【看護師転職】転職を決めたら始めよう!退職日までの流れと準備を解説
仕事をしているとき、「職場を変わりたいな」と思ったことはありませんか?でも「看護師の転職は大変!」と聞きます。なぜ、看護師の転職は大変なのでしょうか。その理由は、職場が簡単には退職を認めないからです。とはいえ職場に転職を阻止されるなんて、とうてい納得できませんよね。そこで、退職しやすい時期や退職理由、そして転職までの流れをまとめてみました。はじめて転職するという看護師さんは、参考にしてみてくださいね。
退職届けを提出する時期
まず転職を決意したら、職場の上司に退職予定日から逆算して2か月、最低でも1か月以上前に退職の意思を伝える。ここからスタートです。
転職を決意したときから退職するまでの流れ
上司に伝える退職理由を考える
退職の意思があることを上司に伝えるためには、相手が納得するだけの理由を伝えることが必要です。「とはいっても、どんな理由でも必ず引き止められるのでしょ?」と思いますよね。残念ながらそのとおりで、簡単には納得してもらえないことが多いと考えてください。とはいえ、正当な理由で退職を希望している職員に対し、職場が引き止める権利はありません。ですから引き止められることを心配するよりも、自分自身の考えや思いを整理してみてください。
たとえば、
・なぜ転職したいのか
・転職して何を目指すのか
・転職をしようと思ったきっかけは何か
など、紙に書き出してみるのもおすすめです。転職先で働く自分の姿をイメージできれば、次に困難が起きたとき、原因や解決策にがわかるようになっていきます。
退職理由の具体例
「自分の考えや思いを整理するといわれても、よくわからない」と思っていませんか?そこで、具体例をあげてみます。たとえば、人間関係が辛い・苦手なスタッフがいるという場合は、次のような転職理由が考えられます。
「自身の性格上、緊急度が高い職場よりも変化が少ない職場の方が合っていると考えました。また、ほかの科を経験したい気持ちが強くなりましたので、退職させていただきます。」
夜勤が辛い場合の例をあげてみましょう。
「体力の衰えを感じる年齢となり(もしくは夜勤をこなす体力がないため)夜勤の勤務をこなすのが難しくなっています。夜勤回数を減らしていただくことや、日勤常勤への変更をお願いしようかとも思いましたが、いちど身体を休めたいと思います。
ひとつ補足を加えると、「いちど身体を休める」というのは現在の状況なので、退職後すぐに仕事をはじめても問題ありません。転職後に「前の職場からクレームがきた!」ということはありませんので、安心してくださいね。
これらはあくまで一例です。なので、このとおりに伝えれば必ず退職を認められるわけではありません。ただ具体的な退職理由や前向きな意思をしっかり伝えることで、無理な引き止めを軽くすることができる。と考えてくださいね。
転職理由にしてはいけないNG例
次に、退職理由のNG例をあげてみます。「あれこれと理由を考えるのも面倒だから」と嘘の退職理由を伝えるのはさけてくださいね。・結婚する予定もないのに結婚を理由にする
・事実ではない家庭の事情(家族が病気になった・家業を手伝うなど)
・看護師を続けるのが苦痛になった
・この職場が嫌いだから(職場に不満があるから)
・職員の○○さんが嫌いだから
もちろん本当に結婚する予定がる場合や、家庭の事情がある場合は正当な理由になりますし、この2つの理由で引き留めされることありません。
ただ予定のない結婚や家庭の事情を退職理由にしても、後から嘘だったとばれることもあります。退職が決まった後も数か月は勤務することになりますので、かなり気まずい雰囲気の中で仕事を続けるのは辛いですからね。まったく事実無根の退職理由はNGです。
でも「どうやって嘘だとばれるの?」と思いませんか?それば、職場のスタッフの情報からです。とはいえ「私は職場ではプライベートな話題をしていないし、それに親しくしている友人もいない」と思うかもしれませんね。
実は、看護社会は見えないネットワークでつながっています。そのネットワークは職場に関係ありませんので、まったく事実無根の退職理由をあげてしまうと、違和感を覚えたスタッフが真実を暴こうと行動するかもしれません。
実際には、そこまで大事になるわけではありません。でも結婚といえば祝福を受けるでしょうし家族が病気でといえば、心配もされます。そして家業を継ぐと言えば、激励や応援を受けるでしょうから、やはり良心が痛みますよね。
また、職場やスタッフに対する不満を理由にするのもNGです。たとえ本音であったとしても、職場が嫌になった・スタッフの○○さんが嫌だからという理由では、退職希望として取り扱ってもらえない事態になりかねません。
それに個人名を出してしまうことは、事態の悪化を招くことを知っておきたいですね。もし師長が個人名を出された看護師に、「スタッフ間でもめごとがあるのか」と事情を尋ねたとすればどうなるでしょうか。相手は憤慨し、攻撃的な態度やパワハラ行為へと変化する可能性も高くなります。
しかもすでにパワハラ行為を受けていたのなら、ますます自体は悪い方向へと流れていくだけです。ですから、職場やスタッフに対する不満を退職理由にするのは、絶対に避けてくださいね。
転職の時期を決める
そこで、退職しやすい時期をあげてみます。
・ボーナス支払い月(ボーナスは受け取る)
・2月~3月の年度末
・病棟スタッフの異動月
ボーナス月の退職
ボーナス支給月をめどに退職者は増えますので、その波に乗れるのもひとつです。しかし、離職者が続いた後は退職者の引き止め強まりますので、退職時期には注意してくださいね。2月~3月の年度末
