東京都が病床を増やすことを発表!看護師の人手不足はどう変わる?|看護師の生き抜く術を知る!|看護師専門の求人転職サイト【看護師ドットワークス】

東京都が病床を増やすことを発表!看護師の人手不足はどう変わる?

東京都が病床を増やすことを発表!看護師の人手不足はどう変わる?

看護師不足は深刻な問題であり、現在もこの問題は解決していません。毎年、何万人もの看護学生が国家試験に合格し、新たな看護師が増えている中、それ以上の離職者がいることと、看護師の必要性が高まっていることが理由で看護師不足は続いています。
どうすれば看護師不足は解消できるのか、国だけではなく様々な医療機関や介護施設でも解決策を検討していますが、なかなか解決できないのが現状です。

そんな中、東京都がコロナの病床を増やすことを発表しましたが、看護師不足はどう変わっていくのでしょうか?

東京都が病床を増やした理由

東京都が病床を増やした理由
東京都は5月末までにPCR検査を行う拠点を44か所設置し、病床数も最大4,000床に整備することを決めました。ピーク時ではなく、なぜ今さらPCR検査を行う拠点や病床数を増やすことへ疑問を抱いている人もいます。
今、検査や医療の体制を整えているのには理由があります。これはコロナ感染拡大の第二波に備えるためです。

東京都が示した医療検査体制の整備案としては、

・PCRセンターを都内44区市に拡大
・機器・検査薬・人材の確保
・病床を最大4,000か所に拡大
・マスク・消毒液・防護服などの感染予防物品の確保
・都と保健所との情報共有を強化する
・接触確認アプリの活用

といったものがあげられます。第二波が訪れる可能性がある冬までに整備していくという訳です。

物品不足に人手不足。看護師のストレスはピークに

マスクやエプロン、消毒液やフェイスシールドですが、いつも仕事で当たり前のように使っているものがコロナの影響で品不足しています。マスクに至っては、病院勤務の看護師は1週間に3枚配布され使い回すか、自分で用意するか自分で判断しなければいけないという医療機関がほとんどです。
このような物品不足だけではなく看護師不足という問題も併発しているため、医療現場で働いている看護師のストレスはピークに達しています。

治療薬や予防薬のないコロナウィルスに感染するのではないか?という恐怖心を抱きながら看護をしている看護師もそろそろ限界がきてもおかしくありません。看護師が仕事を放棄してしまえば、たちまち医療崩壊は訪れてしまうでしょう。そのためにも、物品不足と人手不足の解消は必要不可欠の問題です。

看護師不足が起こる理由

看護師不足が起こる理由
なぜ、毎年新たに看護師が誕生しているにも関わらず、看護師不足の問題が起こるのか?と思う方もいると思います。

この数字は2016年から2020年までの看護師合格者数です。
   
2016年 55,585人
2017年 55,367人
2018年 58,682人
2019年 56,767人
2020年 58,514人

引用:国家試験実施状況及び合格率の推移(厚生労働省)

ご覧のとおり、毎年5万人以上の看護師が新たに増えています。それでも看護師が足りていないのはなぜなのか?と思う人も少なくありません。
看護師不足の理由は、離職率が高いことと看護師の必要性が高まっているからです。
日本は2007年に超高齢社会に突入しました。高齢率が21%を超え、2016年には27.3%、2019年には28.4%とどんどん上がっています。

高齢者が増えるということは看護や介護を要する人が増えるということです。しかし、若者が減り高齢者が増え続けているので、看護や介護をする人数よりどんどん高齢者の数が増えています。現在でも看護師不足に悩まされているのに、これから先さらなる看護師不足をどう補っていくのか課題です。

日本には潜在看護師が数多くいる

2025年には団塊世代が75歳以上になり国民の3人に1人は65歳以上、そして5人に1人は75歳以上になるという2025年問題まであと数年です。2025年までに、医療や介護の体制を整えていかなければなりません。それに加えて、コロナ感染症が流行しました。2025年を待たずして看護師不足を解消していかなければならないでのです。

看護師不足を解消していくための方法のひとつは、潜在看護師を復職させることです。現在日本全体で約160万人の看護師が就業していますが、2025年には約196~206万人の看護師が必要と言われています。看護師免許を持っているが離職している潜在看護師が日本には約71万人いるといわれています。
潜在看護師の中には、親の介護、結婚、妊娠、出産、子育てなどを理由に一度離職し、復職できないままでいる人も少なくありません。

その理由は、一度医療の現場から離れるとまた同じように働くことが出来るのか?という不安や、また忙しい日々を送らなければいけないという思いからなかなか復職できない人がいます。それだけ、医療の現場は精神的・肉体的への負担が大きいということです。この潜在看護師が1人でも増える事で、看護師を確保に繋がります。

コロナ感染症に伴い医療機関では医療従事者の確保が必要

コロナ感染症に伴い医療機関では医療従事者の確保が必要
コロナ感染症を受け入れている医療機関では高度で濃密な医療提供が必要なため医療者を多く必要としています。そのため、1人でも多くの看護師が必要です。

日本看護協会では、eナースセンター求職登録者届出制度に登録している潜在看護師に復職依頼メールを送信し、その中の696人が復職しました。東京都のコロナ感染症第二波対策のために、病床数を4,000床まで増やすことになったため、さらに潜在看護師への期待が高まっています。

eナースセンターに登録していない潜在看護師はまだまだいます。少しでも多くの看護師が登録し、復職してくれることで、医療従事者の数が潤います。そのうなると、現在過酷な現場で働いている医療者の体力面も少しは緩和される事でしょう。

まとめ

東京都は、第二波に備えてコロナ感染症のための病床数を4,000床まで増床することを決めました。病床を増やすということは、それだけ医療従事者を確保しなければいけません。看護師不足の問題は様々な医療機関は頭を抱えています。どうすれば少しでも多くの看護師を確保することができるのか?団塊の世代が75歳以上になる2025年問題のためにも、看護師の人数を少しでも多く確保したいところです。

そのために、看護協会が潜在看護師への復職要請を求めています。現在約600人の潜在看護師が復職しました。eナースセンターに登録していない看護師はまだまだ沢山います。少しでも多くの潜在看護師達が復職してくれれば、看護師不足が解消され現在勤務している看護師たちの負担も軽減されます。医療現場を一度離れ、また看護師になるというのは不安もとても多いでしょう。

休職するまで働いていた看護技術は、長年のハンディがあったとしても、少し練習することでその感覚を取り戻せます。不安な気持ちを振り払い、今困っている人たちの人助けをしてみてはいかがでしょうか。

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