心配性で任せ下手な看護師が任せ上手になる方法
「他の看護師に任せるのが苦手でいつも仕事を抱えすぎてしまう。」
このように任せ下手で仕事を抱えがちな看護師は意外と多いのではないでしょうか。
厚生労働省の調査では、所定外労働が発生する理由に「職員間で業務量に偏りがある」と27.8%の看護職員が回答しました。
引用:過労死等をめぐる調査・分析結果(厚生労働省)
分担された仕事を自分で処理することは大切です。
しかし、自分一人で仕事を抱え込みすぎると職員全体の仕事に支障が出たり、患者さんに迷惑をかけてしまったりします。
チーム医療の中でも看護師は特に高いチームワークが求められる職業です。
他のスタッフを信頼し、上手に仕事を任せられるようになると、より良い医療を提供できるようになりますよ。
今回は心配性で任せ下手な看護師が上手に仕事を任せられるようになるための方法を紹介していきます。
心配性な看護師が仕事を任せられない理由
①仕事を任せることを申し訳ないと思っている
自分に割り振られた仕事は自分だけで処理しないといけない、と思いこんでいるタイプです。他の看護師も忙しそうにしているため仕事を頼みにくく、複数人でこなすべき仕事も一人で抱え込んでしまいます。
特に責任感の強い看護師にありがちな理由です。
また、職場の人間関係に悩みを抱えており、仕事を任せにくい雰囲気の場合もあるでしょう。
厚生労働省の調査によると、業務に関するストレスで最も多かったのが「人間関係」でした。
引用:過労死等をめぐる調査・分析結果(厚生労働省)
他のスタッフの顔色を伺うことを優先するあまり、仕事を任せられなくなってしまうのです。
②仕事の進み具合が把握できていないと気がすまない
心配性で他のスタッフに仕事を任せると進捗が把握できないことをストレスに感じるタイプです。仮に他のスタッフに仕事を任せたとしても、過度に介入したり進捗を確認したりしてしまいます。
介入や確認する側もされる側もストレスを感じてしまい、「結局自分でやったほうが楽」と仕事を抱え込んでしまいがちです。
周囲からの「やりますよ」という声かけに対しても「大丈夫!」と言って無理をしてしまいます。
特に後輩の面倒見が良すぎるタイプに多い理由です。
仕事の抱え過ぎは周囲の「心理的リアクタンス」を生む
心理的リアクタンスとは、人間が行動を制限されると反発したくなる気持ちになる心理作用のことです。
心理的リアクタンスが生まれたスタッフは無力感からやる気を失ったり、イライラしてしまったりします。
「私は信用されていないのか」というネガティブな気分になってしまうのです。
厚生労働省が実施した新人看護師を対象としたアンケート調査では、新人看護師の退職理由に「認める、ほめることが少ない職場風土」が上位にあがっています。
引用:新人看護職員研修の現状について(厚生労働省)
新人看護師は仕事を任せてもらえないことにストレスを感じる場合もあるのです。
もちろん、新人看護師に限らず、特定のスタッフが常に仕事を抱え込みすぎているのに周囲を頼れない状況に不安を感じるスタッフもいるでしょう。
仕事を任せるメリットに目を向ける
仕事を任せるのは申し訳ない、人間関係が悪くなるかもしれない、というのは思い込みかもしれません。
医療スタッフは患者さんに質の高い医療を提供することを共通の目的としています。
その目的を達成するためであれば仕事を任せられることを不快に思う人は少ないでしょう。
もちろん断られる場合もありますが、それは忙しいなどの理由があるからです。
決してあなたが嫌われている訳ではありません。
また、上手に仕事を任せると以下のようなメリットがあります。
①患者さんの安全・安楽につながる
仕事を抱えすぎて余裕のない看護師は患者さんの安全・安楽を保つことはできません。仕事を上手に任せられると業務量の偏りが解消されます。
適切な仕事配分になることで患者さんの安全・安楽が保たれるのです。
②後輩の成長につながる
上手に仕事を任せられると後輩スタッフのやる気を引き出すことができます。やる気を引き出されたスタッフは仕事に対してより積極的になり、成長の機会が得られるでしょう。
理不尽に仕事を押し付けることはNGですが、適切な仕事の割り振りは問題ありません。
③職場全体の雰囲気が改善される
誰でも感謝されると嬉しくなりますよね。仕事を任されたスタッフに感謝の気持ちを伝えることで、お互いの信頼関係を強めて職場の雰囲気が改善されます。
仕事を任せたら必ずフィードバックを返しましょう。
仕事の進み具合をマイルストーンで確認する
マイルストーンとは、進捗を管理するために作業途中で“節目”を設けることです。
仕事を任せる段階で、全体像とスケジュールを共有しマイルストーンを設定して、報告してもらうタイミングを予め決めておきます。
例えば、「〇〇までに△△をしたら、一度教えてもらえますか。」といった要領でマイルストーンを設定しましょう。
そうすることで自分自身の心配を緩和することができますよ。
マイルストーンを確認できたら、任せたスタッフを信頼して自分の仕事に集中しましょう。
他職種へ仕事を任せることでそれぞれが専門性を発揮する
チーム医療は患者さんが中心となり、他職種がそれぞれの専門性を発揮しています。
他職種へ上手に仕事を任せることで専門性が発揮でき、医療の質や患者さんの満足度を高めることができるでしょう。
看護師は患者さんと専門職を繋ぐ役割も持ちます。
食事に関しては管理栄養士、リハビリに関しては理学療法士、内服に関しては薬剤師など、ニーズに応じて相談してみましょう。
今後、スキルを磨いてキャリアを重ねていきたいと考えている方は、転職エージェントに相談してみてください。専門のコーディネーターがあなたのキャリアプランをヒアリングし、最適な選択肢を提案してくれますよ。
キャリアアップのための転職は情報収集と早めの準備が重要です。ぜひ複数の転職エージェントを活用して、あなたのキャリアプランを実現させていきましょう。
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