疲れてやる気が出ない。でも勉強は必要。ベテラン看護師が教える方法とは?
新人看護師は、日々不安と緊張を抱きながら、看護の現場で一生懸命頑張っています。
仕事が終わったら、疲れてヘトヘトな毎日。
でも、新人看護師には知識や経験不足という部分があり、毎日勉強をしなければいけない立場にあります。それだけなら良いですが、新人看護師には、新人研修があり、レポートに追われる日々です。
「毎日、仕事で疲れるし、勉強もしないといけないし、レポートの期限も迫っている…」
このような状況になっている新人看護師は、圧倒的に多いです。
さらに、日々の勉強方法について悩んでいるという声も多く。
配属された科によって勉強する内容は違いますが、勉強方法や時間は、今までの経験からベテラン看護師のノウハウを伝えることは可能です。
疲れていてやる気が出ない。やる気を出す方法とは?
また配属される科によっては、
「今まで実習に行ったことがない科で、全くわからない。どうしたらいいのだろう。」
という状況になってしまいがちなのが、看護師の世界です。そんな新人看護師の毎日は、緊張の連続です。
朝はいつも早く起きる
↓
勤務時間より早く病棟に到着する
↓
先輩看護師に、指導をしてもらう
↓
指導の振り返り、知識をつけるために勉強
こんな毎日を過ごしているのが、新人看護師です。
「勉強をしないと、先輩看護師に怒られる。でも、眠くて今日は休みたい。」
こんな感情を抱いて葛藤をしながら、なんとか勉強をしているはずです。
でも、疲れきってしまい、どうしてもやる気が出ない。このような気持ちになるのを、あなたも必ず経験があるはずです。人間は、どんなに高い目標、すぐ達成できそうな目標を考えたとしても、無意識のうちに楽な方法を考え、行動をしようとします。それが悪いのではなくて、人間が生きるための本能なので、上手に付き合うという考え方が大事になります。
人間には色々な欲求があるので、自分自身を律するというのは、かなり難しいと感じることが、誰しもあるでしょう。
では、どうすればやる気を出せるのか。やる気を出す方法には、段階があります。わかりやすい例えだと、ライバルとなる存在、新人看護師の同期の存在を、上手く利用するのが最初のステップです。
疲れていてやる気がないときでも、ライバルである同期が頑張っている姿を想像してみてください。
「こんなんじゃだめだ。一人前の看護師になるために負けていられない!」
こんな感情を出すことができたら、やる気スイッチを押すことができました。新人同士で刺激をして成長することができるので、病棟に1名の新人看護師が配属されるより、2名以上で配属された方が良いと、よく言われています。
「じゃあ常に他人との競争をしながら、やる気を出すようにしていけばよいのですか。」
こんな風に思う方がいるかもしれません。
この方法は、やる気を引き出すためのきっかけなので、ホンモノとはいえません。
確かにモチベーションを高めるために、効果は出ます。
ただ、この方法だけだと、他人との競争にしかやる気を出せなくなります。
そうではなくて、ホンモノのやる気というのは、自分との競争ができるようになる状態を言います。“ライバルである同期がいてくれたおかげで、ここまでやる気を出すことができた”こんな風に考えることができれば、ホンモノのやる気を出せていると考えてよいでしょう。
先輩看護師で、ホンモノのやる気を出している人を見つけてみてください。その人は、自ら課題を見つけ、考えて、そして行動をしているはずです。ホンモノのやる気を出すためには、経験上、長い月日が必要になります。まずは、他人との競争から生まれるやる気を上手く利用して、新人看護師時代を乗り切ることが大切になるでしょう。
看護の勉強って、どう進めていけばいいの?
「早く一人前になって、先輩看護師に迷惑がかからないようにしないと。」
こう思いながら本やインターネットを使って勉強をすると思いますが、うまく勉強が進まないという壁を感じる人が多いです。
看護の勉強は、自分なりの勉強方法を身につけないと獲得できない分野になります。学生時代のように、専門書を読んでただ知識を覚えるだけでは臨床現場で通用しません。多くの看護師が失敗した経験を伝えます。
一番多いのが、“解剖生理や疾患から覚える” という行動。
確かに、0の知識から覚えようとするとき、スタンダードな方法のように思えます。ただ、難しい専門用語が多く内容が理解できない。そうこうしているうちに、時間だけが過ぎていき次の日の看護師としての仕事が始まる。勉強をしているはずなのに、先輩看護師からは
「ちゃんと勉強しているの?〇〇についての勉強はどうなったの?」
というように言われてしまう状態になるのです。
この失敗しやすい勉強法は、思っている以上に臨床現場で知識を生かすことができません。
それだけでなく、記憶にも残りづらいのです。
人間の脳は、“疑問や興味を持ったことしか覚えていない” という特性があるのを知っていますか。この特性をうまく利用して、臨床現場で経験した疑問や興味を持ったことを調べるという行動をしてみてください。
「脳梗塞の患者さんを受け持って、先輩看護師からクーリングが良くないと言われた。なぜなのだろう?」
こういう疑問が出たとします。
家に帰って、脳梗塞のクーリングについて調べて知識を得るように行動しました。
次の日に、脳梗塞の患者さんを受け持ったとします。根拠を持って、クーリングをせずに対応できますよね。
つまり、 “臨床現場での経験を、事後学習する”これが大切なのです。
今の例を今までの学習方法に例えると、
「脳梗塞の患者さんを受け持つことが多いだろうから、解剖整理から勉強して知識をつけておかないと。」
こういう考え方で勉強をすると思います。
新人看護師時代というのは、とにかく1日が忙しく過ぎ去っていきます。
そんな中で、
・疑問が持てない
・興味を持つことができない
と思ってしまうかもしれません。そうなった時には、受け持った患者さんを振り返ってみて
「〇〇さんの疾患で、なぜこの症状が出るのだろうか。」
「なぜ、この治療をする必要があるのだろうか。」
というように振り返ってみると、自然と疑問がたくさん湧いてくるはずです。
その疑問に対して、一つ一つ解決していってください。その積み重ねをしていくことで、同じような疾患や症状の患者さんを受け持った時に、適切な看護を提供できるようになります。
指導者側の気持ちを知ることで、勉強方法がわかる?
