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看護師のストレス要因やストレス症状およびストレス対処法

看護師のストレス要因やストレス症状およびストレス対処法

職業別ストレスランキングには、看護師は常に上位に位置しており「ストレスを感じていない」と答える看護師の方が少ない現状が続いています。なぜ看護師はストレス度が高くなるのでしょうか。ストレスの原因やストレス度が高い時に見られる症状また対処法についてお伝えしていきます。

1、 看護師のストレスとなる要因

看護師のストレスとなる要因
看護師が強くストレスを感じる要因はどこにあるのか、見ていきたいと思います。

(1)仕事内容による緊張感・・・命を扱うことに対する緊張感や医療事故への不安
(2)チーム医療に関すること・・・看護師に対する医師の理解不足や職員同士の人間関係
(3)労働環境に関すること・・・仕事量が多く、時間に追われるため時間外労働をせざるをえないなること、また夜勤により生活リズムが不規則になること
(4)患者・家族との関係に関すること・・・患者や家族から、無理な要求を受けることや威圧的な態度を取られること
(5)労働時間の長期化・・・休暇が取りにくく、連続出勤になること

この他後輩への指導や役職に就いていることのストレスなど、個人によりストレスを感じる要因には違いがあり、経験年数・勤務先の規模(病床数)・病床数が少ない職場よりも病床数が多い職場・夜勤のシフトに入っている看護師は、ストレス度が高い傾向にあります。

2、看護師のストレス度が高くなると見られる症状

ストレス度が上昇してくると、身体・心理・行動面で不調が現れるようになってきます。ではどのような症状が現れるのでしょうか。

厚生労働省の調査によると(労働者健康状況調査2012年)強い悩みや不満、またストレスを感じていると回答した看護師の割合は67.6%にのぼり、この結果は全産業(女性)の61.9%を上回る結果になりました。

心理的ストレス症状は、不安・抑うつ・イライラ・ゆううつ感・根気が続かない・集中力の低下といった症状が見られます。

次に身体的ストレス症状には、身体のだるさ・腰痛・目が疲れる・常に眠い・頭痛・めまいや動機・食欲低下などの症状が多く、行動面には飲酒量や喫煙本数の増加、食欲増進、ひきこもり、欠勤や遅刻の増加、仕事のミスやヒヤリハットの増加が見られます。

以下の表は、身体的精神的ストレス症状を、シフトによるストレス症状の違いを表示したものです。日勤のみの看護師よりも2交代3交代と夜勤に入っている看護師の方が、ストレス症状を感じる割合が多くなっていることがわかります。
シフトによるストレス症状の違い
引用 日本医療労働組合連合会看護職員の労働実態調査

3、ストレスからの精神障害に対する看護師の労災請求

ストレスによる精神症状の悪化により、仕事を続けていくことさえ難しくなるケースもあります。以下の表は、厚生労働省が平成30年に公表した、精神障害による労災件数の多い職種です。

<精神障害による労災請求件数の多い職種>
精神障害による労災請求件数の多い職種
( )は女性の人数
引用:厚生労働省平成30年過労死等の労災補償状況より

1位は社会保険社会福祉事業で、医療業である看護師は2位となっていることからも、介護や医療の現場は精神ストレスが高い状態であることが伺えます。

また精神障害の業種別請求決定及び支給決定件数を見ると、医療福祉からの請求数は320件(女性の請求者は240件)そのうち決定件数は255件(女性188件)で、実際支払い請求が決定しているのは70件(うち女性は54件)です。

ちなみに精神的敵ストレスを訴える項目の中は、対人関係(上司とのトラブル・ひどいいやがらせやいじめ、暴行を受けた)と仕事の量と質(仕事内容、仕事量の変化を生じさせる出来事があった)になっています。(参考資料 厚生労働省平成30年度過労死等の労災補償状況より)

しかしストレスが要因となり就労困難になったとしても、労災として認められる数は決して多くありません。労災として認められるには、職場や家族からのヒアリングを行われるのですが、請求者との意見の食い違いがあった場合には断定されない背景があります。

4、 看護師のストレス解消対策

看護師のストレス解消対策
医療職である看護師は、どうしてもストレス度が高い傾向にあります。しかしただストレスを感じながら耐えても、ストレス症状を悪化させてしまい解決には至りません。

まずは自分のストレス度をチェックし、ストレスを軽くする対策を取ってみることも看護師職を続けていくためには必要になってきます。では次にストレス度を低くするための対処法について、お伝えしていきます。

(1) 他者への相談

慢性的な仕事の忙しさは同じでも、ストレスと感じる度合いには個々によって違いがあります。また看護師の経験年数や年齢によっても違いがありますので、まずはひとりで悩まず他者に相談することが必要です。

(2) できるだけ規則正しい生活を送る

夜勤業務に入っている場合、体内時計を整えることは非常に難しく昼夜逆転の生活になることは避けられない場合もあります。ただ休日には、できるだけ同じ時間に起床し暴飲暴食を避け適度な運動を取り入れることを意識するだけも効果があります。

(3) プライベートな時間の充実

職場とプライベートでは気持ちのオンとオフを付けることが大切で、常に仕事のことが頭から離れない状況下では、精神的ストレスが強くなります。指導や指摘が厳しい環境では、業務の失敗また業務のやり残しなどの不安が大きくなります。ただこの状態が続くと、より業務でのミスやヒヤリハットが増えてしまいますので、できるだけ気持ちのオンとオフを付け仕事以外の時間を充実させていきたいところです。

(4) 職場環境を見直す

ライフスタイルの変化と共に、数年前には乗り切れていたとしても現状が変われば継続できない場合もあります。例えば20代前半なら夜勤回数が多くても、すぐに体力が回復でき友人と飲み会を開けばストレスの解消ができていた状況から、結婚し子供ができ家庭と仕事の両立となれば、体力的にも時間的にも独身時代のようには対応できないのも無理はありません。今の職場環境で仕事を継続していくことが可能かどうか、一度見直してみる事も大切です。

(5) 現在のストレス度を知る

慢性的にストレスを感じていると、自分のストレス度が分からなくなる場合もあります。今どれくらいのストレスを抱えているのか、厚生労働省が運営する働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」で簡単にチェックすることができますので、ご紹介します。自分のストレス度を知り、ストレス対策をしてみてください。

5分でできる職場のストレスセルフチェック

さいごに

職場環境や業務内容、個々でストレスを感じる度合いは違い「看護師だから忙しいのは仕方ない」とあきらめてしまうと、ストレスだけが蓄積していきます。

ストレス度が高くなれば改善するためにも時間がかかりますので、ストレスを少しでも軽くしていくことが大切です。早めの対処を行いストレスとうまく付き合っていける対処法を見つけてみてください。

ストレスの少ない職場を探している方は、ぜひ転職エージェントにご相談ください。医療機関と連携を取っているコーディネーターが、無理なく働き続けられる職場を紹介してくれますよ。

参考文献
日本看護協会看護師の働き方改革の推進

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