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新型コロナウィルスの危機的直面に,看護師はどう向き合うべきか

新型コロナウィルスの危機的直面に,看護師はどう向き合うべきか

新型コロナウィルスが猛威をふるう中、国内でもマスコミやSNSで連日の報道が過熱を増し、感情をぶつけ合う論争まで起きています。しかし感染のリスクの高い場所に立たされているのは医療従事者ですから、看護師も様々な危機に直面している現状です。

しかしこれらの危機は、感染のリスクの高さだけではありません。思いもよらないところで、加熱する報道の攻撃対象になる危機もあります。看護師は今この現状にどう立ち向かうべきか、考えていきたいと思います。

引用:新型コロナウィルス感染症流行時の患者・家族・職員への倫理的配慮,感染管理や感染症看護を担当する看護師による事例集

この資料は、国立国際医療研究センター病院他12施設の関係者により制作された資料です。

1、 看護師の感染ハイリスク

	看護師の感染ハイリスク
看護師は医師よりも患者さんとの距離も近く、対応する時間も長いです。すでに感染していることが確定している患者さんの看護には万全の感染対策をして対応することができたとしても、対応をしていた外来診察後や入院後に感染していることが発覚した場合には、感染予防するすべがありません。

各医療機関では院内感染対策が取れられているかと思いますが、施設によって対応には差があり、いつ感染者となるかわからない不安の中で業務をすることは精神的な負担が大きくなりやすいです。

まだ経験が浅い看護師であれば、初めての事態に戸惑うこともでてきますので職員同士で積極的に情報交換を行い不安の軽減につとめていく必要があります。

資料(4)(5)(6)(21)参照

2、 看護師の個人情報守秘義務

万が一勤務先に感染した患者さんが入院してきた場合や入院中の患者さんから感染者が出た場合、個人情報を漏らさないこと必要です。

看護師には個人情報守秘義務があり、情報を関係者以外に流出することは禁じられていますので、たとえ家族や友人であっても世間が恐怖と不安に陥っている状況下で情報漏洩することは情報の誤解を招いてしまいます。

資料(1)(26)参照

3、 看護師としての知見や発言には注意が必要

看護師としての知見や発言には注意が必要
看護師は一般社会の人と比べれば、感染症が発生した場合の対処法や知識をもっています。そのため知人や家族から、感染症対策について意見を求められることも少なくありません。

これまでにも大規模感染が発生した際の患者さんの対応や自身の感染予防の経験があるとすれば、経験に基づき意見を述べることもできるでしょう。

ただ新たな感染症の発生は今までの知識や経験が通用しないこともあり、科学的根拠のない対策法は混乱を招く原因にもなります。

マスコミでは専門家同士の意見の食い違いやSNSでも意見の討論が繰り広げられる中、どこに正解があるのかわからず不安や恐怖から苛立ちをあらわにしている人も多いので、たとえ親しい関係者同士での会話であってもそれが瞬く間に「友人の看護師から聞いた話」「身内の看護師から聞いた話」として拡散されてしまいます。

今の時点では看護師としての意見をすることで逆に非難の対象になってしまう可能性もありますので、医療関係者以外に話す内容には気を付けていきたいところです。

資料(2)(24)参照

4、 看護師の危機的状況

看護師の危機的状況
コロナウィルス感染患者を受けている病院で働く看護師だけではなく、医療現場で働く看護師は今危機的状況に立たされています。

(1)感染の恐怖からの風評被害

医師や看護師から感染者が出た場合、職場を公表するする病院やたとえ公表しない場合でも勤務している職員にも影響がでています。報道では感染者となった看護師を、〇歳の看護師と報じ感染した看護師がどこの病院に勤めていた誰なのか、犯人捜しを始める人の数も少なくありません。

感染した看護師の行動をすべて公表され、感染を広げた犯人のように報道されています。同じ看護師としてニュースやSNSでの報道は、たとえ関連性がなくても嫌悪感を抱く人もでてくるでしょう。まるで看護師がコロナウィルスの保菌者のように捉えられている風潮は、看護師の精神的苦痛を増強している状況です。

(2)国の対策法案によって医療現場に起きる混乱

国の感染対策により、現場で働く看護師の数が減り出勤している看護師にはより過酷な労働条件が加担されることが避けられない職場も少なくありません。

やむを得ない緊急事態とわかっていたとしても、業務負担からくる精神的肉体的疲労がかさなり業務の増加・医療物資の不足など緊急事態に対応しきれない状況が続けば、現場で働く看護師のフラストレーションが加速していきます。

中には「自分達が今できることをやらなければ」と思う看護師もいるかもしれません。ただ今の状況が長く続くことで、2次障害が発生する可能性が高くなります。

5、 看護師を襲うバーン・アウト症候群のリスク

看護師を襲うバーン・アウト症候群のリスク
バーン・アウトとは、別名『燃え尽き症候群』といい、以下の意味をもっています。

「一定の生き方や関心に対して献身的に努力した人が期待した結果が得られなかった結果感じる徒労感または欲求不満。あるいは努力の結果、目標を達成したあとに生じる虚無感を示す場合にも用いられる。慢性的で絶え間ないストレスが持続すると、意欲を亡くし社会的に機能しなくなってしまう」

引用:ウィキペディア

加熱する報道や看護師が感染源となったことへの批判を、職場や日常の中でも耳や目にすることは、同業者としてはストレスを感じやすいです。また職場内での混乱や自身が感染源になってしまうかもしれないという恐怖感が少しずつ蓄積されることで、いずれ限界を超えてしまうリスクがでてきます。

バーン・アウトで見られる症状は、イライラ・無関心・朝起きられない・仕事に行くことが苦痛になるなど個人によって症状が違います。最悪の場合仕事を突然やめてしまう行動に出る場合や、たばこやアルコールの量が増え過度の浪費をしてしまうケースもあります。

バーン・アウトにならないためには環境の改善が必要ですが、もともと人手不足の医療現場ですからすぐに状況を解消できる期待は薄いです。個人ができる対策としては、SNSや報道を割ける、またなるべく気持ちを切り替えられる体験をする必要があります。

この状況を理解しあえるのはやはり看護師同士ですから、職場以外の看護師との交流をしてみることも解決策のひとつとしてみるのはいかがでしょうか。

さいごに

今起きている事態の収束は、いつになるのかまだわかりませんが、まず自分自身の精神的安定を求めることが最も大切です。常に感染のリスクが高い現場で働く看護師だからこそ、世間からは厳しい指摘を受けることも出てきます。

しかし看護師も同じ人間ですから、感染の不安や恐怖心があって当然です。今の危機的状況を脱するためには、いかに冷静な判断で真の情報を求められるかが必要になってくるのではないでしょうか。

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