コロナにお湯が効く等、災害デマ(医療デマ)を発信しないために
「コロナウイルスにお湯が効く。」
「4/1にロックダウンすると政府関係者からリークがあった」
「NYは2週間後の東京になる」
「日赤のドクターから、医療崩壊が起きているとの連絡を受けた」
これらは、令和2年の初頭に起きた、新型コロナウイルス感染症でパニックになっている世の中に放たれた、いわゆる「災害デマ」「医療デマ」です。
多くの人が慌ててメールやLINEを回し、SNSでも広がって日本中にインフォデミック(情報氾濫)となってしまいました。
こうした医療デマは、善意のもとで拡散されるので非常に危険でもあります。なぜなら、コロナがお湯で死ぬと勘違いして熱湯を飲んだり、発信元と勝手に指定された日赤(!)にメールや電話が殺到したりと、世の中をより混乱させ、パニックに陥れるからです。
こうした災害デマ・医療デマは古くからあります。
そうしたデマを回さないために、今看護師にできることを考えていきましょう。
デマはなぜ発生する?
コロナにおいても、ウイルスはお湯で死ぬという情報が全国的に回りました。これは、なんと台湾と中国のニュースサイトが発祥とされ、グローバルな規模でのデマだったのです。知識人なども中国のニュースサイトを翻訳しながらそのデマを回していたこともあり、多くの人がひっかかりました。
なぜデマを回すのかというと、情報弱者を確かめるためでもありますし、いたずら目的でもあるでしょう。いずれにせよ、たちの悪いデマが災害時には多く回ります。
デマの被害にあわないために
急かす文章に注意
デマ被害にあわないためには、個人レベルでできることは「チェーンメールを回さない」に尽きます。ただこれが難しいのです。判別方法としては「急いで」「できる限り大勢に」など、早急に読み手の行動を促す点にあります。できる限り早く。
できる限り大勢に。
そうした急かす文章が末尾に入っているときは、一呼吸置くべきです。
あまりに話が良く出来すぎているケースに注意
また、話ができすぎている場合も、注意が必要です。あまりに有益なのに無料で情報をくれる、スキのなさすぎる発信者の経歴、作り込まれすぎた世界観・・・そうした、なんとなく人間性が感じられない情報からは、デマの「におい」が立ち込めているのです。そうした完璧過ぎる情報には、踊らされるケースも多いのです。何事も人間には「ムラ」があり、「遊び」があるものですから、そうした完璧過ぎる、スキのない情報は注意が必要です。
なぜなら、そうしたデマを流す人は非常に暇ですから、あれこれテストをしながら常にデマの世界観を作り込んでいます。その作り込みすぎた世界観・過剰な凝り方への嗅覚が、嘘を嘘と見抜くコツです。
何もかも疑っていては疲れてしまいますが、なんとなく立ち込めるデマの「におい」に敏感になると良いでしょう。
勤めている病院が名指しでデマに利用されたら?
ただちに、広報を経由して否定しましょう。病院のウェブサイトに、ちゃんと検索キーワードがひっかかる形の文章で宣言します。画像で出さないようにしましょう。デマを否定して、無関係であることを世の中に公式に宣言する必要があります。
大抵のニュースメディアは、SNSの噂だけでは記事を書きません(書くメディアもありますが)。よって、公式サイトに否定声明がアップされたらそれを参照し、デマ否定のニュースを流してくれます。
そうやって、各種メディアを頼りながら、デマを打ち消す正しい発信をしていく他ありません。
被害が収まらなければ、損害賠償も視野に
あまりに噂が広がり、実際の業務が滞るぐらいになったら、病院として、人の命を救うことができなくなってしまいます。それに対してきちんと対処して構わないのです。
看護師自ら、デマを回さないために
急かす文章、何か完璧すぎてスキのない話、あまりにうまくできすぎた話…。そうしたストーリー仕立てのメールに注意です。
なぜなら、そうしたチェーンメールを考える人は、とても暇なので凝りすぎてしまうのです。凝りに凝った、練り上げられたメールなので、どこか人間味が失われるぐらい、作り込まれているのです。
よって、そのなめらかすぎる内容こそが、疑うためのチェックポイントです。看護師がそうした嘘のデマを見抜くのは簡単です。医療知識があるので、正確な情報を確認し、チェーンメールだと見抜いたら流さない。流してきた相手には、それとなく指摘する。大騒ぎしない。
そうした行動が大事です。
まとめ
これを機に、医療デマの発生する理由を知り、間違った知識を持って医療に当たらないように注意してください。デマを回すと社会不安に陥り、ひいては医療崩壊して自分たちの職場がめちゃくちゃになってしまいます。
大げさかと思うかもしれませんが、医療デマはそれぐらい危険なのです。特に災害時においては、デマには毅然と立ち向かう勇気が必要です。そこでデマを拒否できるのは、看護師ぐらいしかいないのです。世の中を守る防波堤ぐらいの気持ちで、ことに向かいましょう。
医療デマに惑わされないように、もう一度医療や看護について学びなおしたいと思ったら、ぜひ転職エージェントにご相談ください。専門のコーディネーターが、あなたの希望をヒアリングし、最適なプランを提案してくれますよ。
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