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看護師の報告と申し送り、聞き手が理解しやすい伝え方とは

看護師の報告と申し送り、聞き手が理解しやすい伝え方とは

看護師の職場では、申し送りが廃止になっている職場も増えてきています。とはいえ、やはり報告と申し送りは欠かせない業務ですね。医師への報告、補足情報の申し送りなど患者さんの状態把握には欠かせない業務のひとつです。

ただこの報告や申し送りは、聞き手に対して伝えたいこと伝わっているか不安になることはないでしょうか。聞き手が理解しやすい伝え方について、お伝えしていきます。

1、伝えたいことが整理しやすい伝え方5W1H

5W1H
5W1Hと聞いたことはあるでしょうか。

When  いつ
Where どこで
Who  誰が(と)
What  何を
What  なぜ
How  どのように

これが5W1Hです。ただ緊急時の報告には、SBARやISBARCの方が有効な場合もあり医師の報告時に使われています。ちなみにSBARとISBARCは以下の通りです。

Situation(状況)    患者さんに何が起こっているか
Background(背景) 今までの経過
Assessment(評価) どのようなことが考えられるか
Recommendation(提案)具体的に何を依頼したいのか

Identity(報告者、対象者)  自分の名前○○病棟の△△です。(最初)
Confirm(指示内容の復唱) 医師からの指示を復唱して確認する(最後)

意識していないかもしれませんが、看護師は緊急時医師への電話連絡をする際はこの流れで連絡を入れています。冷静に電話をかけている看護師の姿ってかっこいいですよね。ただアセスメントに自信がない場合には、使いこなすのが難しいかもしれません。

新人看護師は、先輩が電話連絡をしている姿を観察してみるといいですよ。「報告するのがうまいなぁ」と思う看護師は、SBAR(ISBARC)を使いこなしています。

ただ緊急性が低い普段の申し送りや報告が必要な時には5W1Hを意識しながら伝達することで、伝えたいポイントを絞ることができ相手にも伝わりやすくなります。

申し送りや報告時、緊張が強くなって混乱してしまう場合には、意識しながら話すまた整理されたメモをみながら話すと頭の中が整理できますよ。

2、 5W1Hを使った具体例

5W1Hを使った具体例
ではどのように5W1Hを使ってどのように報告や申し送りをすればいいのか、具体例をみていきます。

(例)夜勤で病棟の巡回時、205号室のAさんから昨夜眠れなかったと報告を受ける。理由は隣のBさんのいびきが原因だった。「このままでは今日も眠れないのではないかと不安だから、何とかして欲しい」と要求される。

しかし病室はすべて満室で、同室者のいびきを理由に部屋異動をすることは難しいと考えられた。Aさんは毎日、追加の不眠時を服用しており服用後はいつも自室に戻る習慣がついている。そこで頓服の服用時間の提案と薬の効果がでるまでの過ごし方について提案してみたところ、承諾されたので実践してみたところ、その夜睡眠状態は改善された。

この状況を、5W1Hに当てはめてみます。

① いつ 昨夜(〇日と具体的な日を伝える場合もある)
② どこで 205号室で
③ 誰が 入院中の○○さん
④ 何を 不眠時服用時間と薬の効果がでるまでの過ごし方を提案した
⑤ なぜ 同室者のいびきが気になり不眠になったと訴えがあったから
⑥ どのように 夜間の不眠が改善され、よく眠れるようになった

実際の申し送りはこのようになります。

「昨夜は205号室の○○さんに、不眠時服用時間と薬の効果がでるまでの過ごし方を提案しています。同室者のいびきが原因と不眠を訴えられていましたが、今朝確認したところ、よく眠れたと報告がありました」

5W1Hを利用しない報告例

○○さんが同室者のいびきがうるさいから部屋を変えて欲しいと訴えがあり、それはできないとお伝えしたのですが、今晩も眠れないのではないかと心配されていました。

○○さんはいつも不眠時を服用されていたので、服用時間を△時に飲み薬が効いてくるまでホールで座って過ごせば不眠の解消になるのではなかと考え時間を提案してみたら「そうしてみる」とおっしゃったので、不眠時を△時に飲まれています。今朝確認したところ「よく眠れたありがとう」と言われていました。

その時の出来事を時系列に伝えようとしているのはわかるのですが、聞き手には伝わりにくく理解できなかった聞き手が途中で質問すれば申し送りが中断しますので、話し手の緊張度は上がり混乱してしまいます。

3、 申し送りや報告は聞き手ファーストで

申し送りや報告は聞き手ファーストで
5W1Hを使用していない例は、昨夜の訴えを細かく道筋を立てて報告しています。しかしその場にいなかった聞き手の看護師は、頭の中でその場の光景をイメージし最終的に何時に不眠時を服用したのかを考えなければいけません。

その日のリーダーやサブリーダーであれば医師や次の勤務者に報告する必要がありますから、頭の中をフル回転させなければいけませんね。

でも5W1Hを使用して簡潔に伝達すれば、聞き手側はBさんがいびきをかく原因や同士室のAさんとBさんの日頃の関係性、またAさんが不眠になっている原因が他にあるかもしれないと各自がアセスメントをすることができます。

その時の状況を詳しく伝えようとすれば話が長くなるだけではなく、聞き手の理解度が下がります。詳しい内容はカルテに記載すれば伝わりますので、申し送りや報告はぜひ聞き手ファーストを意識してみてください。

4、 5W1Hは報告書やメモ伝達にも使える

5W1Hは、報告書や伝達メモとしても使えます。医師に報告する際「今手が離せないからメモで残しておいて」と言われた経験はないでしょうか。

また上司に提出する報告書も5W1Hを使って記載すれば、受け取り側に自分が伝えたい内容を理解してもらうことができます。相手が知りたい追加情報があれば質問してきますので、その問いに対して答えるだけでお互いストレスなく情報交換をすることができますよ。

さいごに

申し送りや報告が苦手だと感じる原因は、聞き手の反応が悪いことにもあります。自分の体験や感情を織り交ぜて話す人の話は回りくどく聞き手にストレスを与えてしまうので、どうしても反応が悪くなりやすいです。

例えば聞き手側になっている時「この人の申し送り長いから苦手」と無意識に感じていることはありませんか?また話し方が上手い人の申し送りは、耳に心地よく的確に情報が入ってきます。

しかし話し方は生まれつきのものでも努力が必要なわけでもなく、頭の中で言葉の筋道が整理できているかどうかです。頭の中で話の道筋を整理するのが難しい場合には、5W1Hの流れでメモを作り申し送りを始めてみるとスムーズに流れていきますよ。

報告と申し送りのスキルを磨いたあなたは、医療機関にとって貴重な人材です。もしこの先、キャリアアップを目指すなら、ぜひ転職エージェントにご相談ください。

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