看護師が転職活動前に知っておきたいマナーとは?
せっかく理想の転職先が見つかっても、就職できなければ悲しいですよね。転職の成否を分ける要素のひとつに、「マナー」があります。
マナーといえば、多くの方が面接中の態度や所作をイメージしがちです。もちろん、面接中の態度や所作は大切ですが、実は転職に必要なマナーはもっと前の段階から求められています。
今回は大切でありながら、見落とされがちなマナーについて、転職活動の流れに沿って説明していきます。一つひとつ、抜けの無いようにチェックしてみると、転職の成功率が上がるかもしれませんよ。
なぜ、マナーが大切なのか?
マナーを大切にすることで、相手に不要な負担をかけさせないという意味合いもあります。看護師は患者さんと多く関わり、チームで働く職業です。そのため、相手の立場を考えているか、という点は大切にしなければなりません。
決まりどおりに仕事進めるのではなく、他者への配慮を欠かさないための土台としてマナーがあると考えるといいかもしれません。
マナーを守ることが目的となってはいけない
マナーを守ることに必死になり過ぎて、それ自体が目的となってしまうのは本末転倒かもしれません。表面上は失礼のないように見えますが、相手からすると不自然な態度に見えてしまうものです。「なぜ、このマナーはあるのか。相手にとってどのような意味があるのか。」と、常に意識すると、自然とマナーが守れます。
ポイントは「この人とは一緒に働きやすそう!」と思ってもらえる言動を意識することです。常に相手の立場から考え、親切で気持ちの良い対応は何かと考えると、自然と良いマナーにつながっていきますよ。
履歴書のマナー
「神は細部に宿る」という言葉があるように、履歴書の細かい部分にまで配慮を行き渡らせることが大切です。
配慮の行き届いた丁寧な履歴書を作成し、送付することで「この人は仕事も丁寧そうだな」と好印象を与えられますよ。
指定の書式、同封する書類がないかチェック
医療機関によっては市販の履歴書ではなく、指定の書式の履歴書を使わなければならない場合があります。指示を見落として、違う書式の履歴書で提出してしまうと、大きなマイナスポイントになるので注意が必要です。また、履歴書と共に看護師免許の写しや、学校の卒業証明書の写しなどの提出が求められることがあります。こちらもしっかりと指定されたものを確認し、不備の無いように揃えて送りましょう。
履歴書は応募者の基本情報を知るための手段です。しかし、指示を見落としたり、守れなかったりすると、仕事の丁寧さも不安視されてしまいます。
誤字・脱字は絶対にNG!
「やっと履歴書が書き終わった!」と思っても油断大敵です。必ず見直しをして、誤字・脱字がないかチェックしましょう。名前や職歴など、自分自身に関する記載は間違いにくいですが、ほかの項目は書き慣れていなければ、意外と間違ってしまうものです。看護師が作成する記録には正確性が求められ、誤字・脱字があってはなりません。そのため、履歴書の誤字・脱字も大きなマイナスポイントとなってしまうのです。
履歴書を書き終えてから1日以上の時間を空けてから、確認できると理想的です。時間が空くと、自分の書いた文章をより客観的に見ることができますよ。ぜひ、時間に余裕を持って履歴書を作成していきましょう。
履歴書はクリアファイルを使って封筒に入れる
履歴書を送る際、クリアファイルにはさんでから封筒に入れるようにしましょう。そのまま入れてしまうと、折れ曲がったり、汚れてしまったりするかもしれません。クリアファイルにはさむ書類は封筒の表側から見て、履歴書→その他の書類の順番に入れましょう。細かい部分ですが、少しでも相手に見やすいように配慮することが大切です。
連絡のマナー
いま一度、連絡のマナーを確認しておきましょう。
電話の際は場所と時間を考慮する
電話をかける際は、自宅や屋内の静かな場所からしましょう。雑音が入ってしまうのはマナー違反であり、相手が聞き取りにくく、間違いの元にもなってしまいます。そして、9時前後といった、朝一でバタバタしがちな時間の電話は迷惑になってしまうかもしれませんので、NGです。一般的な医療機関であれば、14~16時は業務が落ち着いている傾向にありますので、その時間帯に電話するのがベターといえます。
適切な場所と時間を設定し、メモや筆記用具、質問事項などをしっかりと準備してから電話をするとバッチリです。
自然な敬語を使う
