夜勤が怖くなくなる!現役ICU看護師が語る 『夜勤のすすめ』|看護師の生き抜く術を知る!|看護師専門の求人転職サイト【看護師ドットワークス】

夜勤が怖くなくなる!現役ICU看護師が語る 『夜勤のすすめ』

夜勤が怖くなくなる!現役ICU看護師が語る 『夜勤のすすめ』

友人や知人に「看護師をしている」と言うとみんなが口をそろえて言うのが「夜勤って大変でしょ?」という言葉です。一般的にも看護師という言葉から連想されるのは「夜勤」ではないでしょうか。

私は新卒から約10年近く大学病院のICUで勤務する中で、看護師の夜勤がどういう位置づけなのかを学んできました。現在、2人の子育てをしながらICU看護師として勤務している現役看護師が「看護師にとっての夜勤の位置づけ」についてご紹介します。

看護師にとっての夜勤の存在とは

看護師にとっての夜勤の存在とは
看護師のシフトは主に2交代制や3交代制です。病院だけではなく高齢者施設や訪問看護など、いまや看護師の働き方は多種多様となっています。

すべてに共通するのは、病気や看護は24時間365日どこかで発生していて、場所や重症度は違えども一年中休みがないということです。
 
一般的に看護師の夜勤とはどういった位置づけなのかを見ていきましょう。

看護師になったら夜勤は絶対?

看護師の仕事は24時間です。日勤のみという選択肢もありますが、基本的には入院病棟のある病院で働く看護師にとって、夜勤はなくてはならないものでしょう。

看護学生の時代は、病院での実習は基本的に「日勤帯」です。そのため、「夜勤帯」の実習は体験せず看護師になった方や学生さんがほとんどではないでしょうか。

実際に「夜勤業務」に触れることになるのは、就職してからです。

私も学生の頃は、病院実習が始まると日勤帯と夜勤帯の交代の申し送りから参加させてもらっていました。

そのときに印象に残っている光景は、日勤看護師への「夜○○さんが大変だったんだよー、とりあえず夜が明けてよかった!」と安堵した表情での申し送りの様子です。

実際の夜勤の回数は?

ほとんどの病院の求人募集要項の給与体系には「月○回の夜勤手当を含む」など、夜勤ありきでの給与が書かれていることが多いです。

最近ではインターンシップや病院見学を積極的に取り入れている病院が多くなっていますが、日勤は体験するけど夜勤を体験したという話も聞きません。
 
実際に私の勤務する病院では、新人は4月の末から夜勤が開始され慣れてくると、病棟勤務は月に4回から6回程度、ICU勤務では月に8回程度、なかには夜勤専従という夜勤と休み以外ないシフト帯もありました。

基本的に外来や透析室などを選択希望しなければ、患者が入院している病院は24時間体制で看護業務が必要ですから、ほとんどどこの部署でも夜勤があることが前提になります。

若いからゆえの夜勤への不安

若いからゆえの夜勤への不安
新人看護師にとって、8時間ほどの日勤ですら緊張しっぱなしです。

また、昨日まで朝起きて夜寝るという生活から夜通し起きて患者の看護業務をしなくてはいけない生活へ切り替えを強いられることは、いくら20代の若く体力がある世代だからといっても中々すぐには順応できないという不安はあるでしょう。

仮眠があるとしても、日勤の倍以上の時間である夜勤をこなすことになります。

私の場合は、翌日から日勤が始まり、そこから3日に1回の割合で夜勤が始まったので体が日勤と夜勤に慣れるまでに2か月ほどかかりました。

その間にも通常業務を教わったり、全体研修を受けたりします。看護師は日々の振り返りも行っていますから、新卒からの半年間は心身ともに相当なストレスを感じていました。

しかし、患者さんの不安の表情がなくなったり、感謝されたりするシーンも増えるので看護師にとっての夜勤は決して辛いことだけではありません。

夜勤が待ち遠しくなる?!

