実は看護師の喫煙率は最大17.6%!なぜタバコをやめられない?健康増進法が施行される背景にはタバコの害が…
今日のコラムは、看護師の仕事と喫煙についてです。改正健康増進法は2020年4月1日より、全面施行されることが決まっています。
タバコの害が広く知られ、副流煙などの弊害が明らかになってきた今、もはやタバコの受動喫煙を防ぐことは、マナーからルールへと変わることとなったのです。
そんな中、健康を守り、増進していく役目を負った医療関係者、とくに看護師の喫煙状況はどのようになっているのでしょうか。
医師の喫煙率は男性11%、女性2.4%
第5回(2016年)日本医師会員喫煙意識調査報告(公益社団法人 日本医師会)
医師による喫煙率のデータがあります。日本医師会が『日本医師会員喫煙意識調査実施』を4年に1度、実施しています。
グラフによりますと、男女ともに大きな減少が見られます。20年前の2000年の時点では、特に男性は27%もの喫煙率だったものが、2016年の時点では男性が約11%、女性は2.4%という数字に減少しています。
またこれは日本医師会のデータで、「医師は喫煙すべきではない」と考える人も、70%以上いることがわかっています。健康を守り、指導する立場であるがゆえに、ある意味当然の結果と言えます。また、同様のことは看護師にも当てはまることでしょう。
医師による喫煙率のデータがあります。日本医師会が『日本医師会員喫煙意識調査実施』を4年に1度、実施しています。
グラフによりますと、男女ともに大きな減少が見られます。20年前の2000年の時点では、特に男性は27%もの喫煙率だったものが、2016年の時点では男性が約11%、女性は2.4%という数字に減少しています。
またこれは日本医師会のデータで、「医師は喫煙すべきではない」と考える人も、70%以上いることがわかっています。健康を守り、指導する立場であるがゆえに、ある意味当然の結果と言えます。また、同様のことは看護師にも当てはまることでしょう。
看護師の喫煙率は高い?
日本看護協会も同様のデータを取っていましたが、2006年以降は最新のデータがありません。2006年というと、もう10年以上前なので、禁煙が進んだ現在とは意識も状態も違うことは容易に想像がつきます。
また、2006年のニュージーランドにおける調査では、精神科に勤める看護師の喫煙率はやや高めにでていることがわかります。
医師と看護師の間の喫煙率の低下および減少:2006年ニュージーランド国勢調査データ
また、2006年のニュージーランドにおける調査では、精神科に勤める看護師の喫煙率はやや高めにでていることがわかります。
医師と看護師の間の喫煙率の低下および減少:2006年ニュージーランド国勢調査データ
診療科ごとの喫煙率
・内科:10.6%
・外科:11.4%
・眼科:8.9%
・小児科:9.8%
・精神科:17.60%
・皮膚科:6.8%
・呼吸器科:5.7%
・循環器科:8%
・消化器科:12.5%
・産婦人科:10.4%
・整形外科:16%
・泌尿器科:16.9%
・耳鼻咽喉科:10.1%
・その他: 11.5%
・外科:11.4%
・眼科:8.9%
・小児科:9.8%
・精神科:17.60%
・皮膚科:6.8%
・呼吸器科:5.7%
・循環器科:8%
・消化器科:12.5%
・産婦人科:10.4%
・整形外科:16%
・泌尿器科:16.9%
・耳鼻咽喉科:10.1%
・その他: 11.5%
さらに、看護師ドットワークスで独自に看護師へアンケート調査したところ、診療科ごとの喫煙率は上記のようになりました。精神科と泌尿器科が、やや喫煙率高めだということがわかります。それでも、10年、20年前よりは禁煙が進み、20%を切っていることは特徴的です。
これは、健康意識が強くなり、官民問わず、敷地内喫煙や禁煙外来などの設置が進んだからだとみられます。
看護師に限らず、病院のスタッフというものは、健康データに接する機会も多く、またタバコが引き起こすさまざまな喫煙関連疾患に触れる機会も多いため、禁煙教育が進んでいるのではないでしょうか。
独自に禁煙教育を実施している病院では、さらに低い喫煙データがでることとなります。
これは、健康意識が強くなり、官民問わず、敷地内喫煙や禁煙外来などの設置が進んだからだとみられます。
看護師に限らず、病院のスタッフというものは、健康データに接する機会も多く、またタバコが引き起こすさまざまな喫煙関連疾患に触れる機会も多いため、禁煙教育が進んでいるのではないでしょうか。
