と個人宛で書くようにしましょう。採用担当者が不明な場合は「○○部御中」と書きます。
封筒の表面の左下に、「履歴書在中」と赤字で書き、履歴書が封入されていることを表記しておきましょう。
封筒の裏面は、左下に自宅の郵便番号、住所、氏名を省略せずに書き、必ずのりで封をします。
クリアファイルに入れてから封筒に入れる
封筒に入れる前に、郵送する書類をまとめて1つのクリアファイルに入れましょう。配達される間に折れ曲がったり汚れてしまったりすると、応募者の責任ではないとわかっていても採用担当者からの印象はよくありません。そのようなことを防ぐために、クリアファイルに入れて少しでもきれいな状態で届くように心掛けましょう。
添え状を同封する
履歴書を郵送するときは、必ず添え状を同封します。添え状はA4サイズで作成しましょう。以下の項目を記載してください。
①日付
履歴書と合わせて投函日を書く。
②宛名
送り先の住所、病院名、部署名、採用担当者名を省略せずに正式名称で書く。
③署名
自分の住所、氏名、連絡先を書く。送り先の宛名よりも下に書くのがマナー。
④件名
「応募書類の送付につきまして」など、何の件かわかるように書く。
⑤本文
書き出しは「拝啓」の頭語、続けて簡単なあいさつ文を書く。締めは「敬具」の結語を書く。
⑥同封書類
「敬具」のあとに改行して「記」と書く。箇条書きで同封している書類とその枚数を書き、最後に「以上」と書く。
まとめ
採用担当者は履歴書を見て応募者の人柄をイメージし、面接など次のステップに進みたいか、働いてほしい人材なのかを決めます。そんな大事な書類だからこそ、丁寧に時間をかけて作ることで、相手に気持ちが伝わるのではないでしょうか。
転職するのがはじめてという看護師も、書類審査で落ちてしまったことがあるという看護師も、履歴書を作るときの参考にしてみてください。履歴書をしっかり作成して、自信を持って転職活動を進めていきましょう。
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