半年ほど過ぎると、だんだん業務にも慣れ不規則な生活リズムにも不思議と体が慣れてきます。そして、不思議なことに「夜勤が待ち遠しくなる」のです。

私の勤務する病院は2交代制のため、夜勤のあとは基本的には休日か連続して夜勤となります。そのため、夜勤明けの翌日も夜勤の入りということもありました。このようなシフトの場合、次の勤務まで比較的長い時間が空くことになります。
 
実際に、夜勤明けに連休が続くと通常より少し長い休みがもらえるのです。夜勤明けの当日のうちに移動し移動時間の間に睡眠をとるスケジュールにすると、旅行を楽しむこともできます。

また、美容室やエステなどもあえて夜勤明けで利用することによって、寝る時間を節約し、その分を他の時間に充てるなどもできるでしょう。

このように、夜勤での拘束時間が長いかわりに、夜勤での心身の疲れをリフレッシュする時間もとりやすいということです。

一般的に平日の昼間は働いている人も多いので、旅行プランや美容サービス料は休日祝日よりも割安になっている場合があります。区役所や銀行などの窓口もすいていることが多いので、平日に休みがとりやすいというのは大きなメリットなのです。

夜勤明けの時間をどう使うかによって看護師生活の充実度は違ってきます。

現役看護師が語る夜勤の実際

現役看護師が語る夜勤の実際
では、実際に夜勤業務ってどうなの?と思いますよね。

端的にいうと、夜勤業務は日勤業務にはない大変さがあります。やりがいのある看護師の仕事ですが、夜勤は大変だと言われる理由をまとめてみました。
 
・全体的に人が少ないので限られた人員で対応する。
・勤務時間が長いので業務が多い。
・急変する可能性が高い。
・高齢者の場合は、せん妄や認知症の症状が出る場合が多い。
・患者さんの休息時間であるために配慮しながら業務に当たる。
・患者さんは寝てくれる人ばかりではないのでコールが多い。
・トイレ介助などが多く転倒などのアクシデントリスクが多い。
・病棟の場合、日勤の受け持ち患者より数が多い。
・朝の検査出しやOPE出しの準備をしながら検温や朝食準備など短時間のうちに済ませる業務が多い。

夜勤帯では、日勤帯とは違い看護師以外の医師や検査技師なども当直体制に代わるため、急変や緊急入院があると少ない人数でのやり取りが必要です。そのため、1人あたりの業務負担が増えることもあります。

夜勤の業務は日勤との連携!

夜勤帯では、日中のOPE後の患者さんなどが急変するリスクが高かったり、高齢者の場合はせん妄症状の出現、認知症による徘徊や頻回のトイレ介助なども多くなったりします。

人によっては薬剤の投与による影響で転倒のリスクもあるため、注意が必要です。

また、私の病院では、平日の朝は科によっては朝の採血データによって治療方針や点滴内容が変わることもあります。そのため、OPE出しがあればOPE出しの準備、OPE後であればOPE後の検査出しなどの業務も夜勤帯で処理を行っていました。

それらのデータがそろっていることで、日勤帯がスムーズに動き出すことができます。

夜勤者の業務の遅れは、次勤務担当者に迷惑がかかってしまうことになるので、正確に、よりスピーディな対応を心掛けるとよいでしょう。

夜勤の看護師に求められるニーズ

ほとんどの病棟では患者さんの起床時間は6時です。そのため、それ以前に動き出そうとすると患者さんを起こしてしまうので、患者さんの休息時間を削ってしまいます。

さらに、6時の起床時間からの検温と採血はセットで動き出しますが、その間に交わす会話には、昨晩は眠れたか、何か不安なことがなかったか、痛みの具合や症状の度合の確認も看護師にとっては大事なコミュニケーションと情報収集です。

糖尿病患者などは、朝の採血によってインスリン量が変わったり、食事摂取前に内服薬を済ませなくては食事をとれない方もいたりします。夜勤担当の動き方で患者さんの食事開始時間にも影響することになるので、のんびりもしていられません。
 
自分で動ける方も多いですが、最近では高齢者の入院も多いため介助が必要な方も増えています。

その間にトイレ介助のコール対応や医師からの夜勤帯での患者の様子を確認されるなどもあり、私の病棟では朝5時半から勤務交代の申し送りが終わる8時半までノンストップで仕事は続きます。

夜勤の仮眠時間

夜勤の仮眠時間
夜勤帯の仮眠時間については、およそ1時間半から2時間の仮眠時間が設けられているのが一般的です。

しかし、それはあくまでも病棟が落ち着いているときで、ICUでは勤務中急変や緊急入院があった場合には仮眠時間が取れない場合もあります。

仮眠休憩中の過ごし方は?

