コロナ陽性の看護師をなぜ病棟で働かせてはいけなかったか|看護師の生き抜く術を知る!|看護師専門の求人転職サイト【看護師ドットワークス】

コロナ陽性の看護師をなぜ病棟で働かせてはいけなかったか

コロナ陽性の看護師をなぜ病棟で働かせてはいけなかったか

新型コロナウィルスの集団感染が起きた、大阪府大阪市生野区にある、なみはやリハビリテーション病院で起きた問題。
看護師がコロナ陽性と解っていたにも関わらず、夜勤をそのまま続けさせたという記事を覚えていますか?コロナに感染していると解っていたのに、働き続けさせた理由は、他の看護師を手配できなかったという理由でした。

これを聞いてあなたなどう思いましたか?コロナ病院やコロナ病棟で勤務するのであれば看護師が罹患していても問題ないと思いますか?それとも、罹患している看護師が働くなんてありえない?と思った方もいるのではないでしょうか。

なぜ、コロナ陽性の看護師が病棟で働いてはいけなかったということについてお話していきましょう。

クラスターをさらに起こす原因

クラスターをさらに起こす原因
コロナ陽性の患者の中で働くのであれば、どこでコロナに感染するかもしれないし、そうなるのであればいっそ感染している看護師が勤務しても問題ないのでは?と思う人も中にはいたでしょう。

ですが、この看護師はコロナに感染していたかもしれませんが、他の看護師は感染していた訳ではありません。また、コロナ病棟は感染している患者だけではなくコロナ疑いやPCR検査の結果を待っている患者など、実際にはまだコロナと断定されていない患者も入院しています。

患者同士が密に接することはありませんが、看護師の場合患者への衣服の交換や食事介助を始めとする生活援助だけではなく、点滴や採血などの処置も行わなければいけません。
また、耳の遠い患者に対しては顔を接近させ耳元で話かけなければいけませんし、認知症患者の場合、どのように急に接近してくるかもしれません。

それだけ患者と密になる可能性が高く、感染していない人に対しても感染させ場合によってはクラスターを発生させる原因にもなってしまいます。そうならないようにするためにも、コロナに罹患している看護師を働かせてはいけないのです。

重症化する可能性が高い

熱があっても、なかなか交代してもらうことが出来ない夜勤業務。今回、なみはや病院の看護師は重症化しませんでしたが、もしかしたら重症化していたかもしれません。コロナ感染症のワクチンも治療薬もまだ開発されておらず、きちんとした治療薬はありません。そのため、無理をして働くことによって最悪の場合重症化する可能性もあったのです。

そうなると、看護師不足という問題ではなく、看護師の生命の危機の状態に陥る可能性があったという訳です。看護師不足という問題があるのは解りますが、自分の命を懸けてまで働きたいと思う人は少ないでしょう。このような事を続けていると、さらに看護師の離職率が上がっていく可能性があるため、医療機関も慎重に対策を練らなければいけません。

看護師不足が原因

看護師不足が原因
コロナに感染していると解っていたにも関わらず、夜勤をさせた病院の言い分は、看護師が不足し、代わりに夜勤できる看護師がいなかったという理由でした。看護師の急な病気に対しても、変わりを立てることが出来ないくらい、看護師が不足していることが問題なのです。

2016年度末で看護師の就業者数は約166万人おり、毎年平均3万人の看護師が増加しています。ですが、このペースで増加したとしても2025年には看護師が3万人から13万人不足するといわれているのです。

看護師が増加しているにも関わらず看護師が不足している理由は、看護師のニーズが高まっていることが理由の一つです。高齢社会になっているため、病院だけではなく他の医療機関や介護施設、訪問看護ステーション、保健所など様々な場所で看護師は求められています。そのため、看護師の数が増えても増えても足りていないのです。

ですが、日本には「潜在看護師」といって看護師の免許を持ちながら離職している看護師が数多くいます。この看護師達を復職させるために看護協会の会長が活動を行っています。離職している看護師の中には、生活スタイルの変化のためという人が沢山いますが、理由はそれだけではありません。

看護師の仕事の過酷さや、人間関係の複雑さといった事を理由に看護師の仕事から離れたという人も少なくありません。確かに10年前は労働基準法もあまり口うるさく言われていなかったため、看護師のサービス残業はたくさんありました。

しかし近年労働基準法も厳しくそれに従う医療機関も増えてきているため、サービス残業はなく、きちんと残業手当がつくようになりました。
例えば、情報収集のために早く出勤することが当たりまえでしたが、時間までカルテを見てはいけなかったり、早く出勤した場合にも手当がつくよう義務付けられていたりする職場もあります。

看護師の人数が足りていると患者は安全になる?

看護師不足は急な病気で夜勤を交代してもらうことが出来ないという事だけが問題なのではありません。看護師の人数が十分に確保されていることで、患者の安全性を保つことが出来るのです。

看護師と患者の割合が10:1より7:1の方が、ゆとりある看護が提供できるということは誰もがわかりますよね。ゆとりがあれば、看護師自身もイライラせず患者と接することができるという訳です。
看護師の人員を確保することができれば、患者を安全にそしてよりよい看護を提供することが出来るのです。

まとめ

コロナ感染症と解っていながら夜勤を命じた病院がニュースで取り上げられました。どこも看護師不足で頭を抱えているのは同じです。

コロナ感染症の看護師を勤務させたことは、看護師自身を重症化させ場合によっては生命の危機に陥っていたかもしれません。また、コロナ感染症の看護師を介してクラスターをさらに発生させる可能性もありました。
コロナ病棟だからといって、感染している看護師を勤務させることは許される事ではないのです。

看護師不足という問題はこれから先も続くわけですが、潜在看護師が少しでも復職し看護師の人数を確保することで、看護師の負担を軽減させるだけではなく患者に対しても安全で質の良い看護を提供できる要因にもなるでしょう。

潜在看護師の方が職場復帰を目指すとき、以前のように働けるか不安を感じる方も多いのではないでしょうか。しかし看護師として活躍できる職場は、大きな病院だけではありません。医院、クリニック、介護施設など、やりがいを感じながら無理なく働ける職場はたくさんあります。

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