メールでのやり取りの場合、文章での敬語が求められます。看護師として医療現場で働いていると、外部と文章でのやり取りする機会が少ないかもしれません。そのため、敬語に苦手意識をもつ方もいるのではないでしょうか。大切なのは、内容に過不足が無く、読みやすいメールであることです。件名、宛名、署名、挨拶を明記し、必要な内容を簡潔に記載するようにしましょう。
丁寧さを求めるあまり、不自然な敬語で文章が長くなりすぎるのはNGです。少しでも読み手の負担を減らせないか、配慮していきましょう。
要点を絞った質問をし、確実にメモを取る
電話とメールのいずれの連絡手段においても、大切なマナーは「相手に不快感を与えず、スムーズなコミュニケーションが取れる」ことです。そのためには、事前準備として何を質問すべきか、どのような順番で話すべきかを考えておく必要があります。
面接前の連絡で減点されてしまうのはもったいないですよね。スムーズにコミュニケーションが取れるように、メモは確実に取り、相手が聞き取りやすい話し方や文章を練習するといいですよ。
面接時のマナー
少しでも緊張や不安を和らげるためには、マナーの準備を抜かりなくしておくことが有効です。
マナーが良ければ、見た目や動作の印象において、面接で良い評価が受けられます。緊張してうまく話せなくても、十分に挽回できると考えると少し気が楽になりますよ。
服装
服装は上下スーツで、清潔感のある身だしなみがマナーです。病棟で勤務する際の身だしなみを意識するのがいいでしょう。具体的には、明るすぎない髪色で、長い髪はまとめる。爪は短く切り揃え、アクセサリーは着用しない。化粧はナチュラルで派手過ぎないように意識する。といったポイントを意識するといいです。
スマホで撮影しながら面接の練習をする
クセというものは、なかなか自分で気が付けません。自分では、しっかりと面接での受け答えができているつもりでも、他者から見ると姿勢の悪さや話し方のクセが気になってしまうものです。ですので、必ず面接の練習をスマホで撮影しながら行っておきましょう。撮影した動画を見ることで、自分のクセを客観的に捉えられるようになり、悪いところを改善できます。
自分の面接の練習風景を撮影するのは、少し恥ずかしいかもしれません。しかし、やるのとやらないのとでは、本番で面接官に与える印象が大きく変わってきますよ。
受け答えは模範解答ではなく自分の考えを自分の言葉で!
面接官や採用担当者は、何人もの転職希望者を面接しています。そのため、ネットや本に載っているような模範解答的な受け答えをしていると、すぐにバレてしまい悪印象です。自分自身のこれまでの看護師としての経験、転職を希望するに至った経緯、志望動機などを自分の言葉で伝えられるように準備しておきましょう。
また、よく聞かれるような質問に対する回答を準備しておくのも、マナーの一環です。「しっかりと準備ができる人だ」と思われ、面接で有利になりますよ。
面接でよくある質問と回答例
本院への就職を志望する理由は?
志望動機は最初の質問として、ほぼ間違いなく質問されるでしょう。本音では、給料や勤務場所といった、生活背景の理由であっても、それらが最優先であるという言い方は避けた方が無難です。看護師としての目標を自分自身の言葉で表現するといいでしょう。
■回答例
私は新卒からずっと整形外科で勤務してきました。患者さんの身体機能が回復していき、活力や笑顔を取り戻していく過程に関わることにやりがいを感じます。
回復期・リハビリテーション病棟に力を入れている貴院では、より専門性を高め、やりがいがあり、長く勤務できると考えています。
また、貴院の理念である「○○」に大変共感いたしました。自分自身の目指す看護の方向性と、一致しており患者さんに貢献しながら成長できると考えたため、貴院を志望しました。
希望する勤務形態・夜勤は可能であるか?
勤務形態に関する希望も、多くの場合質問されます。求人は不足する人員を補充するために出されます。たとえば、夜勤ができる看護師が足りないので募集をかける、などです。
入職後のトラブルを避けるため、はっきりと自分の希望を伝えましょう。
■回答例
「常勤での勤務を希望します。夜勤は月に2回まで可能です。」
まとめ
転職の成否を分けるポイントは「情報」です。マナーに関してもそうですが、転職活動は知らないと損することが多くあります。
転職コーディネーターは、最新情報を転職希望者に提供しています。まずは複数のコーディネーターに相談し、あなたに必要な情報を提供してもらいましょう。
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