悪口や批判、ダメ出しがスルーできず、モヤモヤしてしまいます…
職場でほかのスタッフの言葉が気になって、いつもモヤモヤした気持ちでいませんか。とくに、看護師同士で悪口や批判をしている場にいると、自分が責められているような気分になりますよね。
また、先輩からダメ出しをされることもあるかもしれません。もちろん、至らない部分は改善しなければなりませんが、執拗にダメ出しをされると、ヒトは素直に受け入れられないものです。
看護師の職場における悪口や批判、ダメ出しは多くの方が悩まされる問題といえるかもしれません。完全にスルーして気にしなければ良いのかもしれませんが、悪意のある言葉はなかなかスルーできないものですよね。
そこで今回は「スルースキル」について説明します。ぜひ、参考にしてみてください。
「スルースキル」とは?
ところが、スルースキルについて、間違った認識をしてしまっており、かえってストレスを溜め込んでいる人も少なくありません。
まずは、正しく「スルースキル」を認識してみましょう。
「鈍感」とは異なる
よくある誤解として、スルースキルを鈍感になりきることだと、勘違いしてしまうことです。何を言われてもニコニコして受け入れる。でも、内心は傷つき、ボロボロになっている方もいるのではないでしょうか。
生まれ持った気質として、他者の言葉がほとんど気にならない方であれば、問題ないかもしれません。しかし、多くの人の場合、悪意のある言葉や態度を真正面から受け止めて、何事もないかのように振舞うのは無理があるでしょう。
他者の悪意を受け止めずにかわす技術
そこで必要となるのが、「他者の悪意を受け止めずにかわす技術」です。真正面から受け止めるとダメージを受けてしまう悪意ですが、カラダを半身にしてかわしてしまえば、ダメージは最小限で済みます。
また、完全に無視してしまうと、相手から反感を買ってしまい、不要なトラブルを招いてしまいます。ですので、真正面から受けるのでも、無視でもなく、半身でかわす技術が大切なのです。
悪意をかわす3つのポイント
具体的に意識してみると良い、3つの技術をお伝えします。
①初動ですべて決まると意識する
相手からの悪口や批判、ダメ出しがはじまったら、すぐに初動をはじめなければなりません。なぜなら、すぐに動き出せれば自分自身のダメージを最小限に抑えられ、相手との人間関係のトラブルのリスクも抑えられるからです。相手からダラダラと不快な悪意ある言葉を向けられ続けるのは辛いですよね。さらに、話を打ち切るタイミングもわからないとなれば、ストレスも大きくなってしまいます。
そのため、悪意を向けられたら、すぐさまかわす方法を実践していく必要があります。実際にどのようにかわすべきか、のちほど場面別に紹介しますので、参考にしてみてください。
②他者の感情を「自分ごと化」しない
同じ意味の言葉でも、相手の感情によっては、まるで違う言葉のようになることがあります。たとえば、仕事のやり残しを指摘される場面を想像してみてください。事実のみをサラッと伝えられるのと、ため息交じりで嫌味のように伝えられるのとでは、印象がまるで異なりますよね。
仕事のやり残しがあることと、相手がそれに対してどのように考えるかは別問題です。自分自身の至らなかった点を自覚すれば反省としては十分で、相手の感情を自分ごととして捉える必要はありません。
同様に、その場にいない第三者の悪口や批判をしている場面に遭遇しても、他者の感情を自分ごと化しないようにしましょう。悪口や批判は、あくまでもその人たちの感想でしかなく、自分の感情とは関係ありません。
③選択と集中
時間や集中力といった、仕事に必要な資源は有限です。相手の悪意に付き合っていたら、本来仕事に使えるはずであった資源が減ってしまいます。大切なのは、自分がやるべきこと、考えるべきことを見極めて集中することです。いわゆる「選択と集中」という言葉が示すように、自分にとって必要でありコントロールできることにのみ集中すると良いですよ。
よくある場面とスルースキルの例
①悪口や批判に巻き込まれる
「○○さん、また採血失敗したらしいよ」「勤務が一緒になるとフォローで疲れる」
その場にいない人の悪口や批判の場面は、誰もが一度は遭遇したことあるのではないでしょうか。改善につなげる気がないあら探しは、他者を傷つけるだけであり、何ひとついいことがありません。
このような場面で有効なスルー方法は「素早くその場から離れる」です。おむつ交換や点滴交換などの業務を理由に、素早くその場からいなくなってしまいましょう。
悪口や批判は自分のことでなくても、聞いているだけでストレスになってしまうものです。「はじまったな」と思ったら、すぐさまその場を脱出するための理由を考えると良いでしょう。
そして、悪口や批判の場面では、聞いたことを他者に伝えないことも重要です。陰口に加担しないことで、巻き込まれる場面自体が減っていくはずですよ。