実際の看護師の仮眠休憩中の過ごし方といえば、ちょうど小腹もすく時間帯ということもあり、サラダや栄養補給ゼリー飲料などが人気で小腹を満たしていました。

また、空き時間は、眠気覚ましのコーヒー片手に記録の作業です。
 
こうしてバタバタとしたまま日勤帯に申し送りを済ませ、残った仕事を片づけ座って記録ができるように落ち着ける頃になると、足のむくみと疲労もピークに感じることもあります。

夜勤におすすめのアイテム紹介!

夜勤のあとは、通勤時に履いてきたパンプスなどは履けなくなってしまうこともあるので、夜勤の日にはスニーカーでの通勤をおすすめします。

また、夜勤のときのすすめアイテムは、コーヒーと栄養ドリンクやゼリー飲料、ミント系のタブレット菓子と着圧ストッキングです。
 
「夜勤は大変!」とイメージですが、夜勤が終わり外へ出て太陽を浴びた瞬間に「今日もやりきった」という充実感でいっぱいになります。

看護師と夜勤の向き合い方

看護師と夜勤の向き合い方
ここまで、夜勤業務があるからこその看護師ならではの時間の使い方や実際にどんな大変さがあるのかについて触れましたが、実生活にはどのように影響するのか気になるところですよね。

看護師の高額給料は夜勤手当があってこそ!

夜勤の大変さが目立つ看護師の仕事ですが、何と言っても給料に影響があるという点が夜勤のもっとも大きなメリットといえます。
 
前述しましたが「看護師=夜勤が大変」という認識とともに多いのが「看護師=高給」というイメージです。この「看護師=高給」というのは、じつは夜勤をしているから高く見えるというものです。

実際に私の働く病院や友人が働く病院では、基本給や住宅手当などはそれほど差がありません。

しかし、この夜勤手当と夜勤の回数によっては月に10万円ほど違ってくるのです。病院によっては1回の夜勤手当が数千円というところもありますし、2万円弱という病院もあります。
 
また、院内でも外来で夜勤がない場合はほぼ基本給と残業代などの手当てのみですが、夜勤が多いICU勤務では、夜勤に入った回数分の手当てが加算されますからその差は歴然です。

夜勤の回数をこなしただけ給料として目に見える形で支払われるので、更なる達成感を得ることができます。
 
とはいえ、この手当は深夜帯に患者さんに寄り添い、ときには休憩時間を削り働いた金額ですから、業務量と時給換算する少々安いと不満を感じることも多々あります。

それでも労働に対して支給されるのですから、本当にありがたい手当なのです。
 

夜勤手当が高い!転職の注意点

看護師の中には1回の夜勤手当の高さに惹かれ、年収アップを目指し転職することもあります。

ここで注意しておきたいのが、夜勤手当が高く設定されている場合、夜勤業務が大変で割に合わないケースもあるという点です。

ほとんどの病院は事前に見学することができますが、見学する際は日勤帯の見学ですから実際に夜勤がどのようにされているか、夜勤業務の大変さなどを外から見ることは難しいので書面上でしかわかりません。

転職や就職時には給料や夜勤手当の高さなどももちろん大切な項目ですが、口コミサイトには夜勤業務が大変だとか、割に合わないといったマイナスでもリアルな声が書かれていることがあるので、実際にその病院で働いている人のリサーチも事前に行うとよいでしょう。

自分のライフプランに合った働き方を選択する

看護師は、まだまだ女性が多い職場です。となると結婚、妊娠、出産は避けられないライフプランのステップになるのではないでしょうか。その場合、夜勤業務とはどのように付き合っていけばよいのか気になるところです。
 
実際に、私は働きながら2人の子育てをしていますが、当然夜勤業務も行っています。

結婚後も仕事を続けたいと思う反面、夫が会社員の場合は夜勤をするとどうしても夫婦の過ごす時間にばらつきが出てしまうこともあります。

このすれ違いをよく思わない場合は、夜勤がない病棟に移動するか、師長に相談をするか、そもそもクリニックなどへ転職を考えなくてはなりません。

妊娠中の夜勤はどうなる?

