放送大学が叶えてくれる“看護師”のキャリアアップとは?|看護師の生き抜く術を知る!|看護師専門の求人転職サイト【看護師ドットワークス】

放送大学が叶えてくれる“看護師”のキャリアアップとは?

放送大学が叶えてくれる“看護師”のキャリアアップとは?

時代はAI、あと数十年もすれば労働のほとんどがAIにとって代わるといわれていましたが、機械に取って代わられるということもなく不況には強いのが“看護師”の国家資格です。

看護師になるためには看護師国家試験に合格する必要がありますが、一言で看護師といっても奥が深いのはご存知でしょうか?
 
今回は看護師になったあとのキャリア形成も踏まえて、放送大学で何が変わるのかをお伝えします。

看護師のスタートラインを見直してみよう

看護師のスタートラインを見直してみよう
看護師になるためにはまず、何と言っても看護師国家資格に合格し看護師免許を取得する必要があります。

現在日本で看護師国家試験の受験資格を得るためには、高校を卒業し4年制の大学を卒業するか3年制の看護専門学校もしくは看護短期大学を卒業し、必要な単位の取得が必要です。

または、5年一貫性の看護高等学校というものがあり、中学卒業後最短20歳で国家試験の受験資格を得られます。

同じ看護師免許を取得するだけなのに、取得するまでの年数に差があるのです。いったいこの差はなんなのでしょうか?

看護師資格を取得するまでの違いについてみていきましょう。

大学と専門学校の違いはカリキュラムと単位数

現在は大学といっても総合大学、医療大学、看護大学など多様ですが、そもそも大学とは「学術の中心」として、「教育」と「研究」を通して「成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与する」場所と法律で定義されています。

引用元:教育基本法(文部科学省)

カリキュラムも多く、学部の専門教育科目以外にも外国語や教養科目など広く単位として定められています。設定された単位が認定されないと進級できません。

最短で4年かけて卒業すればすべての単位認定が終了し、学士の称号を取得できます。
 
一方、看護専門学校は文字どおり看護にまつわる教育を専門に取り扱いますので、語学や教養科目などの単位数が大学に比較すると少なく、卒業しても称号は得られません。
 

“学士”の学位は必要か?

そもそも看護師として働くのなら、看護師免許さえあればいいのだから別に学士の学位なんて必要ないのではないか?と思うことでしょう。

実際に働く上では、看護師経験年数は誰しも1年目からスタートしますし、スキルに大きな差があるけでもありません。

強いていうなら大学組の方が看護師国家試験の合格率が若干高いといわれている点でしょうか。

また、ほとんどの大学では看護師だけでなく保健師の国家試験受験資格ももらえるので看護師免許だけではなく保健師免許も同時に取得している人が多いので就職の幅が広がるというメリットがあります。

保健師に関しては看護学校卒業後に編入し必要な単位を取得すれば、専門学校卒業組でも受験は可能です。

では、何が違うのかといいますと、まず挙げられるのは初任給が違うといえるでしょう。

多くの病院では4年制大学卒業をした看護師の方が、そのほかの看護師に比べて初任給で5,000円~10,000円前後の差があります。

同じ労働時間で同じ業務量だとしても月給に差が出てしまいますが、専門学校卒の場合は1年分早く社会に出ていますし、就労後の昇給には差がほとんどないので、あとは自分の頑張り次第というところでしょうか。
 
そして、最大の違いは何といってもキャリア形成です。

看護はすでに看護学として社会に確立しており、認定看護師や専門看護師なども広く知られるようになってきました。専門看護師を目指す場合には大学院で修士課程を修了していることが条件となります。

修士課程(前期博士課程)を修了するためには、学士の学位が必要となり、専門学校卒業の場合は受験できません。

また、専門看護師だけではなく、もっと看護を学問として学びたい場合や研究職に就きたい、国連や厚生労働省などの専門職へ参加したい、海外で看護師として就労したいと思った場合にも、この学士の学位を求められてしまうのです。
 
実際に、私自身大学病院に勤務していますが、たくさんの患者さんを見ていく中で複雑で困難な課題を抱えている患者さんやその家族を前にすることは決して少なくありません。

そして、そのような困難なケースに対して自分たちの経験だけでは対処できないときに、専門看護師は専門的かつ理論的に相談や調整役を担ってくれ、問題の解決の手助けをしてくれるのです。

その姿は日々の看護について、問題意識だけでなく研究対象としてとらえる専門性の深さに驚かされます。

さらに、一個人の看護師ではなかなか取り合ってもらえないことであっても、専門看護師という資格を持っているからこそ声が広く届くことも可能にし、業務を推進してくれるので、憧れの存在になるでしょう。

自分のキャリア形成については、いますぐではないにしても将来的にこうありたいと思ったときに思わぬ落とし穴があったという想定外もあるため、これから看護師を目指そうか考えている人にとって、そもそもの看護師のスタートラインを見直すというのは大切です。

では、すでに学士を持たずに看護師免許を取得した人にとって、専門看護師などは諦めなくてはいけない夢になってしまうのでしょうか?

