正当な権利?”うつ”?新人看護師が“ずる休み“したくなったときの注意点
ズル休み。
特に理由もなく、サボりたいからという理由で休むことをいいます。
看護師が、とくに新人看護師がずる休みすることについて、あなたはどう思いますか?正当な権利?それとも後ろめたいしやってはいけないこと?はたまた、うつの手前として危険なサインだと思いますか? 新人看護師にとってずる休みとは、どういった意味を持つか、みていきましょう。
ズル休みに定義はない。正当な権利!
「怠けて休むこと」
と定義されています。
引用:「ずる休み」大辞林 第三版の解説(コトバンク)
怠けて休む。これがズル休みの定義です。
とくに、倫理的な意味合いはないと思われます。しかし、“ずる“という接頭語がついているので、ちょっと出し抜いた感じ、狡猾なイメージのつきまとう言葉です。
では、看護師のズル休みはいけないことなのでしょうか?
実は、有給には理由が問われません。有給ではなく欠勤だったら、ちょっと職場とマッチしていないか、適正がないのかもしれませんが、有給休暇という労働者の権利の範疇で休むのであれば、それが銀行に行くためでも、体調不良でも、デートでも、嫌なことがあったからでも、また、理由が何もなくとも構わないのです。
実際、労働基準法第39条で理由を問うていません。
引用:労働基準法第39条(電子政府の総合窓口 e-Gov)
法律上も、職場を有給で休むとき理由を告げる必要すらありません。ただ、事前に有給を取りたい旨、職場に伝えておくだけでいいのです。
休みたい…それは“うつ“のサイン?
ただなんとなく、日向ぼっこをしたり、雨がめちゃくちゃ降ってるから休みたかったり、してはいけないのでしょうか。真面目で一生懸命なあなたですから、数年に1度ぐらいはただお散歩したいという理由で病院を休んでいいのです。
でも、それを繰り返すなら…月に何度も、週に何度も、仕事に行きたくないという理由で休みを取りたいと思うのであれば、それはずる休みではなく、別のサインです。もしかしたら、うつかもしれません。いま、理由なく頭痛がするとかはありませんか? 眠れないなどは?
ただ、突発的に1日休むぐらいなら大丈夫です。いまどれだけ看護師の仕事が忙しかろうと、あなたが1日抜けただけで回らなくなるような職場でしたら、それはあなたのせいではなく、管理者および経営陣と社会情勢の問題です。
あなたは責任感が強いでしょうから、「ずる休みなんて・・・」と思うかもしれません。それでも、1日ぐらいは休んでいいのですよ。限度の問題です。
そんなに休みづらい職場なら転職も
●職場の人的リソース・人材不足
●コロナ感染への恐怖とストレス
●給与への不満足、
●人間関係に疲れた
●単純に頭痛や腹痛や疲れを感じる
その場合は、職場を変えることも選択肢のひとつに入れないといけません。いま、新型コロナウイルス感染症が医療現場をひっ迫していて、何もかもがギリギリの戦いです。そんな中、誰があなたを止められるでしょうか。あなたにだって大切な人はいるのですから。
ズル休みを誰かに指摘されたら?
なぜなら、ずる休みという言葉はもう過去のものになりつつあり、理由を問わない有給こそまっとうな権利であるという遵法意識(法律をしっかり守る意識)が、広まりつつあるからです。
指摘する側も、きっとずる休みしたことがあるものですよ、だから気にする必要はまったくないのです。
新型コロナで大変な中、看護師が休むのはダメ?
看護師が休んではいけないと。
新型コロナでみんなが大変な思いをしている中、看護師がずる休みなんてと。
でも、本当に限界が来たら、休んで構いません。
看護師だからといって、自分をボロボロになるほど削ってまで、働く必要はないのです。
もちろん、あなたは高い理念を持って看護師になったはずです。
ただ、それでも、理想は高くとも、毎日の疲れややる気は現実です。
その現実とうまく付き合い、長く看護師として働くために必要なのが、たまの、ほんとうにたまのずる休みなのです。
きっと、休みの翌日はたっぷり寝て、たっぷり休んで、回復しているはずです。その元気をベースにしながら、働いていけばいいのです。新型コロナウイルスにせよ、通常の看護業務にせよ、長い道のりです。一瞬にしては解決しません。よって、長いマラソンを走る感覚で、やってきましょう。
まとめ
看護師はハードな仕事です。いま、仮に仕事が終わったら寝るだけ、倒れ込むように寝込むだけでぼろぼろになって休日が過ぎていくなら。たまには1日ずる休みして、英気を養ってください。
そうすることでまた回復して元気がでるはずです。そしてまた、過酷な勤務に戻っていけばいいのではないでしょうか。
あなたが幸せに働けることが何よりです。無理して今の職場にしがみつく必要もないのです。もし本当に限界なのであれば、転職も視野に入れるといいでしょう。転職エージェントのコーディネーターと話すことで、あなたが仕事に求めていること、本当の気持ちに気がつくことがあります。
話してみるだけでも、ずいぶん違いますよ。いまずる休みをしたいという気持ちが頻繁に起こるなら、それは別の行動を取るサインです。
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