妊娠中の夜勤はどうなる?
妊娠すると、体調に合わせて夜勤業務は免除項目となります。

私は病棟が忙しかったこともあり、師長と相談して月に2~3回、そこまで業務負担が多くない土日などの夜勤帯を中心にシフトに入れてもらっていました。
 
夜勤に妊婦が加わることは周りも負担になります。ただでさえ重労働ができず妊娠後期になると立ちっぱなしがきつくなるため、同じ勤務の人に気を使わせてしまうこともあり、トイレ介助などの業務を依頼しなくてはなりません。

また、万が一のトラブルの際には勤務途中で安静にする時間なども要する可能性があるため、必ず産婦人科の主治医と相談して勤務に当たる必要があります。

産後の夜勤復帰が心配

出産後は、子育てをしながらの夜勤復帰も大きな課題となります。

私の場合は、少しでも家計の足しになればと思ったこと、そしてあえて子育てから離れる時間を作ってリフレッシュ代わりにしているというママナースが多いことを知り、夜勤を続けることを選択しました。

夫だけに子どもを託す不安はありましたが、夫がカレンダーどおりの休みの仕事ということもあり、土日や祝日で月曜日が休みの場合は日月といったように月に1回から2回ほど夜勤を入れていました。
  
実際にママナースになってみると、日々の日勤業務も保育園のお迎えなどがあり、どこか時間に追われ納得のいく看護ができなかったと感じることが多いのも事実です。

しかし、夜勤を行うようになったことでゆっくりと患者さんと向き合う時間やスタッフとコミュニケーションをとることができました。自分の看護感をあらためて深めることもできるようになったと思っています。
 

結婚後も働くコツは?パートナーの理解を得ること!

結婚後や子育て中の夜勤では夫の家事・育児の協力も不可欠ですから、ちゃんとした話し合いは必要です。

これからの時代には共働きも多種多様、ワーママ看護師だからこその夜勤の意義も見いだせるようになるのではないでしょうか。
 
いまは働き方もさまざまです。お金が必要になったときに単発の夜勤アルバイトをすることもできますし、場所によっては夜勤の方が落ち着いていて稼げるというところもあります。夜勤が好きという看護師も少なくありません。

自分の生活に合った勤務形態を選べるのも、看護師ならではの特権といえます。

まとめ

入院施設のある病院勤務を選んだ看護師と夜勤は切っても切れない関係ではありますが、夜勤明けの時間やシフトを考えた付き合い方をすれば、時間の有効活用をすることもできます。

どの選択をしても正解や不正解はありません。
 
また、看護師は病院勤務だけではなく施設勤務、保育園、訪問看護など職種や勤務形態もさまざまなものが選べますから、自分のキャリア形成やライフプランのステージによっても柔軟に対応できます。
 
夜勤も大変な業務ですが、24時間365日患者さんの生活を支えるためには不可欠な役割であり、なくてはならないポジションだからこそその達成感は計り知れません。
 
看護師はいくつになっても働くことができる仕事です。はじめての夜勤は不安がつきものですが、無理なく働けるようなべースが用意されています。

また、お互い大変な仕事とわかり合えている職場だからこそ助け合って働いている現場です。日勤とは違う風景、やりがいのある夜勤勤務をぜひ経験してみてください。

転職エージェントでは、夜勤も含めて、ご自身のライフプランに合った職場で働きたい方の転職活動をサポートしています。コーディネーターがあなたのニーズに沿った転職先を紹介してくれますよ。ぜひお気軽に問い合わせてみてください。

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