②答えにくいプライベートな質問をされる
「彼氏とはうまくいっているの?」「貯金はどれくらいあるの?」
休憩時間などに同僚や先輩と、プライベートな話をする場面は多いかもしれません。気心の知れた相手で、話題も無難なものであれば良いですが、中には答えにくいようなプライベートに踏み込んだ質問をされることもありますよね。
このような場面で有効なスルー方法は「曖昧な回答をしつつ、逆質問する」です。自分の回答は「まぁまぁです」といった具合に明言を避け、すかさず「○○さんはどうですか?」と逆質問をして、スルーしましょう。
噂話というものは、尾ひれがついて伝わってしまうものです。そのため、下手にプライベートな情報を漏らしてしまうと、間違った情報が拡散されてトラブルにつながってしまいます。
③執拗にダメ出しされる
「前も言ったのに何でできないの?」「ほかの同期はみんなできているよね」
失敗に対しての執拗なダメ出しは本当に心が折れますよね。看護師は命を扱う職業である以上、失敗に対して細心の注意を払わなければなりません。だからといって、執拗にダメ出しをされたところで、失敗は減るものではありませんよね。
このような場面で有効なスルー方法は「相手と同じ方向を向くイメージで、今後の対策だけを考える」です。同じ失敗をしないような対策は必要ですが、それ以上のダメ出しで心にダメージを受ける必要はありません。
「今後はどうする?」という問いに対して、回答が見つかれば十分です。その後は、自分が責められと思わず、ダメ出しに相槌を打ちながらダメージ回避に努めましょう。
ストレスを溜め込まないことも大切!
心に余裕のある状態を保ち、相手からの悪意は全力でスルーしてダメージを回避できると良いですよね。そのため、普段からストレスを溜め込まないように意識することが大切となってきます。
体調を整えるとメンタルも安定しやすくなる
体調とメンタルは自律神経に働きにより、密接に関係しています。つまり、カラダの不調は、そのままメンタルの不調にもつながってしまう、ということです。ですので、心の余裕を保つためには、規則正しい生活をして体調を整えることからはじめなければなりません。
具体的には、バランスの良い食事、十分な時間で質の高い睡眠、適度な運動を意識すると良いです。当たり前だと思うかもしれませんが、継続できている人は意外と多くありません。
どうしても耐えられない場合は異動や転職を検討する
スルースキルを駆使し、体調を整えてストレス管理をしても、どうしても耐えられないこともありますよね。そのような場合には、異動や転職を検討するのも一つの手です。人間には相性があり、どれだけ努力をしても状況が改善できないことがあります。そのため、「自分の努力が足りない」「職場の人が悪い」と考えず、環境を変えてみませんか。
人間関係の悩みは環境を変えることで、意外なほどあっさり解決するものです。合わない職場で悩み続けていても、あなたらしい看護を提供するのは難しいかもしれませんよ。
まとめ
自分らしく働くには、人間関係でのトラブルが少ない職場を選ばなければなりません。なぜなら、エネルギーは有限であり、余計なトラブルに割く余裕はないからです。
また看護師によってニーズが異なりますので、すべての看護師が満足して働ける職場はありません。まずは複数の転職コーディネーターとの面談を通して、あなたのニーズを明らかにしていきましょう。
転職コーディネーターは、あなたのニーズに沿った転職先を提案してくれます。ぜひ、お気軽に相談してみてください。
この記事を読んでいる方は以下の記事も見ています
-
看護師とお金。医療関係者が資産形成に失敗しがちな理由
あなたはお金のことをどの程度気にしていますか? 看護師なら、生活に困るほど低いということはありませんし、高給取りとはいえなくとも、かといって、病院に…続きを読む
-
ISBARを使って他職種への報告やコミュニケーションをスムーズにしよう!
医療事故は様々な要因が複雑に絡みあって発生します。その原因の一つが「コミュニケーションエラー」です。 京都第二赤十字病院が全職員に対して行ったア…続きを読む
-
転職で生活が充実することを知っていたら、もっと早く転職していたのに
転職するべきか、それとも転職せずに今の職場で働き続けるほうがよいのか、という2択で悩んでいる看護師の方も多いのではないでしょうか。 とくに転職経験の…続きを読む
-
転職したい看護師必見!相手から好印象を持たれる履歴書の書き方
看護師として働いていると、「そろそろ転職したい」と思うことはありませんか? 看護師は活躍できる場所が多く、人手不足に悩まされている病院もたくさん…続きを読む
-
介護施設に転職したい看護師が知っておきたい業務内容や特徴とは?
「介護施設での勤務に興味がある」 「介護士だけじゃなくて看護師も働けるの?」 「未経験でも大丈夫かな」 このような疑問を抱えながら、介護施設…続きを読む