濃厚接触者と判断され自宅待機に。給料は出るのでしょうか?|看護師の転職お悩み相談【看護師ドットワークス】

濃厚接触者と判断され自宅待機に。給料は出るのでしょうか?

1年目看護師、20代女性、内科病棟

内科病棟で働く1年目看護師です。先日、対応した患者さんが新型コロナウイルス陽性と診断されました。連日その患者さんの担当だったため濃厚接触者と判断され、自宅待機となりました。

いまは発熱や咳などの症状はないのですが、もし自分もコロナに感染していたら……と不安の毎日です。そして、もう1点不安に思っていることがあって、新型コロナウイルスの濃厚接触者になって自宅待機となった場合、お給料はどうなるのでしょうか。

私は新人看護師で、病棟に同期もおらず、気楽に相談できる人がいません。師長さんに電話で確認してもよいものなのでしょうか。誰かアドバイスください!

看護師の転職お悩み相談の質問

看護師をはじめ医療従事者は、新型コロナウイルス感染拡大により、心身ともに疲労とストレスの多い日々をお過ごしのことと思います。さらに、質問者さんは濃厚接触者になったとのことで、自分もコロナウイルス感染しているのではという不安、自宅待機を余儀なくされることで精神的なストレスもあることでしょう。

看護師が新型コロナウイルスの濃厚接触者と判断された場合、就業制限が必要となります。質問者さんのように自宅待機を命じる病院がほとんどでしょう。その場合のお給料に関してですが、有給休暇を使うよう指示があったり、病院独自の特別休暇や病休を使ったり、病院により対応が異なるようです。

質問者さんの病院がどのような対応をされているかわかりませんが、一度師長もしくは人事管理部門にご相談されるほうがよいかと思います。

新型コロナウイルス感染症による医療従事者への対応、とくにお金に関することは、現在も不明瞭なことが多いのが事実です。

今回は、現在段階での医療従事者への補償についてご紹介します。また、看護師の新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者の定義、感染または感染の疑いがある場合の対応についてもご紹介します。

患者さんが新型コロナウイルス陽性に!医療現場における濃厚接触者の定義とは?

病棟にいる患者さんが新型コロナウイルス陽性になったからといって、病棟の看護師全員が濃厚接触者となるわけではありません。医療現場における濃厚接触者の定義をご紹介します。

国立感染症研究所の定義によると、患者さんが新型コロナウイルス陽性となった場合、患者さんの感染可能期間に接触した看護師のうち、濃厚接触者と判断されるのは以下の条件に該当する場合です。

・患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
・適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護若しくは介護していた者
・患者(確定例)の気道分泌物もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
・その他:手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策なしで、患者(確定例)と15分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況等個々の患者の感染性を総合的に判断する。)

引用:新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領(国立感染症研究所)

濃厚接触者と判断されるかどうかのポイントは、適切な感染防護をしていたかどうか。外来受診や入退院など、人の出入りが激しい医療機関なので、新型コロナウイルスに感染している人に出会う確率は低くありません。

ですので、看護師や患者さんは必ずサージカルマスクを着用しましょう。また、発熱・咳などの呼吸器症状がある患者さんの対応は、新型コロナウイルス感染者の可能性を考え、サージカルマスクに加え、フェイスシールドやアイゴーグルによる眼の保護、必要に応じてガウンや手袋を着用しましょう。

看護師が新型コロナに感染または感染の疑いがある場合の対応

病院には、高齢者や基礎疾患のある患者さんがたくさんいます。何としてでも院内クラスターは防ぎたいですよね。しかし、新型コロナウイルスの感染力を考えると、誰が感染していてもおかしくないというのが現状で、看護師が感染源となる可能性は十分にあり得ます。

自分が感染源とならないよう、新型コロナウイルスに感染または感染の疑いがある場合は、適切な対応が必要となります。

新型コロナウイルスに感染した場合

新型コロナウイルス陽性となった看護師は、就業が制限されます。では、いつ仕事に復帰できるのでしょうか。就業制限解除の基準は以下のとおりです。

・症状の軽快が確認されてから24時間後にPCR検査を実施。陰性だった場合、さらに24時間以後に再検査し、陰性が確認された。
・宿泊療養、自宅療養を開始した日から14日経過した。(PCR検査は必須ではない。)

新型コロナウイルスの感染の疑いがある場合

看護師が発熱、咳などの風邪症状がある場合、出勤を見合わせ、自宅待機する必要があります。「ただの風邪」「花粉症だろう」と自己判断するのは危険です。

少しでも疑わしい症状がある場合、病棟師長に相談、院内に新型コロナウイルス患者対応の医師がいれば医師に相談しましょう。または、帰国者・接触者相談センターに電話で相談してもよいです。また、自宅待機解除の目安も、病棟師長や医師に確認しましょう。

看護師が新型コロナに感染したら労災認定される?

看護師が業務中に新型コロナウイルスに感染した場合、労働災害給付の対象となります。また、感染経路が不明瞭な場合も、医療従事者は感染リスクが高い業務に従事しているため、労働災害保険給付の対象となる場合があります。労災の給付の申請は務めている病院や施設から行うことになるので、人事部に相談しましょう。

さらに、医療従事者を対象にした、支援制度が2020年12月1日から開始となりました。内容は、新型コロナウイルスに対応した医療者が感染した場合、20万円の補償金が労災とは別に支払われるという制度です。新型コロナウイルスに感染して、4日以上休業した場合20万円、死亡した場合遺族に500万円が支払われます。

しかし、新型コロナウイルスに感染した医療者全員が対象となるわけではありません。補償金の対象者となる人は、以下の項目に該当する方です。

・新型コロナウイルス感染が労災と認められた医療者
・勤務する医療機関が支援制度に加入している
・補償期間中に感染した

この支援制度は、日本の全医療機関が対象ではなく、医療機関が個別で加入する必要があり、個人では加入できません。また期間限定の制度であるため、補償期間も定められています。務めている病院がこの支援制度に加入しているかどうか確認してみてください。

まとめ

新型コロナウイルス感染拡大にあたり、常に感染リスクと隣り合わせの医療従事者。心身ともに疲労困憊なのに、経済面でも不安に駆られる看護師は少なくありません。看護師が新型コロナウイルスに感染、もしくは濃厚接触者となり、自宅待機を指示されたが、その期間無給となった、何の補償も受けられなかったというケースもあります。

医療の最前線で新型コロナウイルスと戦っている、看護師を含めたすべての医療従事者の経済面のサポートは必要不可欠です。新型コロナウイルス関連で、給料・補償金などに疑問を持っている場合、師長や人事部に相談してみましょう。病院が取り合ってくれない場合は、看護協会や厚生労働省などに電話相談してみてもよいかもしれません。

もし、いまの職場の対応に不満を感じているなら、転職も視野に入れてみてはいかがでしょうか。まずは複数の転職エージェントに相談して、あなたのキャリアプランを見直してみませんか。

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