放送大学が叶えてくれる働く看護師のキャリア形成とは

放送大学が叶えてくれる働く看護師のキャリア形成とは
一般的に学士の学位を取得したい場合、大学に編入するというのが一番スタンダードな方法かもしれませんが、大学入学もしくは編入のためには受験が必要です。

多くの大学では筆記試験など学力を問う入試を導入していますので、就業している人は働きつつ受験勉強をし、専門学校に通っている場合は日々の授業や実習、看護師国家試験の受験勉強と同時並行で編入試験に向けた勉強も必要になります。 

ここまでの道のりを見てみると、やはり専門学校卒業からの学士の学位取得までの道のりは遠く感じてしまう人が多いのではないでしょうか。

だからこそ、働く看護師には放送大学がキャリア形成を可能にしてくれるのです。

放送大学が働きながら学びたい人に選ばれる理由

そもそも放送大学をご存知でしょうか?テレビなどのチャンネルにも登録されているので一度は耳にした人も多いかと思いますが、その実態を知らないという人がほとんどではないでしょうか。

放送大学は、BSテレビ・ラジオを通じて授業を受けられるのが特徴です。科目によってテレビ科目、ラジオ科目に分けられていて、分けられた授業を録画しておくことで好きな時間にいつでも自宅で学習できます。

また、放送大学の学生になるとインターネットで視聴も可能ですので、自分のペースで無理なく学べるのです。放送大学は仕事をしている方や自宅にいても家事で忙しいという方にもおすすめといえます。

さらに、全科履修生として4年以上在学し、所定の単位を修得すると「学士(教養)」の学位を取得できます。4年以上在学という点は結局普通の大学と変わらないのでは?と思われた方には朗報です。

じつは、放送大学では“学位授与機構”というものを利用して学士の学位を取得できるのです。

これは、基礎資格を有する者に該当したのちに放送大学等で所定の単位を修得し「学修成果(レポート)」の作成、学位授与機構に申請し試験を受け審査に合格できれば、学士の学位を授与してもらえます。
 
ただし、この“学位授与機構”の学位授与制度を利用するためには「基礎資格を有する者」に該当していなければいけません。

実際の例としては、

・短期大学を卒業した者
・高等専門学校を卒業した者
・大学の学生として2年以上在学し62単位以上を修得した者

など、さまざまな道のりがあります。

また、専門学校や高等学校等専攻科修了の方は出身校に確認が必要ですが、基礎資格を有していると確認できれば放送大学に資料請求を行い、必要な書類をそろえ年2回ある出願期間内に提出するだけです。

学力試験はなく入学資格を確認する書類審査のみですから、就労しながらであっても比較的ハードルは低いといえます。

合格通知を受け取れば、学費を納入し授業を受けられるのです。

実際に“学士”(看護学)を取得するためには

自身が学位授与機構の制度を利用するための該当者であることを確認した場合、3年生の専門学校を卒業している人であれば「放送大学で1年以上にわたって31単位以上を取得する」ことで学士(看護学)の学位を取得できます。
 
しかし、ここで注意しなくてはいけないのはあくまでも学士(看護学)の学位を取得しただけであって、大学卒業資格としては認められないという点です。

大学卒業資格が欲しい場合

大学卒業資格が欲しい場合
先にも書きましたが、大学というのはさまざまなカリキュラムを通して専門科目だけではなく教養を身につける場でもあります。

そのため、3年次編入学し2年62単位を取得すると学士(看護)の学位だけではなく学士(教養)の学位も取得できるため、最終的には履歴書にも大学卒業と記載ができるようになるのです。
 
ただし、この場合は、まず放送大学に編入学し、学士(教養)を取得し、同時に学士(看護学)の取得に必要な単位を修得していく形になります。

詳細は放送大学のリーフレットに丁寧に書かれています。興味のある方は、ぜひ確認してみてください。
学士(看護学)の取得を目指す方へ(放送大学)
引用元:学士(看護学)の取得を目指す方へ(放送大学)