独自に禁煙教育を実施している病院では、さらに低い喫煙データがでることとなります。
タバコの弊害と対策
そして、タバコはガン、心疾患、肺疾患、胎児に障害といった、深刻な状態を引き起こします。自分がタバコを吸わなくとも、周りからの受動喫煙がきっかけでそれらの病になる人もいるのです。
健康被害は、喫煙でも受動喫煙でも大差なく、タバコの煙そのものが健康に大きな害を招きます。
また、タバコは百害あって一利なしということが、徐々に知れ渡るにつれて、タバコをやめる人も増えましたし、同時にそれらをサポートする禁煙外来もあちこちのクリニックにできるようになりました。
禁煙外来では、ニコチンパッチを腕に貼って、ニコチン中毒からの脱却を図ります。パッチは実際に貼ってみると効果抜群で、あまりタバコを吸いたくなくなるのです。
健康被害は、喫煙でも受動喫煙でも大差なく、タバコの煙そのものが健康に大きな害を招きます。
また、タバコは百害あって一利なしということが、徐々に知れ渡るにつれて、タバコをやめる人も増えましたし、同時にそれらをサポートする禁煙外来もあちこちのクリニックにできるようになりました。
禁煙外来では、ニコチンパッチを腕に貼って、ニコチン中毒からの脱却を図ります。パッチは実際に貼ってみると効果抜群で、あまりタバコを吸いたくなくなるのです。
国と地方、そして病院の努力義務
実は、改正健康増進法は、国や地方自治体および病院で、2019年よりすでに一部施行されています。望まない受動喫煙をなくし、子供や患者へ特に配慮し、場所ごとに対策を講じるというものです。
とくに、この「患者」という一言が入っていますから、看護師にとっても他人事ではありません。患者さんはさまざまな事情で心と体が弱っているケースが多くなっていますから、健康被害を受けやすいのです。
当然ながら、病院の院長・施設長・看護師長などには、タバコの煙から患者さんを守る役目が求められます。
具体的には、禁煙指導、分煙の徹底、喫煙場所に20歳未満を立ち入らせないなどです。
とくに、この「患者」という一言が入っていますから、看護師にとっても他人事ではありません。患者さんはさまざまな事情で心と体が弱っているケースが多くなっていますから、健康被害を受けやすいのです。
当然ながら、病院の院長・施設長・看護師長などには、タバコの煙から患者さんを守る役目が求められます。
具体的には、禁煙指導、分煙の徹底、喫煙場所に20歳未満を立ち入らせないなどです。
加熱式タバコ、電子タバコは許されるのか
しかし、国は飲食店に関しては例外を設けています。分煙や喫煙時間を徹底することで、一部加熱式タバコや電子タバコ(以下、電子タバコ)ならOKという施策です。この電子タバコは一体どうなのでしょうか?
電子タバコとは、紙巻き式のタバコとは異なり、ニコチンを含んだエアロゾルを吸い込んでタバコのかわりとするものです。それでも、ニコチンを吸い込むため中毒になり、また吐き出したエアロゾルが拡散して周りに健康被害を及ぼすという点では同じです。
現に、日本呼吸器学会では、健康被害が生じる可能性があることを指摘しています。仮に国が分煙での電子タバコを認めようと、呼吸器の専門医の間では、紙巻きタバコと同様に、体に良くないものだという見解を示しているのです。
非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解
電子タバコとは、紙巻き式のタバコとは異なり、ニコチンを含んだエアロゾルを吸い込んでタバコのかわりとするものです。それでも、ニコチンを吸い込むため中毒になり、また吐き出したエアロゾルが拡散して周りに健康被害を及ぼすという点では同じです。
現に、日本呼吸器学会では、健康被害が生じる可能性があることを指摘しています。仮に国が分煙での電子タバコを認めようと、呼吸器の専門医の間では、紙巻きタバコと同様に、体に良くないものだという見解を示しているのです。
非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解
まとめ
タバコの害と改正健康増進法についてみてきました。煙草の害はいうまでもありませんが、なぜタバコを吸ってしまうのかというと、それはやはりストレス解消だったり、長年の週間だったりするのではないでしょうか。
看護師も多忙で強いストレスにさらされる仕事です。しかし強い意志だけでは禁煙できないのであれば、医師に相談し、禁煙外来にかかってニコチンパッチを処方してもらい、禁煙につとめるべきだと考えられます。
