職場の看護師がコロナに感染!残った看護師が恐怖と戦った2週間の実録|看護師の生き抜く術を知る!|看護師専門の求人転職サイト【看護師ドットワークス】

職場の看護師がコロナに感染!残った看護師が恐怖と戦った2週間の実録

職場の看護師がコロナに感染!残った看護師が恐怖と戦った2週間の実録

コロナ感染の勢いはおさまる気配はなく、平穏だった日々は遠い過去のことにも思えます。いつどこで誰が感染してもおかしくない状況は、看護師も同じです。今「もし自分が感染したら」そのよう不安はないでしょうか。ここでは看護師に感染が発覚した後、職場で起きた実録をお伝えしています。感染しない・させないために、もういちど感染予防を考えるきっかけにしてみてください。

病棟の看護師が感染疑い!師長に入った1本の電話

病棟の看護師が感染疑い!師長に入った1本の電話
コロナ禍の渦中、幸いなことに院内感染者が出ていないことで、コロナへの危機感も薄れてきていた矢先、師長への1本の電話が事態の急展開を迎えます。

濃厚接触者の割り出し

師長への電話は、病棟で働く看護師からのものでした。発熱やのどの痛みがあり、内科を受診した結果は扁桃腺炎と診断を受けた。しかし味覚障害が出てきたことで、「もしかしてコロナに感染したかもしれない」という内容でした。

ただちに師長から病棟スタッフに通達があり、翌日の検査結果を待たずに濃厚接触者にあたるスタッフの割り出しが始まりました。最終出勤日に休憩を共にしていたスタッフ、および発症したと予測される日以降に夜勤を組んだ看護師がピックアップされます。

濃厚接触者となったスタッフは2週間の自宅待機になり、残されたスタッフでシフトを回さなければいけません。遠い異国の出来事のように思っていたコロナが一気に現実的なものとなり、スタッフにも戸惑いが走ります。

検査結果は陽性

看護師からの電話があった翌日、恐れていたことが現実となりました。検査結果は陽性、その時点で濃厚接触者となるスタッフの自宅待機が始まります。

濃厚接触者と断定されたのは、病棟全スタッフの1/3の割合でした。まさに想像以上の人員削減は、連続の日勤・夜勤・休日の返上と残されたスタッフに重くのしかかります。

院内に拡散された情報

師長に連絡があった当日、検査結果が出るまでは口外しないと指示がありました。しかし院内からコロナ感染者が出たという情報は、瞬くまに病院中へと拡散されていきます。

院内で始まる感染者の特定

感染が未確定とはいえ不安な気持ちで帰宅した後待っていたのは、LINEやメール、電話攻撃です。情報の拡散力にも驚きを隠せず、誰が感染者なのかを探るかのようなメッセージは、疲労感を増加させます。

どうやら拡散された情報には感染者の名前はなく、急遽始まった感染者探しはまるで推理小説の犯人を当てるかのようです。スマホに表記されたLINEの通知件数には、恐怖を感じずにはいられませんでした。

院外にリークされた情報

院内中に拡散された情報は、感染確定の翌日には地元の新聞やニュースに掲載されました。情報には病院名や感染した看護師の年齢なども報道されましたので、職員家族の勤務先や近隣から問いただされたスタッフもいます。

入院患者や家族の対応に追われる日々

もっとも対応に追われたのは、入院患者家族からの連絡でした。患者の安否や面会についての電話が1日に何十本も入り、病棟からは患者の家族に説明の連絡をいれなければなりません。

病棟患者さんにも説明する必要があり、急に退院すると言い出す患者・感染した看護師は誰だと声を荒げる家族への対応は、病棟スタッフが担わされます。スタッフの数が減っている激務の中、入院患者や家族への対応はスタッフを疲弊させる要因のひとつとなりました。

院内で起きた差別

院内で起きた差別
コロナに感染した看護師は院内で感染したわけではありませんので、感染経路や感染時期が曖昧でした。しかも微熱や倦怠感がありながら、通常勤務をしています。

濃厚接触者は自宅待機になったとはいえ、「もしかすると患者の中に感染者がいるかもしれない」「濃厚接触はしていなくても、すでに感染しているかもしれない」そんな恐怖心がおのずとスタッフの気持ちの中に湧き出ている中、追い打ちをかける出来事が起こります。

他部署への入室制限

病院内での業務は、病棟の中だけで済むわけではありません。事務所や薬局への出入りや、まれに他病棟に訪れることもあります。そして、他病棟にスタッフが訪れた時にそれは起こりました。

他病棟スタッフからの冷たい視線を感じたと話す看護師の予感が当たったかのように、内線電話が鳴ります。内容は「他の病棟には出入りを控えて欲しい」というものでした。

今病棟で働いているのは、濃厚接触者ではありません。しかしコロナに感染している確率があると言われれば、返す言葉はなく、病院という組織の中でも起きている差別を肌で感じます。

医療従事者に対する差別や冷酷な対応の報道が頭をよぎり、病院内で起きている差別に恐怖よりも、ショックを隠し切れませんでした。

職員、患者へのPCR検査

職員からコロナ感染者が出た場合、保健所の立ち入り検査があります。そして保健所が出した判断は、勤務状況から考えて明らかな濃厚接触者はいないというものでした。

しかし万が一のことを考慮し職員および患者にもPCR検査が行われ、結果は全員が陰性。判定を聞いてようやく安堵すると共に、抱えていた恐怖や不安の大きさに気づかされます。

看護師を襲うコロナの恐怖!コロナ不安の症状と対策法

感染発覚から2週間後

現在は濃厚接触者として自宅待機していたスタッフも通常業務に戻り、病棟も平常運転ができるようになりました。患者さんの面会や外出も解除され、ようやく重苦しい雰囲気から脱出することができたことを、報告させていただきます。

さいごに

職場の看護師がコロナに感染
医療従事者はコロナ感染のリスクが高いとはいえ、感染患者を受け入れていない医療機関なので、コロナ感染は他人事のように考えていました。しかし今回の出来事で、コロナが身近な感染症であることを実感すると共に、病院という狭い組織の中で起きた差別にショックを感じずにはいられません。

感染者の特定や根拠のない噂が飛び回り、感染への恐怖は身近な人間関係をも破壊します。過ぎ去ってしまえば、過去の出来事になるのかもしれません。ただ院内感染が起こらなかったことへの安堵と、2度と感染者が出ないことを祈らずにはいられない出来事となりました。

今回の出来事では、コロナショックで離職を考えたスタッフや今の職場に不信感を覚えたスタッフも少なくありませんでした。

もし今の職場で働くことに息苦しさを感じているのなら、転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。コーディネーターが、あなたにマッチした職場を複数紹介してくれますよ。ぜひお気軽に問い合わせてみてください。

この記事を読んでいる方は以下の記事も見ています

トップ
看護師向け転職エージェントランキング