看護師と感情労働の関係は?|看護師の生き抜く術を知る!|看護師専門の求人転職サイト【看護師ドットワークス】

看護師と感情労働の関係は?

看護師と感情労働の関係は?

看護師は代表的な感情労働だといわれます。感情労働とは何で、どのような状態で起こり、そして良いものおよび悪いものなのでしょうか。また、感情労働をしていく上で、疲弊しないためには何が必要なのでしょうか。看護師と感情労働の関係についてみていきます。

感情労働とは?

感情労働とは、A・R・シックホールドさんという社会学者が提唱した概念です。肉体労働は体を使って、頭脳労働は頭を使って働いた結果、賃金を得ますが、感情労働は感情を使って、お客様の感情を導いていくものです。

よって、感情が非常に疲れてしまうのが特徴です。それはまさに、肉体労働者が仕事の後でクタクタになるようなもので、感情労働者は仕事のあと、心がクタクタになってしまうのです。

看護師は、お客様というより患者さんですが、彼ら彼女らに対してケアを行います。身の回りの世話は感情を使って、相手の気持ちをおもんばかりながら作業していくことになりますので、どんどんサービス業に近くなり、感情労働化していくものと考えられます。

他の感情労働の側面を持った仕事として、キャビンアテンダント(CA)が挙げられ、心を使ったおもてなしや、緊急時の対処といった側面が、看護師ととても似ています。看護師もCAも、感情労働なので非常に疲れる側面があるのは否めません。

心を抑圧して仕事にあたるので、自分の感情を見失ったり、心がヘトヘトになってしまったりなどの、大きな困難につき当たることもしばしばです。

なぜ感情労働が起きる?

感情労働 看護師
なぜ看護師が感情労働になってしまうのでしょうか。それは、仕事の性質に関係があります。医師や薬剤師や技師は、一般に技術、知識といった技能を提供しています。

その一方で、看護師は笑顔や細やかな気遣いといった面で、患者さんに看護を提供する側面があるのです。このことから、看護師は感情労働的側面があるのです。

そして、何も当コラムだけで感情労働を主張しているわけではなく、医療社会学の分野でもすでに感情労働について指摘されています。患者さんのケア、チームワークと協働、心を使った看護の側面が、看護師の仕事を感情労働にしているのです。

といっても、看護師のみなさんならすでに理解されている通り、感情労働とはやみくもに心を尽くすことではなく、看護師が感情をコントロールして抑圧し、そして然るべき方向に患者さんの心と精神を高めていくことが重要となります。

感情労働は負の側面もあることはありますが、決してネガティブなものではありません。看護師という職業を生涯の仕事に選んだ人であれば、その労働の苦労はわかっていると思います。

たとえば、患者さんが手術の前に不安になっているとき。看護師が笑顔で勇気づけることで、患者さんは手術に立ち向かう意欲を持てます。気分が落ち込んでいる患者さんに対して、その感情に呑まれず、ポジティブなフィードバックを返していく。

それが感情労働の正の側面です。感情労働は、関わる人が落ち込みがちなとき、とくに威力を発揮し、職場全体の気分を盛り上げてくれるものなのです。

感情労働がつらいと感じる看護師は62%

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では、看護師ドットワークスの独自調査による感情労働のデータについてみていきます。クラウドソーシングサービスの「ランサーズ」上でのリサーチによりますと、看護師が感情労働を辛いと思っている人は全体の62%。意識したことがない看護師が13%、適職なのでつらいと感じたことがない看護師が25%いました。

感情労働がつらいのかどうかは、この考え方の問題が大きいようなデータです。少なくとも25%の人は、感情労働を特に意識せず、実践していられることになります。ただ、つらいと感じる人が62%もいることで、こうした人達は転職予備軍なのではないかと考えられます。

感情労働という名前をはじめて知ったかもしれませんが、つらいのはあなただけではないのです。

ペイハラへの対処は?

感情労働がつらい理由のひとつの、ペイハラがあります。ペイハラはモラルを逸脱したペイシェント・ハラスメント(顧客によるハラスメント)であり、いま看護師だけでなく医療全体の問題として大きくクローズアップされています。

反対に、ドクターからの高圧的な指示・指導がドクハラ(ドクター・ハラスメント)といわれて久しくなります。ペイハラもドクハラも、メディアが作り上げた言葉ではありますが、どちらも看護師に“あたり”が強くなるので困ったものです。

ペイハラって何?患者による医療職への圧力がテレビでも話題に!

感情管理の技術

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看護師は感情労働の側面が強くなりますから、感情をコントロールする術をもたないことには仕事がうまく回りませんし、感情をきちんと処理しなければ、プライベートに害が及ぶ可能性があります。

看護師は仕事が人生になりがちで、本気で取り組まなくては務まらない職業です。よって、感情をコントロールすることは何より大切です。

感情管理の基本として、コーピングがあります。コーピングについては、看護師であるみなさんはご存知だと思いますが、ラザルス氏が提唱したふたつのタイプがあるストレス対処法です。

問題焦点型・・・ストレッサーに働きかけ、具体的な解決をはかる
感情焦点型・・・自分の感情・認知に焦点をあて、心のなかで解決する

というもの。どちらが良い・悪いというわけではなく、その時の条件に依存します。感情的に直接の対処ができないのであれば、感情焦点型、もしも働きかけができるのであれば、問題焦点型として具体的な解決を目指すのがいいでしょう。

「燃え尽き症候群」にならないために

燃え尽き症候群 感情労働 看護師
看護師は燃え尽き症候群になりがちです。仕事を頑張りすぎて、不要な感情を浪費し、心がくたびれてある日「もう働けない」「これ以上がんばれない」とポキっと折れてしまうのです。

手を尽くしても、考えを変化させても、感情労働にとらわれてしまって身動きがとれないなら・・・そうなってしまう前に、転職エージェントにご相談ください。

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