放送大学で准看護師から看護師へステップアップを目指すことも可能

准看護師とは、都道府県知事発行の准看護師免許を得て医師や看護師の指示のもと診療の補助業務などに従事できます。

看護師は国家資格であり自身の判断のもとでの業務が許されますが、准看護師にはその権限はありません。

また、普段は同じような業務を行っていても、資格の違いから給与に差が出ることも多く、キャリア形成にも影響していくものです。

さらに、現在の年々高度な医療提供がされるようになっている現状や管理職へのステップアップを見込めないという観点から、大型の病院では看護師を採用希望する病院も多く年々准看護師の需要は減っています。

しかし、准看護師の資格から看護師へステップアップはもちろん可能です。

准看護師の方が看護師の免許を取得する方法のひとつとして、看護師学校養成所2年課程(通信制)で学習していくという方法があります。

こちらは准看護師として7年以上の就業経験を有した上で、看護師学校養成所2年課程(通信制)に入学し所定の65単位以上を修了すれば、看護師国家試験受験資格が取得可能です。

准看護師免許は中学校卒業後に専門の養成所で2年就学し、准看護師試験に合格すると取得できますから、早い人では17~18歳で就職が可能です。そのため、7年以上の就業後では25~26歳の頃になります。

しかし、放送大学で修得した単位は、各看護師学校養成所の判断によって、総取得単位数の2分の1をこえない範囲で当該養成所において履修したものとして認定を受けられるため、経験年数が7年未満の方も、放送大学で必要単位を先に修得できます。

途中で看護師へステップアップを希望する場合でも、7年を待たずに必要単位数が得られるというのは嬉しい点ではないでしょうか。

放送大学では看護師になることはできないので注意が必要

これから看護師を目指そうと思っている人の中には、すでに社会人経験をされている方もいることでしょう。

実際に私の働く病院でも、多くの人が社会人を経て手に職をつけたいと思ったからという理由や介護ヘルパーやケアマネを経て看護師の仕事にあこがれて転職を希望したという人も少なくありません。
 
ここで気になるのは、すでに他大学を卒業していたり、専門学校を卒業していたりする人も学士(看護学)を取得すれば看護師になれるのではないかという誤解をされている人が多くいるという点です。

残念ながら、結論からお伝えすると放送大学を卒業しても看護師国家試験の受験資格は得られません。

看護師国家試験の受験資格には厚生労働省で定められている看護師になるために必要な学科を修めたと判定されたことを証する書面が必要になります。

こちらは、当然専門知識だけではなく看護師になるために必要な病院、施設の臨床実習の単位も含まれています。放送大学ではこの単位の取得ができないのです。

あくまで放送大学で習得できるのは、学士(看護学)と学士(教養)の学位のいずれか、もしくは両方ですので間違えないようにしてください。
看護師国家試験の受験を目指す准看護師のみなさまへ(放送大学)パンフレット

まとめ:働く看護師が放送大学を卒業する意義とは

働く看護師が放送大学を卒業する意義とは
いまは時代も進み、学歴社会や教育格差と言った言葉も叫ばれる中で大学卒業は就職のための飾りに過ぎないという人もいます。

しかし、大学とはあくまでも教育の中心であり、そこで日々の研究が社会にどのように役立つかを考え提供し、社会の発展に貢献する場です。
 
そして、私たち看護師に求められているのは、どれだけ患者さんに寄り添い質の高い看護ケアを提供するかなので、ここでいう看護の質は高学歴で知識をたくさんもっていることやスキルが特段に高いことだけではありません。

個人で提供するのではなく、多くの医療者と患者さんがひとつのチームとなって進んでいかなくてはいけないのです。
 
もちろん給与面や進学、専門看護師や管理職へのスキルアップを考えた場合、最初から大学を卒業しておくことはあとからの負担の軽減につながります。

しかし、臨床で患者さんのそばに寄り添い、誰よりも身近で看護を提供している時間も看護学という学問の深さに気付かされることも多く、もっと専門的な知識を得たいという原動力につながっていくものです。

学問を学ぶのに遅いとか早いかは関係ありません。
 
放送大学は、そんな働く看護師さんをサポートしてくれる強い味方として可能性を広げてくれ、それこそが放送大学を卒業する意義だといえるでしょう。

もし、いまの職場が働きながら学べる環境ではない場合は、ぜひ転職エージェントへご相談ください。専門のコーディネーターが、面談を通してご希望に沿った転職先を紹介してくれますよ。

医療の現場を知りつくしているからこそ、キャリアアップを目指している方にとって最適なサポートを提供してくれるでしょう。

この記事を読んでいる方は以下の記事も見ています

トップ
看護師向け転職エージェントランキング