「ルーティン業務をこなすだけで個別性がない」と言われた。個別性のある看護とは?|看護師の生き抜く術を知る!|看護師専門の求人転職サイト【看護師ドットワークス】

「ルーティン業務をこなすだけで個別性がない」と言われた。個別性のある看護とは?

「ルーティン業務をこなすだけで個別性がない」と言われた。個別性のある看護とは?

「看護には個別性が大切」と学生の頃に何度も言われてきたのではないでしょうか。しかし、実際に現場で働きだすと日々の業務に追われるだけで1日が終わることも多いですよね。個別性のある看護がどのようなものか、わからなくなってしまった看護師の方もいるかもしれません。

個別性のある看護を展開することで、患者のニーズに寄り沿った的確な看護を行えます。また、自分自身のやりがいや成長にもつながるため、個別性のある看護はすべての看護師に必要なものです。

今回は個別性のある看護とは何か、実践するためのポイントを説明します。ぜひ参考にし、日々の看護を見つめ直すきっかけにしていただけると幸いです。

個別性のある看護には具体的な計画が必要

個別性のある看護には具体的な計画が必要
個別性のある看護を展開するには具体的な計画が必要です。看護計画には、アセスメントによって知り得た患者の看護問題を解決するための介入が記されます。同じ看護問題であっても、患者の状態や性格に応じて必要な介入は異なります。

また、看護計画には期待される成果が必要です。期待される成果は看護師間で共有されるため、誰が見ても何を意図しているかわかる内容でなければなりません。看護師により期待される成果の解釈にズレが生じると、異なるゴールを目指すことになります。期間や達成度が明確な期待される成果を設定していきましょう。

ポイント①患者の身体的・心理的特徴に合わせる

看護計画を立案する際には、病態ごとの一般的な計画をベースに患者の身体的・心理的特徴を踏まえてアレンジすることが大切です。同じ病名の患者でも症状や治療経過、ADLは異なります。心理面でも治療や療養生活との向き合い方、日課やスケジュールは患者ごとに異なりますよね。

そのため、同じ名前の看護問題を抽出したとしても、患者の特徴を反映させると計画は患者のオリジナルになります。たとえば、「転倒・転落リスク」を看護問題に抽出した場面を思い浮かべてみてください。

患者のADL、片麻痺などの身体的特徴、病識、筋力、などにより介入すべきポイントが変わってきますよね。看護計画を患者ごとに介入すべきだと判断した内容を盛り込み、逆に合わない点を削除すると個別性が出てきます。

ポイント②看護計画に5W1Hを組み込む

看護計画をより具体的に個別性を出していくためには、5W1Hを組み込む必要があります。5W1Hとは、Who(だれが)When(いつ)Where(どこで)What(なにを)Why(なぜ)How(どのように)を指す言葉です。

たとえば、「便秘」を看護問題に抽出した場面を思い浮かべてみてください。看護計画に「腹部マッサージ」とだけ記載すると具体的なイメージがわきにくいですよね。そこに5W1Hを組み込むと「腸蠕動を促すため、リハビリ後に車いす上にて患者自身で5分間腹部マッサージを行うよう指導する」となり、より具体的になります。

また看護計画は、自分だけでなくほかの看護師にも共有しケアを行うものです。読む看護師によって解釈が異なると一貫性のある看護ができないため、患者は混乱し、期待される効果も望めません。5W1Hを看護計画に組み込むことで個別性を見出すだけでなく、統一した看護を提供することにもつながります。

ポイント③計画を定期的に評価し変更する

患者の状態は日々変化するものです。定期的に看護計画を評価し、変更することで今の患者の状態に合った看護計画になります。とくに急性期の患者の変化はとても早いです。不要な計画を削除し、状態の変化に合わせて必要となる計画を追加していきましょう。

計画を定期的に評価する際にカンファレンスを開催し他の看護師の意見を聞いてみるのも有効です。患者も看護師も人間であり相性があります。そのため、相性の良い看護師が患者の情報を多く引き出して持っているかもしれません。カンファレンスを開催することで患者に必要なケアをより深く考えることができます。

ポイント④退院後の生活を意識した目標設定

看護師は患者の入院中の生活だけでなく退院後の生活にも目を向けなければなりません。入院前後で生活が変化する患者は新しい生活様式を理解し慣れていく必要があります。たとえば、脳梗塞後に片麻痺となった患者であればこれまで通りの生活に戻ることは困難です。残存機能を活かし、再発を防止するための生活能力の獲得が求められます。

また、退院後の生活に目を向けた際の援助には本人だけでなく家族も巻き込む必要があります。キーパーソンを把握し、必要に応じて退院指導に参加していただくと看護計画に個別性が生まれます。指導の際にも誰がどのように指導するかを考えることがポイントです。

ポイント⑤他職種と連携する

最後のポイントは、他職種と連携することです。看護師だけでの援助には限界があります。他職種の力を借りることで多面的に患者の援助ができるようになりますよ。

近年、チーム医療の重要性が注目されており、かつ地域包括ケアシステムでは看護師はより幅広く対象者の援助を担うようになります。他職種連携は今後の看護のキーワードの一つとなるのではないでしょうか。

他職種連携のポイントは、各職種の得意分野をしっかりと把握することと的確な情報提供です。たとえば、退院後に必要な社会福祉の相談はソーシャルワーカー、制限食が口に合わずに食欲低下した場合は管理栄養士に相談してみましょう。

他職種に相談する際は、看護師が患者の身体的・心理的特徴を詳細に情報提供することが個別性につながります。患者の入院生活を最も身近で長い時間観察しているのは看護師です。患者の特徴を把握し、どのようなことに困っているか他職種に情報提供していくと良いですよ。

他職種とスムーズに連携するコツについては、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

ISBARを使って他職種への報告やコミュニケーションをスムーズにしよう!

まとめ

個別性のある看護
今回は個別性のある看護を展開するためのポイントを説明しました。個別性のある看護を行うには個別性に応じた計画立案が欠かせません。ご自身の日々の看護を見つめなおすきっかけとなれば幸いです。

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