職場を辞めたいとき「看護師に向いていないので」という理由をあげる看護師はいます。でも「なぜそう思うのか？」と問われると、答えられない看護師が多いです。ではなぜ「看護師に向いていない」と思うのでしょうか。事例をあげてみていきましょう。

不快な感情が続いたとき

「看護師に向いていない」と思う原因のひとつは、恐怖・怒り・嫌悪感などの不快な感情が続くときです。

・先輩看護師から何度も指摘や注意を受けたとき
・医者から罵倒されたとき
・患者さんから心無い言葉を言われたとき

善悪の判断がついていない子どもの頃は、親や学校の先生などの大人から注意や指摘を受けることはあります。でも中学・高校と成長するにつれ、注意や指摘を受ける経験は少なくなり、場合によってはまったく注意されたことはないという人もいるかもしれません。

それが、看護師になった途端、さほど年齢の変わらない先輩看護師・どんな人なのかもよく知らない医者・病院でたまたま出会っただけの患者さんから、人目をはばかることなく注意をされ、ときには大声で罵倒されることもあります。

もし街中で同じことが起これば、多くの人が注目し、警察に通報する人もいるかもしれません。それが病院という建物のフロアーの中では、当たり前のように繰り返されます。

この状況が繰り返し起これば、ネガティブ思考になり精神的ストレスが強くなることで、「看護師に向いていない」と思うようになります。

精神的なショックや苦痛に耐えられないとき

「看護師に向いていない」という思考は、精神的なショックや苦痛に耐えられないときにも起こります。

・患者さんが亡くなることが耐えられないとき
・血液をみると貧血を起こしそうになるとき
・排泄物の処理が耐えられないとき

看護師は、患者さんが亡くなる場面に立ち会う機会も少なくありません。しかも亡くなるまでの経過を知っているからこそ、精神的ショックを受けるのは当然です。

患者さんが亡くなる精神的ショックに耐えられなくなったとき、「看護師には向いていない」と感じやすくなります。

そのほか、血液や排泄物の処理が耐えらないケースもあります。

看護師は、血液・傷・骨・内臓など日常生活ではありえない身体の内部を目にする機会もありますし、患者さんの排泄物の処理も業務のひとつです。

しかし普段の生活の中では目にすることはありませんので、血液をみて倒れそうになることや、排泄物のニオイに耐え切れず気分が悪くなる苦痛に耐えられないと感じたとき「看護師に向いていない」と思うことがあります。

看護師には、向き不向きはありません。むしろ看護師の向き不向きがあるのなら、それは職場環境です。

看護師にも性格や生活環境に違いがあるように、職場環境にも適材適所はあります。

「看護師に向いていない」と感じる原因に当てはまるのであれば、今働いている職場の環境があっていないのかもしれません。

看護師のタイプに合った職場を選ぼう

看護師の職場は、病院だけではありません。クリニック・保育所・介護施設・訪問看護など、看護師を必要としている職場は多いです。

また病院にも種類があり、救急・内科・外科・整形・小児科・産科婦人科・精神科・眼科・皮膚科・耳鼻科と診療科により患者層も違い、業務内容も大きく変わります。

緊急性が高い職場の場合、患者さんの変化が早く迅速な判断と対応が求められます。ミスは致命的になりますし、緊張度も高いです。反面、緊急性は低く患者さんへの精神的ケアや医師の補助的業務が主の職場では、緊張度は低くなります。

また科によっては血液や排泄物を目にする必要もありませんので、苦痛の少ない職場を選べば悩む必要はありません。

しかし看護業界には「若い間に多くの経験を積んでおいた方が将来的に役に立つ」という風潮があり、我慢をして耐えることが美学のように諭されます。そして新人看護師や若い看護師は、経験や勉強のためにと緊急性の高い職場を選ぶ傾向にあります。

しかし苦痛を伴う職場で仕事を続けると、「看護師に向いていない」と自分を責め、看護師を続けていくことさえ苦痛になるかもしれません。まずは自分に適材適所な職場とは、を考えてみてください。

転職の相談には、看護師転職サイトのアドバイザーを頼ってみるのもひとつです。利用にはメリットやデメリットもありますので、関連記事を参考にしてみてください。

【看護師の転職】看護師転職サイトの仕組みとメリットデメリットを解説」

「看護師に向いていない」と思う原因と、思い悩む必要はない理由についてお伝えしました。

看護師の資格をとるのは簡単なことではありません。しかし精神的な苦痛を受け続け、「やめてしまいたい」と思った経験がある人も多いのではないでしょうか。

努力の結果看護師になったのに、他人からの圧力や想像以上の精神的苦痛が原因で「看護師に向いていない」と思い悩む必要はありません。自分にあった職場が見つかれば、看護師の仕事を続けていくことはできます。思い悩んだときには、今回ご紹介した内容を参考にしてみてくださいね。

「どうすればいいのかわからない」と思い悩んだとき、転職エージェントに相談してみるのはいかがでしょうか。今の職場でもう一度頑張ろうと前向きになれることもあれば、新しい職場との出会いがあるかもしれません。現役で頑張る看護師を応援することが、転職エージェントの役目です。どうぞお気軽にご利用ください。