4月の新年度は、新入職員が入職してくる時期ですね。そして転職希望者も、次の職場の入職時期を新年度の4月に合わせるため、2月~3月には退職者の数が増えます。逆にこの年度末を過ぎて退職希望を出せば、かなり強い引き止めに合うかもしくは退職時期を延期するように指示されます。なぜなら4月は新人看護師の入職時期で、研修や新人指導で病棟の業務は混乱するからです。この混乱がおさまるのは早くて5月~6月、場合によっては7月までばたつく病棟もでてきます。
1年の中で4月~5月は最も退職しにくい時期になりますので、冬のボーナス時期を見送るならば、2月~3月の年度末を退職時期に合わせるようにすることをおすすめします。
病棟異動時期
病棟では、春と秋の2回病棟スタッフの入れ替え、つまり異動の時期があります。3月と9月もしくは10月に異動発表が出されることが多いので、この病棟異動時期に退職日を合わせるのもひとつです。ただし異動対象者を決める会議は、異動月の2か月前からはじまります。そのため異動対象者が決定した後に退職を申し出ると、病棟の人数調整ができなくなりますので、会議をやり直す必要がでてきます。となれば、退職を引き止められる可能性が高くなりますので、異動月の2か月前には退職の意思があることを上司に報告しておくと安心です。
春は1月に、そして秋なら7月ですね。
異動月に退職日を当てる場合には、1か月前では遅い場合がありますので注意してください。
転職先を探す
というのも正式に退職が認められないうちに転職先を決めた後、もし退職時期がずれた場合入職を断わる事態になりかねないからです。希望した月に退職できるとは限りませんので、注意してください。
転職先の情報収集をはじめる
とはいえ、退職が決まってから転職先を探したのでは遅すぎます。転職先は、じっくり時間をかけて選ばなければ、「こんなはずではなかった」「これなら前の病院の方がよかった」ということになってしまいますので、退職を考えるようになった時点で情報収取をはじめてください。転職先の情報収集は、知人やめぼしい職場のHPなどから行います。ただ、仕事を続けながらの情報収集は思いのほか時間を取られるため、看護師転職サイトを利用する方法もありますよ。
看護師転職サイトでは、専門のアドバイザーが転職相談や求人情報の提供、または転職先との条件交渉などを代行してくれます。なにより仕事が忙しくても転職の情報収集が簡単にできますし、もちろん利用料はかかりません。すべて無料で手配してくれます。
また転職サイトを利用したからといって、転職先を探していることが職場に知られることはありません。実際に面接に行くまでは個人情報のやり取りはありませんので、安心してくださいね。
転職を決めたら強い意志をもつことが大切
もしまだ転職することに迷いがあるのなら、今は転職時期ではないのかもしれません。気持ちの迷いは上司に見抜かれますので、退職の引き止めや話し合いだけで、気持ちが擦り切れてしまいます。
本当に今転職することが最善の決断なのか、じっくりと考えて結果をだしてくださいね。そして決意したのなら、どれだけ引き止められたとしても、しっかりと自分の意見を言えるようにしておきます。
たとえ引き止めを振り切ったからと言って、次の転職に不利になることは一切ありません。ただし、転職したことを後悔しないためにも、じっくりと考えて最終決断をくだすようにしておきたいですね。
まとめ
しかし転職は、新しいことへの挑戦でもあり看護師としての成長にもつながります。もちろん何度も転職を繰り返すことがいいわけではなく、今の生活状況や自身の性格に合わせた職場に巡り合えれば、転職することなく看護師としての仕事を続けていくことができますよ。
おそらく家族や友人から反対されることもでてきます。でも最終決断は、自分自身で行いたいですね。そうすれば、後悔することもなく前向きな気持ちにもなれるのではないでしょうか。転職を考えたときには、参考にしてみてくださいね。
働きながら転職先を探す場合には、ぜひ転職エージェントをご活用ください。専門のコーディネーターがあなたのニーズに沿った転職先を紹介してくれるだけでなく、面接日の設定や転職先との条件のすり合わせなど、さまざまなサポートをしてくれますよ。
また複数の転職エージェントを利用することで、より自分に合った転職先を探せるでしょう。ぜひお気軽に相談してみてください。
この記事を読んでいる方は以下の記事も見ています
-
腰痛に悩む看護師が長く健康に働き続けるポイントとは?
多くの看護師を悩ませる腰痛。いまは症状がない人であっても、いつ腰痛を発症してしまうかわかりません。そのため、看護師として働き続ける上で、腰痛のリスクは…続きを読む
-
身体拘束を実施する病棟は90%以上!減らすためには看護師およびチームでの取り組みが必要
患者の行動を制限する身体拘束。身体拘束は患者の自由を奪い、人としての尊厳を損ねてしまう可能性があるため、本来は実施すべきではありません。自ら進んで身体…続きを読む
-
ペイハラとは何?患者による医療職(主に看護師)への圧力がテレビでも話題に!
令和元年12月に、突如「ペイハラ」という言葉がインターネットを賑わせました。 ペイハラとは? 流行っているキャッシュレス決済●●Payを強制する…続きを読む
-
退院期間が短くなっている理由は?医療費の4割を占める入院医療について
入院治療が昔に比べて短く簡潔になっていることを、いまの若い看護師は知らないかもしれません。しかし、実際に20年前の2000年に比べると、患者さんの入院…続きを読む
-
放送大学が叶えてくれる“看護師”のキャリアアップとは?
時代はAI、あと数十年もすれば労働のほとんどがAIにとって代わるといわれていましたが、機械に取って代わられるということもなく不況には強いのが“看護師”…続きを読む