「私はこういう経験をして、新人看護師時代を乗り切った。辛い思いをしないように、新人看護師にはこう伝えよう。」
と感じています。
多くの新人看護師は、看護の勉強方法を迷った経験があります。
勉強方法がわからないのであれば、素直にプリセプターに相談したら良いのです。
相談されたら、ほとんどのプリセプターは自分が経験して獲得した勉強方法を教えてくれます。もしかすると、それがあなたの勉強スタンスには合わないかもしれません。
だとしても、プリセプターがどういう気持ちで指導をしているのかがわかります。
新人看護師というのは、看護の勉強というのをどこまで頑張れば良いかわからなくなるものです。
先輩看護師の頑張った経験を共有するだけで、“どう看護を頑張って知識をつけていけば良いのか”ポイントが見えてくるものです。
ここまで新人看護師として行動をすることができれば、次のステップになります。プリセプターに積極的な質問や疑問点を聞く姿勢を見せてください。ただ、あなたも経験をしたことがあると思いますが、ただ聞くだけでは当然ダメです。聞く前に必ず一度は自分で考える癖を持ってください。
新人看護師というのは、わからなくて当たり前なんです。大事なのは、学ぶ姿勢を見せるということです。
自分で調べても
・理解できない
・わからない
は、どうしても出てきます。
その時に、先輩看護師に調べた内容を素直に伝えて、その上で質問をすることが信頼関係を作ることができますし、あなた自身の知識が定着していきます。
ずっと辛いわけじゃない。1年間頑張った先の未来とは?
「看護師は一生勉強だと言われているし、ずっとこんな日々なんだろうか。」
こういう気持ちが強くなっていきます。
私も新人看護師時代はそう思っていました。確かに看護の勉強は、一生勉強しなくてはいけない。これは間違いではありません。ただ、新人看護師時代と同じ忙しさが続くのかといえば、答えはNOです。新しい知識や技術を覚えなくてはいけない時、圧倒的に経験値がある看護師の方が、学習スピードが違うのです。
新人看護師として1年間頑張った先には、“一人の看護師になれる”と言えます。
あなたが今、新人看護師なら私の言うことが嘘ではないかと思うかもしれません。
でも、これは事実です。毎日頑張った先には、明るい未来があります。
もちろん、2年目や3年目看護師になると、新たな成長の壁というのは出現してきます。
でも新人看護師時代の厳しさを超えることは、基本ないと思います。
今は大変かもしれませんが、それを超えた未来を想像してみて下さい。
あなたのやりたいと思う看護ができるというワクワクを感じてみると、今を頑張るモチベーションになると私は思っています。
まとめ
勉強方法がわからないと感じたら、“何の勉強を今、しなくてはいけないのか” 考えてから行動してください。勉強をする内容が具体的になればなるほど、効率も上がりますし知識もついていきます。
こういう行動を続けると、辛い新人看護師時代を乗り越えて輝く看護人生が待っています。
そして、 「看護をもっともっと勉強して、キャリアアップを積極的に積んでいきたい。」
こう思うようになる人もいるでしょう。
もし、あなたが働いている病院が大きく、キャリアアップに適している病院であれば、そのまま切磋琢磨してください。ただ、今働いている病院では限界が見える。もっとキャリアアップをしたいけど、どう探していいのかわからない。
こういう場合、私たちを頼ってください。キャリアアップをしたいという上昇志向が高い看護師に対して、多くの病院情報を持っています。相談はいつでも無料で行えるので、気軽に相談してくださいね。
この記事を読んでいる方は以下の記事も見ています
-
東京都が病床を増やすことを発表!看護師の人手不足はどう変わる?
看護師不足は深刻な問題であり、現在もこの問題は解決していません。毎年、何万人もの看護学生が国家試験に合格し、新たな看護師が増えている中、それ以上の離職…続きを読む
-
75歳以上の約4割が5剤以上の処方!多剤内服をする高齢者に対する看護師の役割とは?
高齢者が多くの内服をする様子を日常的に目にする看護師は多いでしょう。厚生労働省の調査によると、調剤薬局では75歳以上の約4割に5剤以上の処方が実施され…続きを読む
-
【何月?何年目?】看護師の転職におすすめ時期ってあるの?
「転職を検討しているけど、いつ転職すればうまくいくの?」 「転職するにはまだ経験年数が浅いのかな?」 このような転職の悩みをお持ちではないでし…続きを読む
-
看護師の負担を軽減する「業務改善」とは?
団塊世代が後期高齢者となる「2025年問題」を目前とし、看護師の需要が高まっています。しかし、看護師の仕事はハードであり、医療現場を支える人材が不足し…続きを読む
-
ISBARを使って他職種への報告やコミュニケーションをスムーズにしよう!
医療事故は様々な要因が複雑に絡みあって発生します。その原因の一つが「コミュニケーションエラー」です。 京都第二赤十字病院が全職員に対して行ったア…続きを読む