ストレスは運動、たまのお酒、カラオケといったさまざまな解消方法が存在するため、あえてこの時代にタバコを吸う必要性は低いのです。
最後になりますが、2013年に公開され世界で話題となった、タイのタバコCMをお届けします。これは子どもたちが「タバコの火を貸して」と知らない大人に声をかけ、大人はみな「タバコはよくないものよ」と答えるというものです。
大人はみな、タバコがよくないものであると知りながら、子供には勧められないとわかっていながら、自分はタバコを吸ってしまうのです。そのことについての警鐘が発せられています。
Thai Health Promotion Foundation- Smoking Kid
ぜひ、YouTubeの字幕を日本語にして、視聴してみてください。いま、あなたがタバコを吸っているのであれば、やめようと思うひとつの助けになるかもしれません。
それだけ、世界規模でタバコの害は深刻化しており、看護師も例外ではないのです。
転職エージェントでは、仕事のストレスを抱えている方の転職支援を行っています。ストレス解消の方法は人それぞれですが、体に悪影響を及ぼすほどの解消方法を続けるよりも、ストレスの少ない職場に転職した方が、心身ともに健康に過ごせるでしょう。
転職エージェントでは、専門のコーディネーターとの面談を通して、あなたのニーズに沿った求人を多数紹介してくれます。ぜひお気軽にお問い合わせください。
看護師も多忙で強いストレスにさらされる仕事です。しかし強い意志だけでは禁煙できないのであれば、医師に相談し、禁煙外来にかかってニコチンパッチを処方してもらい、禁煙につとめるべきだと考えられます。
ストレスは運動、たまのお酒、カラオケといったさまざまな解消方法が存在するため、あえてこの時代にタバコを吸う必要性は低いのです。
最後になりますが、2013年に公開され世界で話題となった、タイのタバコCMをお届けします。これは子どもたちが「タバコの火を貸して」と知らない大人に声をかけ、大人はみな「タバコはよくないものよ」と答えるというものです。
大人はみな、タバコがよくないものであると知りながら、子供には勧められないとわかっていながら、自分はタバコを吸ってしまうのです。そのことについての警鐘が発せられています。
Thai Health Promotion Foundation- Smoking Kid
ぜひ、YouTubeの字幕を日本語にして、視聴してみてください。いま、あなたがタバコを吸っているのであれば、やめようと思うひとつの助けになるかもしれません。
それだけ、世界規模でタバコの害は深刻化しており、看護師も例外ではないのです。
転職エージェントでは、仕事のストレスを抱えている方の転職支援を行っています。ストレス解消の方法は人それぞれですが、体に悪影響を及ぼすほどの解消方法を続けるよりも、ストレスの少ない職場に転職した方が、心身ともに健康に過ごせるでしょう。
転職エージェントでは、専門のコーディネーターとの面談を通して、あなたのニーズに沿った求人を多数紹介してくれます。ぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事を読んでいる方は以下の記事も見ています
-
退院期間が短くなっている理由は?医療費の4割を占める入院医療について
入院治療が昔に比べて短く簡潔になっていることを、いまの若い看護師は知らないかもしれません。しかし、実際に20年前の2000年に比べると、患者さんの入院…続きを読む
-
よく聞く「チーム医療」って何?看護師の役割は?
「チーム医療」という言葉を現場で聞く機会が増えてきました。なんとなく、多職種が連携して医療を提供するものだと理解しながらも、実際にどのように機能してい…続きを読む
-
看護師のストレス要因やストレス症状およびストレス対処法
職業別ストレスランキングには、看護師は常に上位に位置しており「ストレスを感じていない」と答える看護師の方が少ない現状が続いています。なぜ看護師はストレ…続きを読む
-
燃え尽き症候群にならないために
現代社会で日々働いていると、「燃え尽き症候群」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。「バーンアウト」とも呼ばれる燃え尽き症候群は、年…続きを読む
-
看護師の離職転職理由の特徴を経験年数別に解析
看護師は、離職率が高いイメージはないでしょうか。ただ離職したのちすぐに転職する看護師の方が多いので「転職率が高い職業です」という表現の方がしっくりきま…続きを読む